#40 ジェルミスト奇襲戦①
「ゴブゴブ!」
「ゴブ?」
ゴブリンどもの進軍速度が遅いな…
「気合いを入れて走れ!」
「「「「「ゴブ!」」」」」
根性があるのはこの5体だけ他のは進軍中に雑談するような奴ばかりだ。ちなみにメンバーの内訳は魔法が使えるゴブリンが16体、マジックゴブリンが3体、ゴブリンクイーンが1体となっている。
「ゴブリン供!ここらで作戦を伝えておく…ジェルミストの攻撃手段は大きく分けて2つ…1つが奴らが必ず所持している種族スキル『ポルターガイスト』による攻撃。もう1つが青魔法による攻撃。なので魔法部隊は『魔力吸収』を多用し戦え…奴らの攻撃手段は2つともMPを消費する。MPを切れさせたら火魔法を当て続けろそうすれば奴らはいつか死ぬ。では作戦を開始する!」
「「「「「ゴブゥゥ!」」」」」
とりあえず私はそれぞれのゴブリンのフォローと上位種の撃退を進めよう。
「ゴブ!」
「ゴブゥ!」
「ゴブゴブ!」
これなら大丈夫そうだな…一応上位種を探しに行こうか
「ゴブリン供任せたぞ!」
「「「「「ゴブゴブ!」」」」」
さあどこにいる…と言っても霧だと見分けが付かんな…俺も霧になるか…あそこだけ霧が赤黒い…そこにいるな上位種が…
「隠れてないで出てきたらどうだ?」
『バレていたか…』
「名を名乗れ愚か者が…」
『我が名はローク!ジェルミストの上位種ブラッドミストにして吸血鬼!貴様の名は何だ!』
「我が名はノーマソン!フォテル・ラットマンにして吸血鬼!貴様とは同じ種族に当たるな…運命とは時に残酷なものだ…」
本当に悲しく思えてくる…同族を討たねばならないとは…
『そうであるな…だが仕方がない…苦しまぬよう一発で倒してやる…血操者!』
ユニークスキルか…!血の斬撃の弾幕が舞うこの戦場…どう切り抜けるか…迎撃しようではないか!
「吸血!」
『血を扱いし者に血は通じぬか…であれば格闘で戦うまで!赤炎拳!』
無駄なこと…その技はベリアルから散々見せられたカウンターの仕方も覚えている…
「ハァ!」
腹パン一発!続いてアッパー!右ストレート!
『もう一回!赤炎拳!』
回し蹴り!左ストレート!アッパー!飛び蹴り!
『グハァ!やるではないか…我も本気を出さねばな!血纏手甲!オラァ!』
初見の技だがただの右ストレート…簡単に避けてカウンターで回し蹴りからの顎に一発そして噛み付いて吸血!
『ほうこれをも防ぐか…血纏棘靴!』
腹から胸を狙った蹴り…足首を掴んで投げ飛ばす…
『ッフそうされるのは予測済み!血刃五連切り!』
避けられない…迎撃も不可となればガードをして受ける!…深いな…あと2、3回受ければ死ぬ…
『貴様…体術だけは優れているが特に能力があるわけでもない…なら何故我の元に単独で来た?答えよ!』
「我は…仲間の中でも弱い…ネームドの中では最弱だ…だから俺は…さらなる高みを求めて…ここに来た…我が望むは…新たな戦闘スタイルの確立…今のままだと他のものと違い芸が何もない…だからだ…ベリアルに頼みここに単独で配置してもらった…全ては強くなるため!」
『どこまでも傲慢な者よ…貴様の悲しき運命断ち切ってやろうぞ…』
出来るものならやってみよ愚かなる同族よ
『血纏手甲!』
先ほどの切が来ることが予想される…後退して回し蹴り!
『まだまだ!血操雨!』
血の雨…当たれば棘に変化するとかそんなようなものだな…範囲外に逃れるのが一番か…おそらく出血量が多いので連発は出来まい…そして少し休みがあるはず…そこを叩く!……いまだ!
アッパー!回し蹴り!右ストレート!左ストレート!回し蹴り!右!左!右!左!右!左!飛び蹴り!
『中々やるな!ではこれはどうだ!纏血刃!』
触れたらこちらがダメージを受ける鎧…厄介だな…
2作品同時投稿とか無理でした。