第61話 贈り物
「えぇ?!〈世界神ゼムス〉?!つまりその人が僕の加護なの?」
「そうみたいね。闇の加護を解放したって言ってたわよ。
・・・・確かにミハエル君からもの凄い魔力が溢れてるわ・・・どれどれ・・・」
アンリルは興味津々で鑑定する。
ミハエル
Lv 6245
【称号】闇と光の末裔
攻撃力 54834
防御力 56856
素早さ 72487
魔力 304057
魔法力 628537
【加護】〈世界神の加護〉
〈光の加護〉
〈闇の加護〉
【装備付与】
〈ステータス1/10減〉
〈ステータス1/10減〉
〈ステータス1/10減〉
〈ステータス1/10減〉
【スキル】〈アイテムボックス〉〈影収納〉〈経験値1000倍〉〈ステータス上昇値1000倍〉〈全状態異常無効〉〈スキル消去〉〈スキル防御〉〈スキル付与〉〈全魔法使用〉〈光属性魔法・極大〉〈闇属性魔法・極大〉〈悪意感知〉〈索敵〉〈隠密〉〈看破〉〈擬装〉〈威圧〉〈薬の極意〉〈錬金の極意〉〈体術の極意〉〈剣の極意〉〈弓の極意〉
アンリルはもう笑うしか無かった・・・
「あはっ・・あはっ・・・ミ、ミハエル君・・・一体どこまで行くの・・・?もうその気になればセルフィア王国なんて一瞬で更地に出来るわよ?!」
ミハエルも自分の事ながら少し怖く感じていた。
「そ、そうだね・・・確かにこのステータスは・・自分でも怖いよ。迂闊に魔法を使ったら危ないよね・・。指輪をもう一つ追加しないと・・・・って・・あれっ?!アンリルさん・・・?!何かあったの?!・・・もの凄い魔力だよ?!」
ミハエルも思わず鑑定する。
アンリル
Lv 760
【称号】大賢者
攻撃力 375380
防御力 543880
素早さ 1175440
魔力 34876900
魔法力 71585800
【加護】〈太陽神の加護〉
〈大魔法の加護〉
【スキル】〈全魔法使用〉〈経験値10倍〉〈ステータス上昇10倍〉〈鑑定〉
【装備付与】〈経験値10倍〉
〈ステータス上昇10倍〉
〈物理攻撃無効〉
【太陽神の加護】
・消費魔力1/1000
・無詠唱
・経験値10倍
・ステータス上昇10倍
【大賢者】
・あらゆる魔法を使う事が出来る。
・ステータス上昇時に魔力10倍
「うわっ!!アンリルさん!!〈神の使人〉になってるよ!!〈太陽神の加護〉だよ!!こんなの見た事ないよ!!それに・・称号が・・〈大賢者〉?!」
ミハエルが虚空を見上げて唖然としていた。
〈大賢者〉?!〈太陽神〉?!あの全知全能の神が私の加護?!これが・・〈世界神ゼムス〉からの贈り物・・・
アンリルは両手を震わせ溢れる魔力を感じていた。
「こ、この私が〈神の使人〉に・・・夢にまで見た〈神の使人〉に・・・やった・・・やった!やったぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
アンリルは感極まり涙を溜めながら笑うミハエルを両手を広げて力一杯抱き寄せる!
「あうっ!!」
ミハエルはいつも通りアンリルの胸の中に埋められる。
「ミハエル君について来て良かった!!本当に良かった!!ミハエル君のお陰よ!!ありがとう!!これからもよろしくね!!」
「あぶっ・・あぶっ・・ぶむっ・・」
ミハエルはアンリルの胸にすっぽりと収まり黙ってされるがままになるのであった・・。
・・・うん?・・・〈魔力消費1/1000〉・・
こ、これは・・スキルじゃ無いのか・・これは〈太陽神の加護〉の力なんだね。凄いよ・・・。
ミハエルは〈魔力消費1/1000〉を付与出来ないか試したが出来なかったのだ。
あっ!この力を使えば・・・
「あぶっ!ちょっ!アンリルさん!!苦しい!!ぶはぁ!!」
「あん・・・」
息をするのを忘れていたミハエルがアンリルの胸からなんとか解放されると期待の眼差しでアンリルを見る。
「ふはぁぁ!!・・・アンリルさん。〈太陽神の加護〉には魔力消費を1/1000にする力があるんだよ。今のアンリルさんなら危険を冒さずに全ての魔法を使えるよ!」
「えっ?!本当に?!じゃあ・・・〈グラビティ・ボール〉・・・・」
アンリルは何気なく頭に流れ込んできた魔法を口走った。
するとアンリルの目の前にピンポン球程の黒い球体が現れその場でシュルシュルと回転していた。
しかしそれは見た目とは違い濃厚な魔力を纏い凄まじい程の存在感を放っていた・・・。
「ア、アンリルさん・・・そ、それは・・・?」
ミハエルは恐る恐る訪ねるとアンリルはこの世界に無い魔法を使えた喜びが吹き飛ぶ程の緊張感に襲われていた。
「じ、重力魔法よ・・ふ、ふふ・・ほ、本当に出来た・・・でも・・これは・・コントロールが・・・ま、まずいわね・・・」
ガチャ!
「えい!!」
アンリルはすぐさま立ち上がり馬車の扉を開け放つと黒い球体を右前方に広がる森へと投げ飛ばした。
手を離れた球体はどんどん膨れ上がり直径3m程になると静かに森の中に消えて行った・・・そして・・・
ずどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!
ベキベキベキベキベキベキベキベキッ!!!
森の入り口付近に落ちた黒い球は木々を薙ぎ倒し地面を押し潰して巨大なクレーターを作り上げたのだった。
アンリルとミハエルはその威力に唖然としていた。
「あ・・あれで初級魔法の威力なの・・・?怖っ!」
「うわ・・・普段は使用禁止だね・・・アンリルさんにも〈ステータス1/10減〉あげるよ・・・」
「えぇ、お願いするわ・・・」
2人は走る馬車から巨大なクレーターを眺めるのであった。
そして森では・・・
「・・・がっ・・ぐっ・・な、何が・・起こった・・・ごふっ!!」
「き、気付かれ・・たの・・か?・・こ、これが・・・古代・・魔法か・・・がふっ!」
「だ、誰か・・助け・・・て・・ぐふっ・・」
ミハエル達を襲おうと森で待ち伏せしていた男達がクレーターの中で全身の骨を砕かれて倒れていた・・・そして通り過ぎる馬車を目にしながら意識を手放すのであった・・・
〈世界神の部屋〉
「ふむ。ゼムス殿が来た時は何事かと思ったが私の加護をあの次元で使いこなすとはな・・・確かに面白い。」
「そうだろう?!アラフ殿!あの限られた者しか使えない〈古代魔法〉を使えるのだ。」
「だがあの少年も使えるのだろう?いくら魔力があってもそれだけでは使えない筈だぞ?」
「ふっ。ミハエルは使えて当然なのだよ。なにせ〈古代魔法〉を編み出したのは〈光のメイシス〉なのだからな。」
「な、何と・・あの少年は〈光の加護〉を・・・ふっ・・面白い。
しばらくここに世話になるぞ・・・」
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