第46話 軍団vs軍団
「どわぁぁぁぁぁ!!!!フェンリルが!!フェンリルがぁぁぁ!!!」
ヴェイグが腰を抜かして後ずさる。
「あれ?ヴェイグ君。驚かないんじゃ無かったの?」
ミハエルが笑いながらヴェイグを見る。
「お、おま、お前はぁぁ!!神かぁぁぁぁぁ!!!死んだんだぞ!?フェンリルは死んだんだぞ?!死んだ奴が生き返ったんだぞ!?それはもう人間技じゃない!!神の仕業だ!!!お前は神かぁぁぁぁぁ!!!」
「も、もうよく分からない・・ミハエル君は神なんだ・・・君の前では僕達はただの生き物なんだ・・・」
ヴェイグとアスランがフェンリルを前にして自分を失っていた。
「待って!!!聖属性魔法にはちゃんと生き返らせる魔法があるんだよ!!神でも何でもないんだよ!!しっかりして!!今は戦闘中なんだよ!!!」
ヴェイグとアスランはミハエルの声に忠実に反応する。
「あぁ!!そうだった!!でも・・こっちには神が付いてるんだ!!負ける気がしねぇ!」
「そうだね!死んでも生き返るんだ!!死ぬ気で頑張るよ!!」
まあ、後で説明する必要があるね・・・
そしてフェンリルが生き返った事はべルーラも驚愕していた。
「フェンリル!!私だ!!ルベーラだ!!よく生きていた!!
さあ!!また私と共にいこう!!!」
しかしフェンリルは一度死んだことにより魔獣使いの呪縛から解き放たれていたのだ。そして新たに生まれ変わり初めて会ったミハエルを主だと思っているようだった。
「がるぅぅぅぅぅぅ!!!」
フェンリルがルベーラに威嚇する。
「何故だ?!何故私を拒む?!
ミハエルはフェンリルを撫でながらルベーラを睨む。
「お前はフェンリルに望まない事ばかりさせていたんだ!!戦いの中でそれを感じた。だから直ぐに傷を治して仮死状態にしておいたんだ!!
お前は称号で従えていただけだ!!心から従えてはいない!!〈魔獣使い〉が聞いて呆れる!!」
「くっ!生意気な・・・所詮、獣は獣よ!主人の命令だけ聞いていればいいの!れそれ以上それ以下でも無いわ!!」
ルベーラは痛い所を突かれて唇を噛む。
「言っても無駄だね。さあ!僕の軍団とお前の軍団!どっちが強いか勝負だよ!!」
ばぁぁぁん!!!
ギルドの扉が勢いよく開きラミレス先生とSクラスの面々が飛び込んで来る!!
「ギルドマスターは居ますか?!」
ラミレス先生が受け付けカウンターから身を乗り出し受け付けの女性に詰め寄る!!
「な、何があっt・・・」
「いいから早くギルドマスターを呼んで!!南の森にフェンリルが出たのよ!!早く!!!街が危ないのよ!!!」
「は、はい?!フ、フェンリル?!と、取り敢えず呼んできます!!」
受け付けの女性は理解が追いつかないまま奥に消えていった。
ギルド内の冒険者達もざわつき出す。
「フェンリルだって?!冗談だろ?!」
「でもよ、この前はホグジラが出ただろ!」
「そうだぞ!本来なら南の森は初心者向けの筈だろ?どうなってるんだよ?!」
「ちょっと!!今の話本当なの?!」
突然かけられた声に振り向くとギルドの食堂からアンリルが駆け寄って来る!
「本当です!!ミハエル君が戻って街を守れって!!早くしないと!!」
フェリスが半泣きでアンリルにしがみつく!!
「フェンリルが何で?!とにかく私も行くわ!!いくらミハエル君でもフェンリル相手は・・・」
アンリルがギルドを出ようとするとネバルが声を上げる!!
「待って!!!アンリルさん落ち着いて!フェンリルは僕達で倒したんです!!今、問題なのは魔族が出たんです!!」
「・・えっ?!」
アンリルは扉のノブを持ったまま機械仕掛けの人形のようにゆっくりと振り向く。
「ネバル君・・・今、なんて言った?私の耳が確かならフェンリルを倒したって聞こえたんだけど・・・それに魔族?!ちょっと説明してくれないかしら?」
ネバルはフェンリルをどうやって倒したか、どんな魔族だったかをアンリルに話して聞かせた。
「なるほどね・・・それにしても無茶をしたわね。でも・・・」
アンリルはネバル達に目線を合わせるようにしゃがむとネバル達をギュと抱きしめる。
「よく頑張ったわね・・・それとミハエル君を助けてくれてありがとう。これからもミハエル君を助けてあげてね。」
アンリルが優しく声を掛けると4人は緊張の糸が切れたのか涙が溢れ出した。
「うぅぅぅ・・・怖かった・・うあぁぁぁん!!!!」
「ミ、ミハエル君が・・いなかったらぁぁぁぁぁ・・私達はぁぁぁぁ!!!あーーーーん!!!!!」
「う・・ん・・助けられたのはぁぁぁぁーー私達・・よ・・ぐすっ・・うあーーーん!!!」
「怖かったよぉぉぉぉ!!!あーーーん!!!」
「ほ、本当に怖かった・・私は何も出来ずに・・ただ子供達に守られて・・戦わせて・・・うぅ・・・うあぁぁぁぁーーん!!!」
「「「「お前もかい!!!」」」」
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