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第22話 大猪ホグジラ

「へぇー!その指輪で力を抑えているんだ!なるほどね!!それなら他の子供達が死ぬ事は無いわね・・・」


「ははっ・・確かに周りの子供達はステータスが2桁ぐらいだからね・・力を抑えておかないと不慮の事故が起きるよね・・」


ミハエルは左手の小指から順番にはめられた4つの銀色の指輪を眺める。

今現在のミハエルのステータスは1/10000になっているのだ。




「さあ!見えて来ましたよ!私は先行して話をして来ます。」


セイルが馬車の窓から声を掛けると馬で駆けて行った。


段々と街の入り口が見えて来る。


「なんか様子が変だね・・」

ミハエルが馬車の窓から顔を出して呟く。


見れば街の入り口の前に冒険者らしき者達が30人程が集まり物々しい雰囲気が漂っていた。


「どうかしたの?」


馬車を降りたアンリルがセイルに訪ねると冒険者達がざわつく。


(おい、あれは〈真実の剣〉のアンリルじゃねーか!)


(本当か?!あいつが通った後は草木1本生えないって噂のあのアンリルか?!)


(俺も聞いた事がある。ここらの盗賊達もアンリルを見たら裸足で逃げ出すらしいぞ。)



セイルは冒険者の噂話を他所に眉間に皺を寄せる。


「話によると南の森にホグジラが出たそうです。」


「え?!こんな所に?!大きさは?!』

「10m以上だそうです。」

「大きいわね・・・危険地区から出て来たみたいね・・・」


アンリルが腕を組み考える。


「ねえ、アンリルさん!ホグジラって何

?」

いつの間にか後ろにいたミハエルが聞く。


「あ、うん。一言で言うなら大きな猪よ。ただ、無限に成長する猪なの。

文献によると遥か昔に50m級まで成長した事もあったらしいわ。気性も荒いから危険度が高いの。」


「へぇー!無限に成長する猪かぁ・・・見てみたいな・・・」


ミハエルは南の森の方角を眺めて指輪を3つ外す。


「古代魔法〈ビジョン〉!」


ミハエル視力が数十倍に跳ね上がる!そして〈索敵〉と併用してホグジラを探す。


居た!こいつだな・・・へぇー!確かに大きな猪だ!!

アンリルさんの言う通り気が荒そうだね。


目線の先には体長15m程の巨体を揺らし口元からは巨大な4本の牙を生やした猪が鼻息荒く闊歩していた。


ミハエルがアンリル袖口を摘んで引っ張るとアンリルは気付いてミハエルと目が合う。


(確かにこの方向に体長15mぐらいの猪がいるよ。どうするの?この人達だと討伐出来たとしても無事では済まないよ?最悪全滅もあり得るかも。)


アンリルも〈ビジョン〉でミハエルが指差す方向を見てみると悠然と闊歩するホグジラが視界に入た。


「でかっ!!こんな大きなホグジラは私も初めて見たわ!!

・・・そうね・・はぁ、仕方ないか・・・」


アンリルは気怠そうにセイルを見ると、セイルもそれを期待していたかのように目が合う。


「はぁ、私も同行するわ。みすみす冒険者を失うのも得策じゃ無いからね。」

「おお!!流石はアンリル殿!冒険者の鏡ですな!!」


セイルが大袈裟に持ち上げるがアンリルは鼻で笑う。


「ふん。最初からそのつもりだった癖によく言うわね?!

ここに来た時から顔に書いてあったわよ!」


「ふっ。申し訳有ありません・・ですがそう言って頂けると信じておりました。

私はこれからミハエル様を屋敷にお送りましたら直ぐに駆けつけますので準備の方を宜しくお願いします。」


セイルの言葉を聞いてアンリルが目をパチクリさせてつい口走ってしまう。


「えっ?ミハエル君は来ないの?」


するとセイルが声を荒げてアンリルに詰め寄る。


「アンリル殿?!何を言っているのですか?!ミハエル様はまだ子供ですよ?!そんな危険な所に行かせる訳がないでしょう!」


し、しまった。セイルさんはミハエル君の実力を知らないんだった・・・


「あ、ま、まあ、冗談ですよぉー!さっき大きな猪が見たいって言ってから・・・」


苦しい言い訳をしながらミハエルを見ると大袈裟にニッコリ笑うミハエルに苛立ちを覚えるのだった・・・。


するとミハエルはアンリルの側に行って耳打ちをする。


(アンリルさん。そんな怖いな顔しないでよ。苦戦しそうならこれを使って。)


ミハエルはそっとアンリルの手を取り3つの指輪を渡した。


アンリルはミハエルに手を取られドキッとする自分を抑え、そっと〈鑑定〉すると目を見開き機嫌が良くなる。


「任せておきなさい!さっさと片付けて帰って来るわ!晩御飯までには帰るから待っててよ!!」


ミハエルは苦笑いをしながもアンリルの変わりように微笑むのであった。

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