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ヒロインは辞めてしまいましょう

 私は王子様から、一歩引いた立場になりました。

 乙女ゲームのヒロインムーブはしないと決めたのです。

 今の私が近付けば、王子様を怖がらせてしまうからです。

 正しいヒロインとして、自ら幕を引いたのです。





 ただ、学校生活に新しい楽しみができました。


「殿下、危ない!」


 王子様を守る、騎士様の観察です。



 乙女ゲーム的なムーブは、女性恐怖症の王子様には「怖い事」になりました。

 ですから、騎士様は今まで以上に御令嬢から王子様を守ります。

 私は騎士様の“守りっぷり”を見守る事にしたのです。



「失せ物の相談? ならば殿下ではなく、他の者に頼むべきでは? 事務には話を通したのですか?」


「爵位を傘に着た苛めの相談。

 教師であれば、爵位に関係なく諌める事ができます。殿下の手を煩わせるべきではありませんね」


「待ちなさい。何か袖に隠していますね」


 乙女ゲームの各種イベント。

 ヒロインはまだ6人残っているので、騎士様は大変そうです。

 ですが、騎士様は頑張って王子様を守っています。

 思わず「ナイスセーブ!」と言いたくなります。



 それは未来の側近候補、つまり他の攻略キャラにはできない事です。


 魔力が足りず婚約者探しに難航する宰相の息子。

 魔法の失敗で顔に大火傷をして、戒めのためにそれを残す、一つ年上の宮廷魔法使いの息子。

 貴族でないのでそもそも入学できない大商会の跡取り。

 2年前に婚約者と死別している、年上枠の先生で、辺境伯の息子。

 兄より先に婚約者を決めては行けない弟王子殿下。


 彼らは残念ながら、学園では王子様といつも一緒にはいられず、役に立たないのです。

 同じ学年、同じクラスの騎士様しか王子様をお守りできないのです。



 私ですか?

 高魔力ではありますが、私などしょせんは男爵令嬢です。何の役にも立ちませんよ。

 そもそも、女の私は王子様を怖がらせる側ですもの。側に居らず、少し離れたところで大人しくするのが一番ですね。


 魔力が多いのですから、公爵家か侯爵家の誰かに嫁ぐことになるでしょうが、どうなるのでしょう?

 王子様とゴールインすることしか考えていなかったので、今後についてはノープランですからね。

 きっと、在るべき所に落ち着くでしょう。

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