表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

90/117

エイプリルフール? 〜リラン・アベイルのオマケ編〜




「ウチのところにユーリちゃんが来ないんだけれども!?」

「ええっと…そうですね…?」


気に食わないとアベイルに言えば、困惑した表情でウチの部屋を見渡す。


「王太子の部屋を謁見するには態度がなってないんじゃぁないかしらぁ?」

「あ、リラン様すみません…!!で、でもこの部屋は…?」

「逆エイプリルフールよ?」

「………逆?」



ウチの部屋には色鮮やかな…セクシーなのもキュートなのもどっちも好きな為に用意された色とりどりの衣装の山々。



「お…怒られますよ?」

「誰によ?ロイ?やぁねぇあのムッツリは。人前では見せずに一人で楽しみたいタイプよぉ〜。あんな可愛い美女を着せ替えして楽しみたいのは人間の本能じゃないかしら?」

「あああのっ!!聞かれたら大変なことに…!!」


「聞かれてないから言ってるんじゃないの」なんて言ったところで、無駄にオロオロとしてそしてそっと衣装を片付け始めるアベイル。



「まったくもぉ、シルクちゃんも来るかと思ってそっちの準備したのに……とりあえずさほど体型も変わんないんだから、アベイルそれ着なさいな」



片付けていた手を止めて、そのまま回れ右して出て行こうとするアベイルの前に素早く周り…………





*****







「すみません!!そのっ…やはり、にっ似合いません!!シルクさんならともかく、ボ、ボクではっ、その…!」



なんやかんやで着せられた白のかっちりとした騎士団の制服…に見せかけて、胸元が無駄にひし形に抜けてズボンもサイドが開けた衣装はシルクちゃんに着せたかったもの。



「ん〜…アンタもちゃんと鍛えてるだけあって、似合わない!!とは言い切れないあたりで50点!」

「どういう審査基準ですか!?」

「今年は仕方ないからこれで妥協にしとくわ」

「あ、ありがとうございます…???」




そそくさと衣装を脱ぐその肉体は、確かに筋肉がついていて日々鍛えているのだとわかってじっと見るが、取り上げた眼鏡のせいでこちらの視線にはあまり気がついていないらしい。



「…よくやってるわよ」

「すみません…えっと、何か言いましたか?」



人見知りで姉の後ろに隠れていた男の子が一人で隣国に行けばどうなるものかと思っていたが、ウチが用事で少し離れている間に、ちゃんと居場所を見つけて、そうして自分を磨こうと努力した結果なのだろう。



「ホンット良い子らに恵まれたものよねぇ、アベイル」



必要以上に丁寧に服を畳んでいるその背に声を掛ければ、照れ臭そうに笑ってから、



「はいっ」



彼から聞いたことのない元気な返事が耳に届いた。






「ってこれで終わらせないからね!!来年は絶対ウチに来なさいよぉぉぉユーリちゃぁぁぁぁんっ!!!」

「エイプリルフールってそういうのではないと思うのですが……?」

「ならユーリちゃん用に準備した衣装着なさいよ!!」

「むっ、無理です、その…えっと…ウエストとか…その…ユリエルさんはこんな細いじゃないですかぁ〜…」

「…あんたその手のサイズ感……しっかりユーリちゃんのサイズわかってそうね。ロイより酷いムッツリね」

「………!!!」



よくわからないけど、リラン・アベイル、ユリエルのいないところでの敗北(?)





以上にてエイプリルフールこぼれ話幕引きです。


ありがとうございました!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 同郷ですが意外な組み合わせ! リラン姐さん、アベイルにその衣裳着せちゃうの!? アベイルもコスプレに結局つきあってるし(笑)。 いいコンビですね。 [気になる点] リラン姐さんにお店開き…
[一言] トータルで考えるとギャグパートはベレトの独壇場か あれ?本編でも重要なパートをを押さえてギャグもこなすベレトが真の主人公?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ