スーパー猫の日! その2
番外編のユリエル暴走本編には関係ありません回です(長い)
ちなみにユリエル達三年生の一学期あたりの謎空間です。
「2話に分けるほどじゃないけど、にわにわにわにわとりがいる!!わたくしこの早口言葉好きですの。にわにわにわにわとりがいるにわにわにわにわとりがいるにわにわにわにわとりがわににやられてる」
「何言ってるの姉さん。それより最後鶏がワニに食べられてない?」
勢いと早口言葉に任せてその場へと行けば、ニコニコとその彼は立っている。
「オレンジの瞳、薄桃色のふわふわの髪が激かわいい。クリッとした瞳は猫っぽくないけど、思うままに動いてる感じは猫っぽい?てゆーかわたくしがその可愛く愛らしい姿を見たかったので順位とかじゃなくて紛れ込ませました!カフィトル・マクラウド!!」
「えへ〜?なんかよくわからないけど、ゆりえるさまと遊べるなら嬉しいなぁ〜」
ここにきてはじめて自分から猫耳を受け取り、ナチュラルにつけてくれるカフィのかわいさにメロメロメロン!!!
ちなみにカフィ研究室の一部が焦げてるし、現在なんだか焦げ臭いけど見なかったし嗅がなかった事にする。
「可愛いわねぇカフィ」
「ゆりえるさまぁ、ところでこれ貰えると何かあるのぉ?」
「ふふふ、人生には遊びという休息も必要なのよ?」
口元を扇で押さえてまだ子供であるカフィへと大人っぽく告げれば、後ろでシルクが「休息多過ぎるし、最近そっちに全力出し過ぎじゃない?」とか言ってるけど聞こえない。聞こえないったら聞こえない。
「そっかぁ〜!ならゆりえるさまぁ、ぼくとももっと遊ぼうねぇ〜。あとね〜、さっきここの壁壊しちゃったの、がくえんちょー先生のところまで一緒に謝りに行ってくれない?」
えへっと可愛い笑顔のお願いと共に、焦げてた壁が崩壊したのを、返事をする前にシルクに引っ張られてその場から離されてしまった。
*****
「そんなこんなでお待ちかねの第1位ですわ!!!」
「え?絶対クロモリでしょ?ここどこ?うちの屋敷にこんな豪華絢爛な場所…ないよね?私室?」
ドルルルルルルルとわたしの口でのドラムロールを無視して慌てるシルクの後ろにその人物は現れて、
「お久しぶりねぇ〜♡シルクちゃぁ〜〜ん」
ハグっと後ろから抱きしめてシルクのホッペには真っ赤なルージュの後が残る。
「第一位!!猫と言うよりその美しさは女豹の如く!なんなら豹柄だって何柄だってバブリーなボディコンだって着こなせそう!美しさとしなやかさ、そしてなんかいっぱい兼ね備えたるはリラン・ラヴァ・トリンドル!!」
「いやぁん、ユーリちゃんもお久しぶりねぇ♡ウチのこと忘れられてなくて嬉しいわぁ〜♡」
シルクが頬をハンカチで拭いてる間に、リランさんはズボンに巻きスカートを重ねた様なボトムスに、上半身はタイこそしているものの、甘いデザインでその服装は王子とも姫とも取れる素敵な装いで、わたしに飛びつきハグをしてくれると、そのままわたしを膝から抱き上げられてしまう。
綺麗でとても細く見えるのに流石としか言えないわ!
「お久しぶりですわリランさん!今は『猫耳似合う選手権』ですの。ここはリランさんの自室ですわね?ご都合と言えど急にお邪魔して申し訳御座いませんわ」
抱っこのまま部屋を歩かれて、そっとその長いワンレンソバージュに絡まぬ様に猫耳をつけていれば、「そぉよぉウチのお部屋♡でも気にしなくていいわ」なんて黄色の瞳をウインクしながら嬉しそうに笑ってくれる。
「それでぇ、コッチがウチの寝室よぉ〜♡」
扉をあけてそのまま連れていかれると、大きな天蓋付きのベッドが目に入った時にはその上にドサリと降ろされた。
「あらあらまぁまぁ、わたくし国は越えましたが諸事情により疲れておりませんわ」
微笑んでリランさんに告げるが、いつの間にかわたしに覆いかぶさりがらもその細めた目は、本当に狩りをする猫科の様に細められながら、その片手は自分のタイを緩めて……
「大変失礼いたします!!!」
ゴツン!!!とシルクの氷がリランさんの頭へぶつかると同時にシルクがわたしを引き抜き隠すとリランが慌てた様に交互にわたし達を見る。
「え?夢オチじゃなくて?」
「お久しぶりでお忘れの様ですがリランさん。あれです。姉の暴走のよくわからないアレです」
いつの間にか外れてしまっていた制服のスカートのホックを止めながら頷けば、リランさんがそっと両手で頭を抱えてからシルクに聞く。
「セーフかしら?」
「アウト寄りの完全なるアウトですね」
「あらやだシルクってば、なんかなし寄りのなしとかあり寄りのなし的なハイカラな言い方を知ってるわね」
そう言いながらもふと気が付けばブラウスのボタンも下から3つも外れてて、止め方が甘かったかと自分で着た服の甘さにアナに普段は甘えていたのだとシルクの後ろでそっと直す。
いや、例えばだけれどリランさんは横にされた瞬間には無理よね?どんな手使っても出来るわけないわよね???やはりわたくしのミスとしか考えられないわ。
そしてふと見ればシルクも慌てた様にボタンを止めた様子がある。シルクともいう人が首元あたりのボタンがダンチになってるわ。その段違いなのを前に回ってそっと直そうとすれば「自分で直す」と頬を染めて自分でとめてる。
「えぇっと?リランさん」
「ごめんねぇユーリちゃぁん〜、ユーリちゃんと久々に会えてはしゃいじゃったわぁ〜♡パジャマパーティーでもしようかと思ってぇ♡」
「そんな強引な…」
「パジャマ…パーティー…」
「姉さんは浮かれない騙されないチョロすぎる」
素敵なパーティーのお誘いにふらりと寄れば、シルクに後ろから頭を掴まれた。
「そうですわ!今日は『猫耳お披露目会』でしたわ!パジャマパーティーはまた今度ですわ!」
気を取り直して胸に手を当てて堂々と言えば、
「うん。可愛いけどユーリちゃん心配ね」とかリランさんに言われて、シルクもこめかみに手を当てながら頷いてる。
「そんな訳でございまして、映えある一位はリランさんでございましたの。カメラに向かって一言どうぞ」
「カメラがわからないけど…ユーリちゃんに選ばれたなら嬉しいにゃ〜んだわぁ♡」
ウインクと共にお手ても可愛い猫さんポーズをしてくれたリランさんにお礼を言えば、シルクが「全力で乗る事で誤魔化そうとしてますが、完全に主催が誤魔化されてるし、国同士の争いになって欲しくないので僕も黙っておきます」とか言ってる。
「ちなみにリランさん、絵師さん呼んでもいいですか?」
「うん…そうね、一応ウチも王太子だから、残されるのはちょっと…」
そんな風に言われてしまったので心のメモリアルにとっておきました。
*****
「…クロモリ エリューの一番じゃ なかった…」
ひとしきり楽しんだところで屋敷に帰れば、テーブルの下でクロモリが丸まって拗ねていた。
「違うわ、クロモリ。あなたは殿堂入りよ?」
「デンドーイリ?」
「そう!!飛び抜けて可愛くて、猫耳ついてて可愛くて比べるまでもなく第3回猫耳滅茶苦茶似合う王選手権連覇だから殿堂入りよ!」
「姉さん、今回4回目なの?しかもずっと名前の統一性がないよ」
後ろで呆れた様子でコメントするシルクはほっておいて、クロモリに両手を広げれば「デンドーイリ」と嬉しそうに机の下から出てきて、丸まりながら膝枕の様に寝てくれる。
「ではみなさま!第3回、犬耳選手権で次はお会いいたしましょう!優勝は誰だ!!あの人は殿堂入りするのか!?ねぇシルク!?」
「僕は断固不参加です」
その言葉は無視して、どこかへ向けて手を振って、今回のお話はおしまいなのです。
にゃーにゃーにゃーにゃーー
力一杯の遊び会。
2022年02月22日にお送りいたしました!!
チャンネル登録といいね評価よろしくね♡
(ストーリーに合わせて動画調な締め)
☆オマケ☆
「…ところでやけど……姫さんはランキングに入らへんの?」
「わたくしが入って誰得ですの?」
「ユリエルくん、それはロッ得」
「だぁっとれ圏外!!!」