ツインテールの日
「ツインテールの日よ!ミラ!」
「………とりあえず、シルク様の無理矢理耳の上で二つに結んだソレ、取ってあげて頂戴。すっごい恥ずかしそうに両手で顔を覆ってるじゃない」
生徒会室に入って早々に行われていた珍事に呆れて言えば、ユリエルは「え〜、やっと結べたのにぃ」なんて唇を尖らせながらシルク様をソファに座らせると、そのなんとか結べる程度の長さの髪をといて、背後から丁寧に胸ポケットから出した櫛で整えてあげている。
「それで?去年に引き続いて、今年はなんなのかしら?」
思わず腕を組んで聞けば、ユリエルはこちらを向いて頬に手を当て少し考えてるうちに、シルク様も「ホントだよ。何がしたかったの?」まだ少し照れが残ったような顔で立ち上がりその横へと並べば、ユリエルはニッコリと笑って、
「そうねぇ、強いて言うなら……可愛いシルクが見たかったくらいね!でも流石にここまで育つと、思ったほど見た目は可愛くなかったわ。でも誤解のないように言えばシルクはいつだって可愛いのだけれどもね!」
「「はぁ!?」」
思わずシルク様と2人で声を揃えれば、ユリエルはクスクスと笑って、
「レアなシルクを見られてミラもラッキーね」
「ちょっと待って姉さん!!去年はレイさんがやって、今年は僕が断れば〝それなら髪の長いのはベレト先生しか居ないから頼むしかない〟とか言ってのは嘘!?」
「うん、嘘よ。頼む気はさらさら無いわ。ベレト先生よ?」
真顔でコクリと頷いているユリエルに、シルク様は深い溜め息と共に「なんなんだこの人は…」そう言ってソファの背もたれに腰を掛けた。
「そういえば、今年はユリエルは二つ結びをしてないのね?」
「えぇそうよ!昨年似合わないことは把握いたしましたもの!」
アタシが聞けば、ユリエルは胸に手を当て堂々と言う姿の…その頭にシルク様の手が乗ると、やっと何かに気がついたのか身体を震わせて振り向き「あれ?シルクもしかしてオコなの?」などと本人は苦笑いのつもりなのかもしれないか、整った顔とその通る声は、見ている側からすればただ堂々とした物言いと姿に見えると不思議に思う。それでもまぁ生徒会の人々からすれば、ユリエルの冷や汗も見えるほどの動揺は感じるのだけれど。
そしてユリエルがその後、ソファの上で正座してシルクサマに説教を受けてたのも微笑ましいと思い出にしまっておくことにして、仲良し姉弟に巻き込まれたアタシはそっと部屋をでていった。
2月2日は「ツインテールの日」です。
ちょい若にとっては2度目のツインテールの日ですねぇ。
今年の被害者はシルク。昨年度のレイは被害と思ってないので被害者はシルクのみですね!!
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