ベルトの日
「ユリエル様!今朝の新聞見ましたか!?」
全校集会がある為に生徒会のお仕事で早朝に学園に来て一人講堂へ向かい歩いていれば、突然角からベレト先生が現れ言った。
「おはようございますベレト先生。ごめんなさい、新聞はまだ見ておりませんわ」
「ベルトの日だそうです」
「そうなのですか?わたくしベルトはあまりしないもので…」
「ベルトとベレト、似ておりませんか!?」
今度は何をこの人は言い出したのだろうと思いつつ「そうですねぇ」と受け流し講堂へと向かう。
「つまりですね」
「はい」
要約してくれるのかとそちらを見れば、何故かベルトを持って、
「ベルトでベレトを縛れば似ているより一体化します!」
「つまりは?」
にこりと微笑み聞き返せば、
「ですのでベレトとベルトを…」
「ですからつまりは?」
「ベレトとベルトで…」
「ですからつまりは?」
「ですので、ベルトをこのワタクシめにですね!」
微笑み聴き続ければ嫌がって親父ギャグ的なそれを引っ込めてくれるかと思ったが、引く様子のないメンタルの強さよ。
「とりあえずわたくしは使いませんので、ベルトも要りません」
「ベルトも?」
「ベルトも」
ジトっとした瞳で見つめれば、ハッと何か気付いた顔をして、
「なら誰を消しますか!!?」
「なぜそうなりますの!?」
満面の笑みで言う先生に思わず言い返せば「違うのですか?」とキョトン顔を返された!!くうっ!不意打ち可愛らしい!!普段気持ち悪いのに!!!
「ユリエル様はワタクシめを要らぬとはおっしゃらないでしょう?」
「…何故そう言い切れますの?」
「貴女ほど情に深い方がその様な言葉を仰るはずがございません。このような卑しい身のワタクシめでも…」
「その様な物言いは嫌いですわ」
下卑した物言いに思わず言ってしまえば、幸せそうに笑われてしまった。しまった!!
「それに、要らぬと言ってくだされば、それはそれで貴女さまの視界に入っていたという証明!!!このベレトそれも至高の喜びの中で消える事が出来ますから!!」
「それはポジティブなのかしら?!!!」
思わずツッコミながらもよくわからないその言葉に、とりあえずはまぁ生きていて楽しいならそれでいいかと思考を思わず放棄して歩み出せば、楽しそうに後ろからついてくる。
「……先生、そういえばお仕事は?先生から受け取る資料を待たなければと、シルクもロイさんも今朝は早く来て生徒会室で待ってましたよ?」
「だからこそユリエル様が一人で歩まれると言う好条件!!」
「お仕事なさい!!」
クロモリを出してその背を咥えさせて生徒会室へと届けるように頼む。嫌そうな顔をされたけど、とりあえず帰ったら美味しいおやつとお詫びをしようと、消えていく二人の姿に、ボディーガードにジュリを服の下に出しながら、講堂へと向かった。
12月10日はベルトの日です。
作者が「ベレトの日」とか見間違えたとかは秘密の話。
本編では隠しルートらしいベレト先生。
正ヒロインならどうやって攻略するんでしょうね…、ユリエルの攻略の仕方は間違えてる気しかしません。
このこぼれ話にも⭐︎評価やブクマつけて下さってる読者様、ありがとうございます!!
本編同様めっちゃ喜んでます!!ありがとうございます!!!