香りの日
ロイ目線です
「ユーリ、香水か?」
「あ・わかりましたか?先日お母様の香水が素敵な香りだったので、同じものを頂いたのです」
隣を歩くユーリから漂う香りに思わず聞けば、嬉しそうに答えられる。
「そうか?いつもの方が良い香りだと思うがな」
頭を撫でて言えば、何故だか少しずつユーリの頬が赤く染まる。
「どうかしたか?」
「いえ、普段別段何もつけていないもので…こ、香油の香りですかね?侍女が髪を美しくしてくれるためにつけてくれてるので」
なんとなく照れ臭そうに、そして誤魔化す様に笑う顔が可愛くて、その髪を掬い香りを嗅ぎ、そのまま首筋に近づけば、明らかに首まで紅くなる。
「髪じゃないな、ユーリの香りだな」
「くっ、首元には香水もつけてますわ」
「ならどこでユーリの香りを確かめれば?」
「確かめないで下さいませ!」
近付けた首元を隠す様に手を当て、早足で先を急ぐユーリから、ふわりと香水の中にもいつもの香りが感じられた。
「普段の方がいいな。それとも俺の香りに染まるか?」
急ぐ足にも追い付いて耳元で言えば、その耳までも紅く可愛らしくて、思わず笑いが漏れる。
「もう付けませんわ!」
「そうだな。ユーリのままがいい」
香りも君自身も。
飾ることなく、そのままで。
7月7日は香りの日だそうです。
ロイ様のセリフが臭いとか、そーゆーのは仕方ないのです(笑)