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シミゼロの日



「ねぇお母様。なんでお母様はそんなお綺麗なのかしら?」


「うふふ〜ありがとうねユーリ。嬉しいわぁ」


「いやガチで。マジで。何でですか?」


「思いの外ガツガツくるわねぇ〜」


お母様とお茶の途中、ずっと胸に秘めてた疑問を思わずテーブルに手を付き前のめりに聞けば、見た目が年齢不詳なお母様は若干体を引きながら答えてくれる。



「そうねぇ〜…理由はわからないけど、丁寧に手入れして貰ってるからっていうのが一番だと思うのだけれど〜」


「だけれど?」

「やはり白魔法かしらぁ?」

「そこkwsk」

「んん???ユーリちゃん??」


その笑顔だけど驚いた顔に、改めてわたしはオホホと座り直し「えっと、詳しくお願い出来ますか?」そう問い掛ける。


「う〜ん、光の魔法かしらねぇ?ほら。お母様光魔法だけど、あまり使わないじゃ無い?だから何となくほっぺに当ててみたりしてるから?う〜ん、でもやっぱり普段のお手入れが一番ね。だからユーリちゃんはそんな即ほっぺに当てても変わらないわよ?…その前に若いから大丈夫でしょぉ?」


「若い頃の油断が後々出るのですわ!!う〜ん…でも私の光の魔法って何に効いてるのやら効いてないのやら…」


はぁ〜とため息を吐けば、お母様も「それも不思議な光魔法ねぇ〜」なんて微笑む。



そんな気やすい会話の途中にノックの音が響く。


「あ、お義母様お寛ぎ中のところ失礼します。姉さんちょっと相談が…」

「あらシルクもちょっとこちらにお座りなさいな」


そう言って隣を空けるとお母様に一言失礼しますと私の隣に座ってくれる。



「それで姉さんこれなんだけどね…」

手にした資料をこちらに見せながら説明するシルクが暫くするの困った様にこちらを向く。



「で、何で僕は頬から光魔法されてるの?怪我もしてないし、歯も痛く無いよ?」


「若さのためよ」



真顔で答えれば「またよく分からないことを…」とに溜息を吐きながら眉を下げる。



「もしかしてお母様もお父様に!?だからお父様若々しいの!?」


言えばお母様は悪戯っぽく笑って「内緒よ」と笑う。


「バレない様にどうやって?」と思わず聞けば、「一緒に寝てたらいつでも出来るわよぉ」なんてうふふ楽しそうに笑って、


「ならユーリちゃんもシルクちゃんにそうやって内緒で送ったら?」なんてウインクをする。



「お義母様それは内緒じゃないですから!」

「あら?ユーリメイドちゃんマスターキーは?」

「成る程その手が!」

「成る程じゃない!」


慌てるシルクにわたし達が笑えば「揶揄わないで下さい」と、シルクが項垂れる。



「まぁいいや、姉さんとりあえず確認取れたし…僕は行くね。お義母様失礼しました。ではごゆっくり」


「ユーリちゃん、一番はね、愛して愛されるのが一番の若さの秘訣よ」


「それを体現されてるのね」



クスクスと笑って返し、そろそろお暇しますとシルクについて部屋を出ようとすれば、優しく微笑み返してくれる。


「あとは沢山寝ることよぉ」


「ふふっ!それなら今からお昼寝しようかしら。今のわたくしが一番出来そうね」


「姉さん、課題は?」

「…明日でもいいじゃない」

「それに今日は家庭教師も来るでしょう?」

「…寝るのはその後にしようかしら?」


そんな呑気な会話に、お母様は、

「あとはイライラ溜めないことも大切よ」なんて言ってくる。


「お母様、わたくしこの幸せな御屋敷で、それだけは溜めてないと自負しておりますの」


ドヤ顔で告げれば、やはり楽しそうに微笑みが返される。



「ユーリが幸せならお母様うれしいわ。シルクももう少し大らかに人生楽しんで頂戴ね」


「ありがとうございます…?」


少しだけ疑問系のシルクの御礼の言葉に、お母様は笑って手を振るのが見えて、扉が閉まる。






「うちの子達可愛いでしょう。わたくし幸せだわぁ〜、あの子達の笑顔が一番の若さの秘密かもしれないわね」


なんてわたし達の知らない扉の奥で、その後も侍女に楽しそうにお母様は話していた。






そんな時に廊下では、


「でもあれが遺伝ならわたしもいつまでも美人で若いのじゃないかしら?」

「姉さんのその自信満々なところ、僕は凄いと思うよ」


「だってわたし美人でしょ?」


ニッコリと笑って言えば、シルクも仕方ないなぁと笑って、


「そうだね、一番の美人だよ」



なんて言ってくれたので、わたしのストレスはやっぱりこの家にはないなぁなんてスキップの一つでも踏みそうになるのだった。


ま、シルクに「はしたないよ」と止められたから、踏めなかったけどね。ちぇっ




4月30日は シミゼロの日です。



「シミゼロの日の重みを、若人に語らねばならぬ…!!

肌は大事にするのじゃ…!!ガングロ、ヤマンバ、マンバ…一周してまた流行っても手を出してはならぬぞ…!!」


「………姉さん何言ってるの?」


「幼い頃(ロイとの婚約からの)逃げ道でやろうとした自分にも警報をならしてるのよ」


「よくわからないけど、良かったね?」


「うん。多分あれは止められて良かったわ」



(…何言ってるのか分からないけど、遠い目してるなぁ)




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