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プリンの日

前回に引き続き、BLっぽいネタが入ってます。


苦手な方はすみませんm(_ _)m

前回と今回は飛ばして下さい!




「ロットのは…どんな味なのかな…あぁ柔らかいね」


「レイのは…かたいな…オレのとちゃうな…」


「ふふ、キミのは甘いね…」




生徒会室に入ろうと一度手を掛け、少し開いた扉の前で腕を組んで悩み立っていると、シルクが来てその耳にもレイさんとロットさんのその会話が入たようだ。



「こんにちは。何か食べてるんですか?」



シルクが当たり前に部屋へと入れば、笑顔でロットさんが迎えてくれる。



「おぉ!シルっくん!近所の店の新商品を味見してくれって貰ったんや。こっち来て食べてみたって!」


「知ってた!!!!」


「おわっ!?姫さんもおったんかい!!?プリンの、やらかいのと焼いたやつやって。食べるか?」


思わず叫べばロットさんが驚いた声を上げるのに「えぇ喜んで食べますわ!」と笑顔で返す。



「姫さんは今日も元気やなぁ」とロットさんが笑えば、「えぇ元気ですとも」といつもの調子に戻って微笑むわたしに、どうしたの?とでも言うようにシルクに首を傾げられ、その腕をポンポンと叩き、


「いや、もしかしてそこは公式なのかと思ってちょっと躊躇ってただけよ」


そう返せば更に疑問が深くなった様な顔を返される。



「えっと、わたくしも頂いちゃいますね、えっと…こっちの白いプルンプルンの方、いいですか?」

「なら僕は焼いたものを…ありがとうございます」



プリンのカップを手に取れば「感想だけ聞かせてな」と、ロットさんがスプーンを渡してくれる。



「このプリンの入ったお花の柄のマグカップも素敵ですね」


「プリンが焼き易い様に厚めにオリジナルで作ったらしいわ」


「個人的にはねこちゃんとか…ハンカチとかに小さくついてる刺繍みたいなシンプルな可愛い動物だと嬉しいですね。ほら、職人さんも描くの早そうだし」



わたしが微笑み言えば「たしかに手間が減ればコストも減るな」と、ロットさんがメモをする。



「味はとても美味しいですね。舌触りも滑らかで、姉さんなら2つや3つは食べたがりますし、なんならもう少し大きいのもいいかもしれませんね」

「シルクっ」


その通りだけど、でも人前での余計な一言を咎めようとすれば、口に近ずけていたスプーンを持つ手が滑り、胸元へプリンが乗る。


「もう姉さん…」


シルクはパッとハンカチをそこに乗せ、わたしは慌ててそれで拭いていれば、シルクはわたしの顔を見て一つ溜息を吐いてわたしの口の横に付いたカラメルソースを指で取り、ペロリと食べる。


「付いてた?」

「付いてたよ…」


「どこのバカップルやねん」



シルクに呆れた様に呟かれれば、更に呆れたようなロットさんからツッコミが入り、2人で首を傾げ……その後、シルクの顔が勢いよく赤くなる。



「あの、誤解です!!姉が昔からこんな感じなので、僕もその、なんかっ、そうですね!おかしいですね!!」



珍しく動揺した様子のシルクへと「そんな気にする事かしら?」なんて言えば、「もうホントこの人が昔からこの調子なのですみません…」と真っ赤になった顔を下に向けた。


「そんな我に返って慌てるほど日常かい」


うひゃひゃとロットさんが笑い、更に顔が赤くなるシルクを横に「家族ですもの。ほら、ロットさんはお兄様となら…」と言えば、


「いやいやいやいや、兄貴とそんなん想像すらしたないわ」なんて身震いをされている。



「ん〜…ならレイさんに付いてたら?」

「『付いとるよ』って言うな」


ロットさんに当たり前だって顔で答えられ、


「ならレイさんがロットさんに付いてたら?」

「面白いからほっておくね」


少し楽しそうにレイさんに答えられた。



「その前にまず家族やないしな」

「たしかにそうですわねぇ」



前世の娘に公式では無かったと心で言えば、そう言えば泊まりに来てたお友達と『公式でやられると逆に引く』と言ってたことを思い出し、当時は意味が分からなかったけど、どう言う意味なのかな?これかな?そうなのかな?と首を捻る。


そうこう考えてる内にシルクは恥ずかしそうにお茶を入れに行くと席を外し、わたしも汚れた服を着替えると言って席を外す。





「いや、でもシルっくんは家族でも弁えてるちゃんとした子やねぇ」

「ん?」

「どこぞのバカは当たり前みたいに手で取って拭いた阿呆がおったなぁと」

「ふふ、誰だろうねぇ」





そんな会話は着替えを持って廊下へと出たわたしには届いて居なかったのでした。




毎月25日はプリンの日だそうです。

前話と並べたくてブッコみました!


それと前にスイーツの日の後書きで書いた、


『シルクはもう姉に感化されてて、口の端についてるケーキを「姉さん、付いてる」と指で掬い、そのまま違和感なく自分の口に運べる男ですよ。

周りに言われて何をしてるのか自覚して照れるといい。』


の実践です。



そしてペンニーネ商会のお昼ご飯の時に引き続き、ユリエルは落とした物が胸に乗る素晴らしいグットルッキングパイをお持ちです!!……なんだグットルッキングパイッて…(我に返る)

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― 新着の感想 ―
[一言] >なんならもう少し大きいの バケツ「俺の出番か」 そういえばしばらく前に胸になんかを乗っけるチャレンジがあった気がするけど何乗せてたっけ
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