マフィアの日
濃紫の少しくるくるした長い髪にフェドラハットとスーツを着こなし、ふっくらとした唇に葉巻を咥えて紫の瞳を少し細めてニヒルに笑う。
「似合ってしまうのが腹立たしいですわ」
「えっと?ユリエル様?何をおっしゃっているのかワタクシめでは理解が…」
授業後にたまたま先生と二人になった時に、過去に少し裏社会に居たらしい目の前のベレト先生でマフィア的なものを想像して、思わず深いため息を吐いて首を左右に振れば、困った顔を向けられる。
マフィアと言えばあれよね。金と女の人をはべらして…
そこまで考えて、思わずその女の子達がこの学園に通う年頃の若い娘さんで想像してしまい「駄目よ!」と思わず声に出る。
「な、何がでございましょうか?」
「なんでもありませんわ、約束してその後はキチンとして下さってるみたいだし…ごめんなさいね。わたくしの想像が足りず…」
「は、はい…?」
もう一度、こ〜胸がボインのウエストがキュッと締まった、安産型の成人女性…あの峰さん的な人を並べて……なんか高級そうなソファに座るベレト先生の膝にその人を乗せて…うん、似合ってしまうわ!!!
前世で見た朧げな映画か何かのマフィアを想像すれば、性格はともかく似合ってしまうことに気がつき、考えれば考える程見た目的にはとっても似合うとしか考えられなくなってきた。
顎に手を当て考えて…、結局のところ…
「美形は何しても似合うんですわね」
うんうんと頷いて歩き出せば、急激な褒めからの立ち去りに後ろでは、
「視姦された…!!」
そう悶えるベレト先生に触れずに帰った。
問題はそーゆーとこよベレト先生!!!
3月30日はマフィアの日だそうです。
ベレト先生はきっと幸せなので良しとしてください。