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パンツの日

まだレイとロットが生徒会現役時代くらいのお話。




「そういえば……パンツって殿方はどんなの履いてますの?」

「ブフゥゥゥゥゥッッ!」



 ここは生徒会室。ふと思った素朴な疑問を口に出せば、向かいに座っていたロットさんが飲んでた紅茶を口から噴き出した。

 反射的に横を向いてくれたことは感謝しかないが、わたし以外にはロットさんとレイさんだけなので素直に口からポロリとこぼれてしまったが、やはりあまり良くはなかったらしい。



「いえ、当たり前な話ですが女性用は見たことございますが、でも考えてみたら男性の下着は見る機会もございませんもの。我が家では例えばベランダにお父様やシルクのパンツは干してないし……あれ、わたくしのも干してるの見たことないけどそういえばどこに干してるのかしら」

「姫さん……全部口からでとるよ……」



 考えてみたら外に干してれば使用人どころか私立騎士団の人や庭師の人々にもパンツまで見られるのは流石に恥ずかしいと、屋敷のどこかに干す場所があるのかと思い付く。日当たりいいとこだとどこかしら。帰ってアナに聞いてみよう。



「それならユリエルくん見てみるかい?」


 考え事してる間に気を利かせてくれたのか、ロットさんの隣に座っていたレイさんが制服のベルトに手を掛けていることに気がつき慌てて手を左右に振る。


「お気遣い頂きましてもそうして直接見せて頂きますのは、ちょっと流石に恥ずかしいですわ」

「ふむ。それなら脱いで渡したほうがいいのかな?」

「そ……それもちょっと」


 至って真面目に言われた言葉に首を左右振れば、ロットさんが裏拳をレイさんの胸へと入れてる。



「あっ、いえ、その、ですからただ素直に男性用の下着ってどんなものかと思いまして……」

「やはり脱ぐかい?」

「脱ぐなや!」



 わたしの言い換えてみても変わらない内容に、レイさんが気を効かせるが、ロットさんのツッコミによってベルトから手を離す。後輩の頼みを気軽に聞きすぎですわ生徒会長!



「あ〜……まぁ男の下着なんて大体こんな感じやね」


 ロットさんは疲れた顔で近場の紙にサササッとラフな絵にして見せてくれると、それは前世でいうトランクス的なソレ。



「ほんで?姫さんは何か思いついたんか?」


 目をお金のマークにして聞くロットさんは流石に察しがいいと思いつきを口にしていく。



「最近女性用でも伸縮性のある生地が出てきたじゃないですか。あれを男性用にしたらどうかなと。今の形は似せて作って……」

「せやけど男物は高くなるとイマイチ売れへんのよな〜。女性物のデザイン性もつけられへんし」

「レースや飾りはいりませんから、シンプルにすればそれだけコストも抑えられますわ」

「そこまでしてその生地で売り出す利点があまりわからへんのやけど……」



 記憶を手繰り、前世で息子が何故ボクサーブリーフにしたのかと聞いたことを必死で思い出し……、



「あっ!!なんかホラ、安定するとか?」

「安定?」

「そうですわ!!ほら男性の………」



 そこまで言って自分が何を言い掛けてたのか気が付き止めれば、わたしの口はロットさんの手によって勢いよく抑えられていた。テーブルに勢いよく手をつきながら、置かれた紅茶は音は立てたものの溢さずに必死の止めでした。お疲れ様です!



「あの……自分でちゃんと言葉を止めましたわ」

「もうちょい早く気がつこか?」

「はい。気をつけますわ」


そっとその手を離して貰えば、レイさんが顎に手を当てながら真剣に、


「たしかに。でも私には女性用っていうその伸縮性のある生地の想像がつかないな」

「そうですわね!サンプルも無いし……あっ!それならわたくしの……!」



 下を向いた瞬間、今度はスッパーーンとハリセンで叩かれて我にかえり、


「ち……違いますわ‼︎ こうスカートを捲り上げたりはしたないことはせず、スカートの腰の上からこう伸ばしてちょいと見せる程度のつもりで!」

「そら充分はしたないねん‼︎」

「いやほら、レイさんだけ知らないで進むのも申し訳ないし⁉︎」

「気遣いの方向性が間違っとることに気がついて⁉︎」


 慌てて言い訳していれば、レイさんは相変わらず真剣に考えてる風で……、


「レイ……お前、何考えとるん?」

「いや、どうやってみるのが一番いいかと思って」


 その言葉にレイさんはレイさんでペンニーネ商会での売り方まで既に考えてくれているのだと、流石ロットさんの幼馴染と感動してみるが何故かレイさんの真面目な顔からは想像がつかない 『ふわぁ〜〜お♡』 とか、何処かで聞いたことがありそうな効果音が聞こえた事は気の所為だと思う。








 とりあえずそんなこんなで出来たわたしのアイディアのパンツは上級貴族で流行り始め、数年後には世間一般にメジャーになって行くのだが、利益云々さておいて開発者の名前としては、シルクとお父様の一存によって消されてしまいました。


めでたしめでたし……?






レイほど顔に助けられてる人は居ない……。


久々のこぼれ話が【パンツの日】更新でも気にしない!!

    ♡ ふわぁ〜〜ぉ ♡

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― 新着の感想 ―
[良い点] ♡ ふわぁ〜〜ぉ ♡ エロに輝くレイの行動力(笑) [気になる点] 開発中に試し履きとか…されてますよね…(^_^☆ [一言] 何だかんだ言っても、ロットとレイは良いコンビ!
[一言] ユリエルが時々履き忘れるモノか
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