クリスマス編はっじまるよ〜
「メリークリスマス。ユリエル・セルリアくん」
この場所がどこなのかわからない……そんな不思議な空間に首を傾げるが、それでも目の前にいらっしゃるのは馴染みのある……お腹はぽっこりと丸くて、白く長〜いお髭の生えた赤い服着たお爺さまが目の前にいらっしゃった。
「あらまぁサンタさんではございませんの。こんなところでどうなさいましたの?ふふふ、夢を与えるお仕事ご苦労様ですわ。わたくし何度助けられたかわかりませんもの」
御礼と共に頭を下げれば、“ふぉっふぉっふぉ”となんとも馴染みのある笑い方をしてくれる。
「ユリエルくん、そう言って貰えてわしも幸せだ。そうだ、今年は君がプレゼントになったらどうかね?」
「まぁ〜!光栄ですわ。是非喜んで! ふふふっ。わたくしサンタさんになれますの?」
そうだ孤児院の子に届けてあげたいなと思いつけば頬も緩んでくる。可愛いあの子達にプレゼントのクッキーは贈ったけれどそれ以上のことが出来るならばと、こくこくと喜んで頷けばサンタさんは長い眉毛の下で嬉しそうに目が細まった。
「そうかい。なら今年のプレゼントはユリエルくんで決まりだね。長いこと願いも述べなかった子ども達が、今年はやっと願い事を言ってくれてね。さぁ、その子達の夢の中へいってきてくれるかな? そぉれ〜〜」
「ん?わたくしが、プレゼント??」
言い間違いではなかったらしいと聞き返すより先に、サンタさんが両手をあげればわたしはふわりと宙に浮く。
「待ってくださいまし。わたくしがプレゼントってなんですの!?」
「さぁ、頑張り屋の良い子の元へと、届いておくれ」
「あの!? サンタさん!?」
空中で下手くそな平泳ぎみたいなことをしても進まずただおかしな格好になるだけで……。
「いっておいで、ユリエルくん。いいクリスマスを〜!」
「いえ、ですからその前に説明を!!」
「夢オチです」
「なんって分かりやすい説明………っ!!」
「大丈夫、これは彼らの夢だから君はきっと覚えてい……」
ぴえんと涙を浮かべた時、サンタさんが何を言ったのかわたしには聞こえないまま、そのお身体から光が溢れてわたしはどこかへと飛ばされた。
こぼれ話100話!ありがとうございます!
この先クリスマス更新分では、ちょい若では珍しく、
「甘ァァァァァイ!!」な話も含まれております。
ユリエルと推し以外の組み合わせがみたくない場合、自分の推しだけ見るのも手です。……と、先に注意書きを入れておきます。
そしてクリスマスまででは終わりません……。年内に……終わるか……な?
そんな甘いクリスマスの夜の夢を暫くお付き合い下さいませ。
本編はクリスマス編の更新中は不定期更新になります。
楽しみにして下さってる方は申し訳ありません!!