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アジのおAGIはいかが?  作者: 来華
2/2

転生〘②〙

大変遅くなりました!

ごめんなさい!


「大丈夫?」


と、声をかけてきた夕日に照らされた女神(仮)はやっぱり美しかった。急にゴブリンの頭が吹き飛んだ事をまだよく理解していないのと急に現れた美少女に戸惑う俺に手を伸ばす。


「え、あ、ありがとうございましゅ……」


噛んだ……女子との喋り方は心得ているが、根っからのコミュ障(笑)にはきつかった。ついでに童貞☆である。美少女との会話なんて照れて思うように出来ないのは当然の事。仕方がない。そう、しょうがないことなんだ。


「あなた…なんで裸なの?荷物はどうしたの?」


とそこへ海颯のハートに女神(仮)の言葉がクリーンヒット!……裸なの忘れて思いっきりフル〇ンだった。手で隠す事すらしていない俺……もういいや、隠すのなんて馬鹿らしいわ!!変態?知るかっ!もう見られてんだ関係ないわっ!

吹っ切れた海颯であった……


「まぁ何とゆうか……気づいたら川の中にいて?そしたら全裸だったんだよ…」

「?まぁいい。話したくない事情ぐらい誰にでもある。とりあえず野営の準備をしながら話しましょうか」


嘘だと思われた!?まぁしょうがないか、俺だって信じられねぇんだもん…美少女に息子見られた……ぐすん。

でもこれはチャンスなのでは?この謎の美少女属性特盛さん(個人的な意見)多分ものすごく強い。さっきのゴブリンもそうだがここらでは敵無しだろう。そうと決まれば恩返しにとか言ってついて行ってしまおう。そうすれば解決だ。

クズになった海颯であった……


「あなた名前は?」

「俺の名前は河村海颯だ。よろしく」

「カワムラミハヤ?変わった名前ね。苗字があるのも珍しい」


握手をしようと手を伸ばすも華麗にスルーする美少女。世の中残酷である。


「あ、こっちじゃそうなるのか……逆なんだよ、海颯が名前だよ。それにしても苗字ってそんな珍しいのか?」

「苗字なんて有名な商家や貴族、王族とかじゃないと持ってないのよ。部族名がそのまま苗字になる事もあるけど貴方の場合はどう考えても違うし……名前と苗字が逆な所なんて私が知るかぎり一つしかなかったけど……不思議の国ニッボンは300年前に滅びたからね…」


え、ニッボンてなんだよ、俺以外にも同じように転移してきた奴がいるのか!?そうじゃなきゃ有り得ない。というか300年前の国を知ってるって……教育が以外と行き届いてる?文明レベルが分からんから何とも言えんな…あーもう!分からない事が多すぎる!とりあえず街に行って現地調査するのが一番だな。


「君はどうしてここに?良かったら近くの街まで連れて行ってくれないか?」

「あ、そういえばまだ名乗ってなかったわね。私の名前はミリアム。ミリアム=ヘブライよ。近くの街へ連れて行くのは良いけど、その格好じゃね……とりあえずこれでも着ておいて。」


そう言って渡されたのは彼女が羽織っていた白い外套だった。膝上ぐらいまであるからちゃんと隠れるな!よかった!にしてもヘブライさんスタイルも抜群だな!防具もうすく青みがかった銀色の胸当てぐらいだ。あとはズボンとシャツだな……

シンプルでも人によってはマジで決まってんな!

美しい。俺なんかとは全然違う……ぐすん。

べ、別に悲しくなんてないし!

武器は長弓か?弓にしてはデカいぞ…しかもおそらく金属製。あんなの良く使えるな……こりゃゴブリンの頭が弾け飛ぶのも納得だ……


「ありがとう。よろしく頼むよ!」

「うん。でもミハヤは少しもお金持ってないでしょ?貸してあげるけどその分返すまでは私の旅に着いてきてもらうからね。」

「ありがとう!返すのは当然だが……行き先は?」

「ミドル神聖国の首都。ミディムよ。」


なにそれ知らね、誰か教えてくれよ!


「南にここから約2000kmって所かしら?」

「ほうほう、2000kmか……遠くね!?」

「別に向かってる先がそこってだけで貸した分返してもらったらそこで離脱でいいわよ?あそこ行くには天山脈と闇渓谷超えなきゃ行けないからミハヤには無理だと思うけど。もちろん地形的にも魔物的にもね。そう言えば今レベルいくつ?それによってルートが大きく変わってくるんだけど?」


ちょっとまて、この世界レベル制!なんかゲームみたいで面白いじゃん!にしても天山脈と闇渓谷って名前そのままでは?めちゃ高い山とめちゃ深い渓谷じゃん。絶対そうだよ。

その他にも分かった事と言えば、文明レベルは大体中世だということだ。


先程までの心配はどこへ行ったのか、既にわくわくしている海颯。だがレベル表示などどこにも無い事に気づき頭に浮べるはクエッションマーク!


「………?」

「まさかステータスの見方が分からないとか言うんじゃないでしょうね……訳ありだと思ったがここまでだとはね……軽く集中してステータスと唱えるだけでいいわ。それで出るはずよ。」

「わかった!ありがとう!」


この時ほど真に心から感謝を告げた事が無いであろう海颯……素直である。


〖ステータス〗

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

種族:人間

個体名:河村海颯

職業:なし

Lv.6

STR:6 (+0)

INT:6 (+0)

VIT:6 (+0)

AGI:6 (+0)

DEX:6 (+0)

CRT:6 (+0)

ステータスポイント:36

グロウスキル:【生成:アジ】Lv.1

アクティブスキル:なし

パッシブスキル:なし

天啓:ども、神っす。適当に転生させといたけど

リス地も結構いい所ら辺選んだんでマジ感謝欲しいっす。君死ぬ予定無いのに死んだからこっちマジびびったっすよ!ま、運営からのお詫び的な第二の人生をプレゼントフォーユー?的な?ま、生き残るためには逃げる事をオススメするよ?ま、AGIに振れってことっすね。AGIに振っとけばなにかと生き残れる事多いっすからね。ま、神からのヒントや助言は以上っす!なんかあったらまた天啓いれるねー by最高神ラウラ

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


……なにこの天啓…え、マジの神様?


一応ミリアムから聞いたステータスの説明をまとめるとレベルは魔物などの生き物を倒した時に獲得できる経験値で上昇する。STRやINT、AGIなどは全部基礎値としてレベル分ある。そして(+0)の所は、そこは自分の持ってるステータスポイントを自由に割り振ると、その分そこだけ強くなる。ステータスポイントはレベルが1上がるごとに6貰える。その都度割り振りを考えるのもいいけど、戦闘中には出来ないし、いつも同じように振るつもりなら冒険者ギルドに行ってステータス振り固定をしてもらった方がいい。そして次にグロウスキルだ、これは誰でも平等に一個しか無い。そしてこれが戦いの鍵になってくるとの事。このスキルにはレベルがあり、使えば使うほどレベルが上がる。スキルによって上限は違うが、これ一つで戦況が大きく変わる。そして次にアクティブスキルとパッシブスキルだが、これはなった職業によってスキルが変わってくる。職業レベルはマックス10でそこからはまた転職しなくてはならない。これの繰り返しでスキルが増えていく…


という事でAGIに極振りと……


馬鹿はどこまで行っても馬鹿である。


STR:6 (+0)

INT:6 (+0)

VIT:6 (+0)

AGI:6 (+36)

DEX:6 (+0)

CRT:6 (+0)

ステータスポイント:0


うおっ!身体が軽いっ!試しに反復横跳びしたら10秒で30回ぐらいできた。やべぇ…レベル6でこれはやべぇ……


横目でそれを見つめるミリアム


「あなた、まさかAGIに全振りしてないでしょうね、AGIの極振りなんて逃げる事以外使わないんだけど、STRかINTに少しぐらいは振ってね?」

「あ、もう手遅れですか?」

「ア、テオクレデスネー……」


さすがのミリアムさんも固まってるよ……そんなダメだったのか?素早い方がいいじゃん。STRとか上げても俺剣術とかやった事無いし……うん、これが一番……だ………


項垂れている海颯をジト目で見つめるミリアム……不憫なものである。


「普通はグロウスキルを元にステータスを振るものよ?スキルに合った上げ方しないと当然強くなれないわ、あなたのグロウスキルが何か知らないけど、そこは考えて欲しかったわね……」

「あ……」


グロウスキルについては考えないようにしていたのに……何なんだよ【生成:アジ】って!アジ?

鯵なのか?冗談も程々にしろよ……


「ん?」


グロウスキル:【生成:アジ】Lv.1

  ・アジを生成します。レベルが上がれば生成できるアジの種類も増えていきます。生成主のある程度の簡単な命令には従います。また、アジのステータスは生成主に依存します。

  ・現在生成可能なのは、マアジのみ、また、同時生成数は2です。


お、おう、やっぱり強くなんかねぇじゃん!まず戦闘系ですらない!泣いていいですか?良いですね、泣きます……


「ちょ、ちょっと何泣いているの?まさかステータスの振り方直せないから?大丈夫、これからレベルあげていけばカバーできるよ!」


違う、違うんだよぉ……


「グロウスキルがゴミスキルだった、ハハ……」

「あ、あぁ、それは可哀想だな……」

「………」

「………」


気まずっ!何をしよう、もう野営の準備も終わってるしな……

そうだ!折角だしグロウスキルでも使ってみるか


早速アジを生成し焚き火にかざす海颯。なおミリアムはサボっている男子とは違い未だ野営準備中である。


「ア、アノー、とりあえずアジでも食べます?」


せっせと準備をしているミリアムさんに差し入れを作る。


もう既にいい匂いが漂っている……食べたい。これは生産職って感じ。効率はアホみたいに悪いが…とりあえず焼き上がりを待つ


「こんがり焼けました!」

「え、ええ……本当に焼けたの?アジ?は焼けているの?死んでるの?」

「どう見たって焼けてるし死んでるだろ、とりあえず食えばわかる!」


熱々のアジをミリアムの口に突っ込んだ海颯…中々にクズである。

そんな事にも


「ムグッ!?…………ッおいしい…」

「だろ?俺も一口……うめぇ。なんだこれ、今まで食べた事あるマアジの中でダントツに美味い……俺はやばい食べ物を生み出してしまったかもしれない……いや、そもそもこの世界の食べ物が美味しいのかもしれない、これが普通なんだ、うん、それしかありえん!」

「こんな美味い食べ物なんてそうそう無いわ、こんな美味しい魚ははじめてよ」

「え?そうなのか?ありがとう!」

「とりあえずもう1つ聞きたいのだけれど、グロウスキルとはいえスキルから生成した生き物を焼いて食べたなんて私は聞いた事がないわ。それが出来てしまったら……」

「ら?」


”国が、世界が、そして戦争が一変する。”


当然だ、年中食料が供給できるなど技術が発達していないこの世界でできるはずがないのだ。

そして軍行時、食料分の物資が浮くのはかなりのアドバンテージになりうるのだから。


「でもそれは沢山出せたらの話しじゃないか?俺のは最大で同時に二個が限界だ。」

「確かにね、そんな便利なスキルがあったら貧困層がどれだけ救われるか分からないわ……」

「この世界って、そんなに食料が足りないのか?」

「何言ってるの?だから今アドルフ連合国とガリューダ帝国が戦争してるんじゃない。」

「そんなに深刻だったのか……」

「だからグロウスキルは秘密にしておいた方がいいと思う」

「あんな美味しいアジが出るだなんて知られたら俺達の分がなくなっちまうからな、」

「あ、うん」


一晩が経ち

今日はとりあえず街まで行くと歩き出した海颯一行、


「まだゴブリンが多いわね…」


移動時間約3時間、その間の接敵数おおよそ40。

いくらか歩いて段々一度に来る数が増えてきているのもあり場の緊張感はかなりの物であった。


「これはもしかしたら巣があるんじゃないか?」

「ええ、ここまで数が多いと疑う他無いでしょうね」


そして目の前には、巨大な口を開けた洞窟があった。

感想、誤字報告等よろしくお願いします!


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