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第九話 破滅の港

戦争の描写が続いてます.....

しんどいです

定遠,鎮遠のイラストみてみんにあげました!!!

よかったら御覧下さいまし

9月17日の黄海海戦から


10月25日


兵站戦に苦しみながらも,お調子者の「山県有朋やまがたありとも」率いる陸軍の第一主力部隊はついに鴨緑江おうりょうこうを突破し清国領土に手を付ける事に成功したが


師団の中身は山形が思うように調子がよかったわけではなかった

彼は怒鳴り散らし時を急かせるばかりで役に立たず

むしろ野津師団長ならび立見鑑三郎という幕末からの戦上手により川を渡る事に成功したといえた


そしてココで兵站の問題が大きくなってしまう


近づく冬により「平壌」以北への兵站は困難となっていた。大陸から続く冬の風の中で初めての極寒と戦いながらの進軍は出来ても

食料も弾薬の補充も出来ないのでは話にならない


いかんともしがたい状態の中をやはり見栄っ張りの山形は「時間」との戦いという国際上の誓約を振りかざし進軍煽るが

先を見据えた参謀達の努力により軍は冬ごもりの体勢に入る

何度も滞る食料や医療に多くの病人を出し,士官自らも飯を食わぬ日々を味わいながら


このねばり強い戦い

持久戦も越冬も辞さない日本軍に,さしもの大清帝国にも焦りが現れ始めたが


最早時は遅かったといったところだった


鴨緑江での戦いを押し破った10月末に大山巌率いる陸軍第2主力部隊の上陸で金州城は陥落,一月の戦闘後旅順もたった1日で落とされた

慣れたはずの大陸の冬に先に負けたのは清国軍だった

気温がくだって凍てつく大地に,金で雇った兵士達の士気は上がりようもなかく


正規の国軍を持たぬ(名目上は持っていたが金で雇い,皇帝から給金を頂くという方式だった)軍内部の士気は下がりつづけ最早,主要な都市を守ることなど出来ない状況に落ちていた




この頃「定遠」「鎮遠」は陸軍が北進している対岸に当たる威海衛に錨を降ろしていた


というか

もはや目鼻先の北京までさえ出られぬ状態になっていた

旅順から栄城湾へ輸送された日本陸軍に威海衛の丘陵は包囲を受け

港から向こうに見える海にも日本海軍が詰めるという四面楚歌の状態だった



そして北洋水師の終わりはあっけなく,凄惨な締めとしてやって来てしまう






大清帝国は陸軍も海軍も疲弊し指揮系統は麻痺していた

敗北という責任を問われる事を恐れた陸海の両将の思案はチグハグになり

いたずらに混乱を広げていた

指揮者なき戦い



最初の砲撃が開始された時に鎮遠テイの艦長は焦って艦を動かし湾内で暗礁に乗り上げるという失態を演じ巨漢の2隻のうちすでに一隻が損傷をおってしまっていた

この失態で鎮遠艦長は自決してしまいさらに指揮官は不足のものとなり


あざ笑うように時は残酷に進んでいた


湾の入り口に水雷を並べ

帝国海軍艦艇の出入りを封鎖した状態にあっても小型の水雷艦は波を割って入ってくるし

狭い湾内に遠くからの艦砲が当たる確率は海戦の時をはるかに超える確率で「人」も「艦魂」も心をすり減らしていた




「撃て!!!」


湾内には迫る日本海軍の流星の火花がまき散らされていた

すでに港を囲む丘陵を制圧した日本陸軍に丘の逃げ道は塞がれていた状態での戦い


港に対する夜襲は執拗に続く中,皇帝旗を掲げた2人は必死の応戦をしていたが

海を行かず

錨を降ろしたままの戦いは一方的な展開になっていた


水雷を有効に活用した日本軍に威を誇った仲間達は次々に痛めつけられ力無く甲板に傷の体を横たえていた

逃げられない恐怖に戦う事が出来なくなっていた

相対するはずの水雷艦には乗員が足らず撃退も出来ない状態で水雷の艦魂達が泣き叫んでいた


「もうダメだ...」


靖遠は港を越える大砲の光と海を走る水雷に恐怖し体を固めて震えていた

黄海の戦いでは水師旗を雄々しく持ち戦い続けた彼女の姿はもうなくなっていた


湾にあるのは破壊の音ばかり耳を塞ぎ目をつむっても浮かび上がるのは

素早く火を投げ込む狼の姿と魚形水雷(魚雷)

爆炎の水面に波紋を広げる破壊の響きに思い出すのは


昨日,死んだ「来遠」の姿


たった1日前


共に戦った仲間は海を走る狼に腸を食い破られ船体を港に転がしていた

亡骸の艦腹が海に少しだけ見える


陸戦による空をまたいだ砲撃に動けぬ身ながら発砲を続けていた彼女の腹に狼の牙である魚形水雷は突き刺さり

旗を持ち立っていた来遠は腸をぶちまけた


突然,体の真ん中をぶち破られた彼女は信じられないと言う目,撃てと叫び続けた口から大量の血を吐き甲板に赤い花を咲かせて首を傾げた


「どおして?」


一瞬の出来事の中

強気の士気を帯びたままの目が自分の身に起こった状況,腹を突き破り背骨をへし折った白い骨の外殻を見つめ...温い湯気の中,立ったまま息が止まると体は二つに千切れた


目の前で体を分割し途切れる呼吸を聞き続けた靖遠の艦魂は......既に正気を失っていた

自艦の上で錨を断ち切り海への道を開こうとする定遠に泣いて頼んだ


「お願い助けて!!死にたくない!!」


まだ幼い彼女

北洋水師の煌びやかな着物でブロンドの外巻きカールも美しいお姫様にも見えた彼女は目が溶けてしまうほどの涙を零し続けて頼んだ

「連れて行って!!お願い」

「しっかりしろ!!!」


定遠は

巨漢の魂は自らの命と引き替えにでも海を開く覚悟を決めていた

大きく旗を振り上げ


「我に続け!!!」

「定遠!!前!!!」


突破口を目指し始動した

定遠の艦長達の焦りは錨を断ち切る所までしか続かなかった

轟音の砲撃の中

耳に残るのは雑音ばかりで指示どころか,見張りの声さえ届かぬ状況になっていたのだ


なのに...鎮遠は気がついてしまった

定遠の前に迫っていた水雷艦に

気付けど何も出来ぬ魂は絶叫した「避けて!!」と


「貴様ぁ!」

南下に舵をきっていた彼女の左前に,帝国海軍の艦魂が泣きながら叫んでいた


「どうして白旗揚げないのよ!!」


次の瞬間,急にきった舵により艦腹を晒した定遠は水雷の発破に押され浅瀬に腹を削り付けた

輝く着物,皇帝拝領の「黄馬掛ホァンマコ」は内側から真っ赤に染まり

顔を引きつらせた定遠は旗共々倒れた


「定遠!!!」


どれほどに強くても無防備を晒した腹を守る事は出来なかった

艦砲より絶大な威力を誇った水雷の力に下腹部に穴をあけそのままの勢いで浅瀬に乗り上げた

炎を踊らせ

煙の中に倒れた定遠はそれでも立ち上がる...片足を真っ赤に染めて

悲鳴に近い声で自分の名を呼ぶ鎮遠を見た


滲む血と痛みで吹き出した汗の下

言葉はなかった

泣き叫ぶなど出来い,唇を自分の喉元に戻ってくる鉄の味を押さえ込むようにきつく結んだまま

何度か首を振った


絶滅が続く時間

先など決して見えない闇の中

定遠座礁は他の艦艇,兵員はもとより艦魂にも絶望の予感を確実なものとした


魂の絶望は伝播する


その日,北洋水師はさらに2隻の艦を爆沈で失い

定遠は旗艦の任を解かれ,鎮遠が旗艦になった


北洋水師最後の旗艦に


悲しみを拭う事の出来ないまま日は沈み


闇の中での戦いは続き

朝を迎えた頃,北洋水師総督,丁汝晶ていじょしょうは水雷艦艇達に各自脱出を命じたが,艦隊の全てが麻痺し始めていて最早だれも命令に従わなかった

それでも

従わねども命を助かりたい清国兵士によって払暁,湾からの脱出は開始されたが11隻全部。。願い叶わず,撃沈と拿捕を受け先頭に立っていた「福竜」がココで初めて白旗を揚げた


「助けて......」


艦魂福竜は,ススに汚れた顔を力無く甲板に擦りつけて泣いていた



「最後まで戦う」


座礁したまま砲台として,湾を囲んだ帝国海軍を睨んだ定遠はきつく拳を握った

白旗は挙げられない

冬の日差しが真ん中の時間に入ったとき,艦砲は開始された

さらに近づいた陸軍の砲台からも投げられる破滅の矢の下,定遠,鎮遠は旗を挙げ続けた



誇りを失えない



フルカンで産まれた鉄の魂が屈服を拒む

海戦で負けるならいざ知らず,こんな陸の間近で死ぬわけにいかない

高く上がった黄色の皇帝旗

残った艦艇が砲撃を続ける中


自艦の甲板に呆然と立ち海を見つめていた彼女は

気を狂わせてしまった靖遠は定遠に怒鳴った


「どうして白旗挙げないの!!!こんなところで死ぬために産まれたの?」

彼女は水師旗を投げ捨てると着ていた清国軍の着物も官位を表す上着も投げ捨てた


「このままじゃココで死ぬのよ!!もうイヤ!!」

煤煙にまみれたブロンドの髪を振り乱した

「イギリスに帰りたい!!!こんな事のために!!死にたくないのよ!!」


「戦うんだ!!靖遠!!」

鎮遠は怒鳴った

ココまでせっぱ詰まった状態の中でさらに士気を落とす訳にいかない

涙で地団駄踏む靖遠に命じる


「戦え!!!逃げるな!!!靖遠!!!」

だが気を狂わせてしまった焦点の合わない目には何も通じなかった


「そんな名前もういらない!!イギリスに...帰りたい!!なんで戦わなきゃならないの?どうしてこんな事に...」


瀕死の金切り声,既に自分を保つことも出来ないほどに狂ってしまった靖遠の中に残っているのは望郷だけだった

こんな死で溢れた港の中でただ夢を見ようとしていたが....


思い出されるのは

瞼に焼き付いた友の死だけだった。


目の前で死んだ友,来遠は定遠達と同じドイツ生まれの鉄の女

でもドイツ人にしては気さくで面倒見のいい艦魂だった

自分より少し若かった彼女は少し年上で,でも体の小さな靖遠に気を遣いながらも北洋の下士官を纏める良い役目を担い

人より前にでて戦って


「来遠は...あんな死に方イヤ!!」


優しかった彼女は体を2つに千切って死んだ

砕けた骨と煮えた湯気を揺らした臓物の海に,光の無くなった目が。。。靖遠の目と合わさり。。そのまま沈んだ


「イヤ!!イヤ!!」


涙と鼻水,威厳や威風で生き残る事など出来なくなった破滅の港で。。

何処に逃げる


「気をしっかり持て!!」

旗艦を代わった鎮遠の必死の説得は届かなかった


陸からの艦砲の矢が彼女の首の根を打ち砕いた

鎮遠の目の前,首を無くした体が,彷徨う手が


足もとに落ちた顔が


「靖遠!!!」


鎮遠の声に答える口はない


苦悶の涙に暮れた靖遠の顔は一瞬の炎に巻き込まれ

止まった時間が動いたとき船体は爆発した。主砲直下の火薬庫直撃の大爆発の中

彼女の残った体は四方にバラバラに飛び散り

黒い煙と赤い血を踊らす炎のまま海に沈んだ


魂の命はかけらも残らなかった




「最早これまで...」


目の前,僚艦のあまりの最後に定遠艦長,劉歩蟾りゅうほせんは艦橋で手を挙げ

苦く曲がった眉の下で唸るように


「この艦はやらんぞ!!」


砲弾飛び交う轟音が描く炎の情景の下,艦からの総員待避が発令された

「すまんな....」

彼はそう言うと噛みタバコを出した

決して海では吸わぬと決めた趣向品の匂いを嗅ぎ

一人残った艦橋で撃たれ続け熱を上げた鉄に触れながら笑った



「定遠......」


浅瀬に向かい艦から飛び降りて行く兵士達の姿に

姉妹の最後を悟った鎮遠は愕然とした


「鎮遠.....」


待避命令により既に動く事の無くなった砲塔の上,未だ皇帝旗と共に立つ.....妹の元に鎮遠は飛んだ。じっとなどしていられなかった


定遠は鎮遠にとってかけがえのない妹だった


姉妹艦として後に就航した彼女は本来鎮遠の妹だっが,旗艦を約束された身だった事に気を遣った。見ず知らずの他国の地で他の艦魂を従えて働きやすくするために鎮遠は自らを退き「妹」としていた

「私達は双子.....だから私が妹に成って貴女に従う」


二人の約束


それが裏目に出てしまった

旗艦は狙われ,いつでも死は直ぐ近くにある

無惨に腹に穴を開けた妹


「私が.....」


鎮遠は自分が間違ってしまったと謝ろうとしたが


「生きて!姉さん!」


顔も形も姿もどこも変わらないこの世でたった2人の姉妹

妹の定遠は笑って見せた

船は死ぬ....あっけなく散っていった友を思えばまだ姉と話す時間があった事が救いになっていた

必死に手を掴む鎮遠に定遠は皇帝旗を渡した

「後を頼みます」


旗艦が移っても姉妹は同じ皇帝旗を振り続けた

だが,ココでその一つは折れてしまった


「いかないで....置いていかないで」


涙が落ちる鎮遠の目に,定遠も泣く...

お互いの指が震えて旗を手渡す間を絡める


「心は一緒だから」

止まりそうもない腹の血の上,定遠は自分の胸を押さえた


「チー姉さん,やっと一つに戻るだけ」


目の色しか....2人を分けるものがなかったのならば元は一つだったと2人はいつか話した事を思い出した

大きな使命をこなすために2つに別れたんだと


涙で顔を降ろしてしまった鎮遠の顔を定遠が起こした

キスを交わし旗を手渡し


「私の分も生きて」


そういうと鎮遠の体を光の泡がはねとばした

「定遠!!!テイ!!!」

姉を巻き込まぬためのま結界,手を伸ばしても入ることの出来ない境界を退いた顔は優しく笑った


「....姉さん....次も....」



天を突く憤怒は既に黒煙に曇らせた世界を叩き

鋼鉄の艦,定遠は弾薬庫を誘爆させて四散した

同時に艦長はピストルでこめかみを撃ち抜き

地鳴りと水面を奮わせ続ける激震の中,無敵を誇った妹は鉄くずと化し骨をむき出しにした姿で半分を沈め,半分を沿岸と浅瀬に体の部位をまき散らして...魂は光の粒となって消えた


それは北洋水師の終焉に,定遠が咲かせた悲しみ色の業火だった






暗闇の中,鎮遠は浅い眠りの中で考えていた


2月12日,威海衛にて北洋水師は降伏し

全ての艦艇は帝国海軍に接収される事になり,鎮遠もまた修理のために旅順に回航されていた


丁汝晶総督は部下の命を助ける事を嘆願,皇帝の命(命令)を守れなかった責をおって服毒自殺をし

ココにて完全な滅亡を向かえていた

それに続く3月,大清帝国もまた講和を受け入れ,戦争はココに終決する事になる



威海衛降伏後

旅順に回航された鎮遠はすぐ乾ドックに入り修復を開始されていたが

海を行く中,何人かの元北洋水師の艦魂が彼女のところに足を運んでいた

すでに帝国海軍の軍服に着替えた彼女達を鎮遠は責めなかった


「力至らず...それでも生きなくてはならない」


主に買われ大清帝国に来たのに負けて帝国海軍と成り代わる

結局のところただ船の魂である自分立ちが何かを選べる訳でないことを思い知った今,責める苦言を並べるのは無粋であり

最後とはいえ旗艦だった自分に涙ながらに頭を垂れる仲間達を励ました

まだ慣れぬ軍服,ついこないだまで牙を剥けて戦った相手からどんな仕打ちを受けるかワカラナイという不安

その肩を一人ず鎮遠は抱きしめた


「生きてくれ辛くても....それだけでいい」


そう言って翌日から自身は部屋に閉じこもった


日本にとって鎮遠ほど相手の心をへし折る収穫はなかった

かつて

横須賀に来たこの巨漢に日本人は全てが身震いし,大陸の帝国の持つ恐怖に怯えたものだった

その艦を手に入れたというのは大きな,わかりやすい戦果であり

実証された鉄の鎧の研究にも色々な技師が乗り込み検証を続ける日々


陸軍によって攻略された町,旅順のドックには帝国海軍の艦艇も何隻か入れ替わりで入っていたが鎮遠を尋ねる者はいなかった


2月大日本帝国は戦争の仕上げに入る大事な時期にあって誰も自分のような敗残の艦に関わるヒマはないのだろうと薄く開けた目で宝剣を磨いていたり,浅い眠りの中で定遠の夢にうなされた鎮遠だったが


丘陵から吹き下ろす風の音とは別の音がココ何日か聞こえるようになっていた


小さな足音は甲板の上を行ったり来たりして

おそらく自分を探しているであろう「艦魂」の足取りに耳を立てていた

昼間忙しく自分の艦体に被弾の白いマーキングをしている技師や軍人の足音とは違い....どちらかというと子供の足音のように落ち着きのない艦魂は3日目,どの艦魂も部屋を持つであろう公室の前で大きな声を挙げた



「いつになったら妾の所に挨拶にくるの!!」



聞くに幼い幼女の甲高い声は怒鳴らなくても鎮遠の耳には良く届いていたが,返事はしなかった

帰らぬ返事にさらにテンションを上げた声が続く


「いい!!佐世保についてからでもいいわ!!妾の所に最初に挨拶にいらっしゃい!!わかった!!」


「佐世保.....」


相変わらず声の主には返事はしない

静かに自室で宝剣を研ぎ続けながら,自分が日本で最初に見せ物にされる港の名前を鎮遠は知ると卑屈に片口をあげて声なく笑った


「長崎の件で私に謝らせるつもりか....」


清の力に怯えていた頃,武力外交の一環で鎮遠は定遠と長崎に寄港した事があったが

その時船員が長崎市内で大暴れをし巡査を刺殺するという事件を起こしていた

殺人という犯罪の事件を起こした船員を要する艦艇である鎮遠はそこで一躍名をはせ,恐怖の対象になったとも言えたが


恐怖を植え付けた艦は今や捕虜という情けない身だ

帝国海軍の艦魂達はきっと自分に非道を働く....

海戦にて旗艦だったあの女を死滅の後一歩まで追い込んだ自分に.....戦えず甲板に這い蹲っていた女は怒りを持っているに違いない



自分では艦の前を立つこともできなかったくせに....きっと勝てば我が物顔の旗艦女になど頭は下げられない


相手が雄々しく戦った者であるのなら

敗北は認めやすいものだったが鎮遠にとっ敵であった帝国海軍の旗艦は,戦いを恐れ泣いた女だ


「人」の知略によって敗北はしたが「あの女」に頭は下げられない

その思いは募っていた

妹定遠の最後は.....美しく悲壮であったのだからなおさらだった


そんな鎮遠の考えをよそに返事のない事に腹を立てたのか幼い声は同じ事を何度も叫んだ


「妾に最初に挨拶しなさぁい!!わかった!!!」


幼女は何度も扉を叩いて繰り返していた


「こんな子供に負けるとはな....その上,挨拶しろとは」


結局相手が消えるまで鎮遠は沈黙を守り,心に持つ怒りを増幅させていた

眉間に走る皺

海で戦ったのならば....決して負ける事などなかったという自負と妹への思いは殺意に昇華されていた



「殺してやるわ.....魂無き船にしてあげる...旗艦松島,オマエに頭を下げるぐらいならば共々に死んでくれるわ」


深い怨念を抱いたまま戦争終結を見た4月,鎮遠は佐世保に到着した

その胸に大清帝国から授かった宝剣を抱いて

カセイウラバナダイアル〜〜軍人は助平?〜〜



久しぶりにこちらを更新

ところで本伝の方で三笠様が「スケベ平八郎」と言った事についてメッセで「それは失礼では?」というご意見があったので返事をばwww



実際,軍人てスケベぐらいじゃないと勤まらないとヒボシは思っているのですが皆さんはどうなんでしょう

どうも...女好きでやたら手の早いヤツは不潔という風潮があるようですが...


もちろんロリはだめですよwww


ぶっちやけ前の戦争の頃の軍人に政治家って女たくさん囲ってた人とかいますしね


伊藤博文なんてめっちゃ女好きで鹿鳴館でナンパしまくってたって有名ですよね

ここで登場の多い人でいうなら山本五十六さんなんかもめっちゃ女たくさんいたし

お囲いもしてましたよね

東郷平八郎もご多分にもれず佐世保時代なんかお囲いの女のために金とかあげてますよね


でもね

今こういう事やる社会人って大抵「わがまま」でやってるだけだからダメなんですよ

さして疲れてもないくせに隣の芝生は青く見えて不倫するなんて愚の骨頂ですわ



上にあがった中で特に女癖の悪かったという伊藤博文なんかね

重職である総理になった時に必ず戦争を体験している

それ以外にもね

津田事件とかよろしく精神がどこでキレちゃっても不思議じゃないような状態の中で生きてますよね

日清戦争の時は陸奥外交でさんざん身内に苦しめられ

天皇である明治様との間を取り持つのに苦労を重ね

こういう人には安らぎとか必要だったんですよ...きっと

大きな仕事をこなすために自分を子にした男が女囲って何が悪いってヤツですね


でもね

伊藤博文は死んだときほとんど財産を残さなかった

色々な事に使った

女にも使った。贅沢な生活をしてたわけでもなかった


だけど彼の働きはみんなが認めていた

明治様は未亡人になった伊藤夫人のためにお金にこまらぬような工面をしているし

なにより死んだときは,ほぼ国葬で官民みんなが悲しんだ。

このあたりが伊藤さんの人格をよくあらわしてますね


山形有朋(今回最初に出てきた人)なんて超が付くほどのお調子者で明治様にはけっこう嫌われていたそうですよ

豪邸何回もつくり変えたりでまさに成金だったようですし

女にもモテなかったようです



伊藤博文しかり東郷平八郎も重職を続けて

心身を減らしたかわりの安らぎが必要であり戦うもののバイタリティにスケベは必需品だったわけだ!


昔も今も出来る男に女は惹かれるけど

その中に色々名種類があって

安らぎとして求められる女ははっきりいってすごいと思う...ヒボシには一生無理だねwww


まっそれはつもかく

心根優しき働き者の男はスケベでいいんですよ

そんな男を許してやるのが女の愛嬌というものだね


そんな領域には決して至れないヒボシの説明じゃ納得しないだろうけどwww

国を護る仕事の重責を抱える男がスケベで何が悪いぐらいには思ってますよ

もちろん法の許す範囲でねwww



ではまたウラバナダイアルでお会いしましょ〜〜〜

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