第一話 一つの戦
艦魂物語,外伝です。。。。
前の第一弾は消しちゃったので第二弾と言ってもピンときませんよね(藁)
でもって
本編が結構大事なところにさしかかっているのに何やってるんでしょうか。。。。
「日露戦争」はヒボシはそれなりに研究はしているのですが。。。。ハハハそんなに詳しくないのも事実ですから間違いがあったりするところも多々あると思いますが優しい眼差しでみてやってください〜〜〜でわ〜〜〜
「1904年日露戦争が勃発した」
自室として構築したガンルームの中,木製のテーブルを挟んだ対面に立つ小僧の詰め襟に艦魂「三笠」は不満気な顔を惜しみなく晒して聞いた
夕暮れ時の木漏れ陽と,優しい海風が触れるこの部屋は
かつてこの国に迫った未曾有の「力」と戦った「戦艦三笠」の一室
「艦魂」と呼ばれる船の魂である彼女は不機嫌の度合いを急に高めた顔になっていた
そんな彼女の前
海軍初等の生徒が着る制服を模したような学生服に身を包んだ少年は,両の手と背中に背負ったお土産を下ろしたまま自分の「歴史の教科書」に不快感も露わな目線をくれる彼女に
「事実でしょ」と
簡潔な返事を返した
目の前に座る少女。。。。
少年とそれほど歳も変わらないぐらいの彼女は,不愉快をトーンに乗せた声で
「こんな一行程度で「この戦」を語ってほしくないものだな」
憤慨で美しい眉をしかめた
教科書,日本史近代の項目の「日清,日露」を示している怒りの眼に
「でも学校じゃ一行だし,戦争の起こった年号を覚えているかがテストに出るよ」
荷物を下ろし振り返った少年の疲れた顔の答えに,彼女は呆れた様子
「そんな事を学んで何になる?」
「テストでいい点とれる。。。。。。。。。ぐらいかな?」
的確で。。。もっとも無意味な返事
「堕落だ。。。。もっともくだらない数の堕落だ」
失望を声も大に口に出した彼女は,ピンクの唇をとがらせる
容姿は端麗
美しいと言うよりはまだ瑞々しい若さを全身に残している少女は,およそ少女らしくない言葉を口にしながら。。。今の日本を嘆いていた
彼女は。。。。記念艦となった三笠の「魂」
俗称「艦魂」と呼ばれる存在
幽霊や,妖精.などと世間には薄く認識されている存在だが実際の彼女が何者かは,今現在正確にはわかっていない
わかっているのは
彼女が年若い姿をしていて
それが少年がまだ幼かった頃より変わることがない事
歳を経る事のない美しき女。。。。それが彼女であり
名前を
この戦艦と同じく「三笠」と言った
堕落
昭和という時代。。。大戦を後にした時代に行われている「歴史」の教育要綱に目を通した彼女は大きな溜息をついて舷窓の向こうに見えるはるかな海を見つめた
その目には切なさが宿っている事を少年は気がついていた
気遣ったように,灰色の大きなザックから酒瓶を取り出すと
「広島のお酒を買ってきたよ。。。機嫌治して」
賀茂鶴の一升瓶をだすと
放り出された教科書を手元に戻して,修学旅行のもう一つの土産を取り出した
「写真のはがきを買ったんだ「厳島神社」に行ってきたんだよ」
高校二年
進路を選ぶ最後の年に入る前の一時を楽しんだ彼は
ご機嫌を損ねた彼女に色鮮やかな祭殿を写した葉書を,自分顔からそっぽ向いてしまった三笠の手元に置いた
「広島に行ったのなら「ドーム」を見てくるべきだ」
「見たよ」
相変わらず海を眺めていた彼女は
大東亜という戦争の中「民間人」をものともせずに落とされた虐殺の兵器の「跡地」の事を忘れたことはなかった
守るべき人たちを守れなかった戦艦の魂
旅行に出る前
口を酸っぱくして,それを肌で感じて欲しいと言い続けた「原爆ドーム」事,広島県産業奨励館,彼女の希望を少年は自由行動の間を独り抜け出してしっかりと目に焼き付けてきていたが
見たが故に
安直に感想を述べる事も出来ず,目の前にあった事実に簡潔な返事しかできなかった
それは恐ろしい傷跡
人が一瞬で蒸発するという非道なる兵器が残していった負の遺産
少年は深く心にそれを刻んだが故に
今その事を思い出す会話をしたくなかった
彼女もその気持ちを理解しように,ほおづえをついたままで別の愚痴を漏らした
「grandtourはもっとも価値のある人に与えられるべきもの」
高い思考を持つ三笠は学生が
進路を選ぶ最後の道楽に旅に出る事に対して不満を持っていたが
「小僧」と呼ぶ彼の行き先にはそれにりの納得を示していた
かの戦争の傷跡を十分に吟味して欲しい,と
しかしそれでも
教科書を見る限り「言葉の羅列をテストにおいて重要」とし,そんな無駄な事に時間を費やす学生を良い目では見ていなかった
もっと
現実の中身を。起こってしまった戦いの中身を。。。知って欲しいという心から。。。
「下らぬ旅行に金を使うぐらいなら,自分の足で知識を得る事につかったほうが大切な事を学べる」
キツイ返答
本音を正直に。。。。付き合いの長くなった「人」である少年に突きつけながらも
自分を思って買い求めたはがきに目を落とした
色鮮やかな朱
波立つ海岸から見る社殿は海に浮かぶ美しい社
水鳥さえもが渡りを行う回廊
古来より日本の神を祀る祭殿の夜景を写した写真に三笠は懐かしいものを思い出した
「厳島。。。。。」
酒の支度をした少年は
彼女の心中をいっぱいに感じ申し訳なさそうに
「ごめんね。。。お酒ばっかも良かったんだけど。。。三笠はココから動けないでしょ。。。だから外の風景を持って返りたかったんだ」
ここ数年で身丈を伸ばした少年は
亡き母親の代わりを勤め続けた彼女に,いつでも恩義をかえしたいと思っていた
母親代わりとはいえ
変わることなく若い姿の彼女が,この三笠公園から離れる事が出来ない事を「人」の観点から悲しい事だと思っていたからだ
アルバイトで稼いだお金で買ったカメラを持って行く先々の写真をたくさん撮り
今回の修学旅行では
自分の頼りない写真に加え,見目美しい写真葉書も買い求めた
そんな少年の心優しい気遣いを少しの微笑みで迎え入れた三笠は何枚かの寺社の写真を見ながら
「princess」と遠い目のままつぶやいた
はがきを手に持つと
「妾のVersailles。。。。」
聞き覚えのあるフランスの絢爛たる王の居住の名前に少年は正面に座って聞いた
「ベルサイユ?どうしたの?」
酒のつまみまで手際よく準備した少年の前,三笠は懐かしさに少しの悲しみと笑みを浮かべて答えた
「妾の遠い友達だ。。。昔。。。。「厳島」という艦魂がいてな。。。」
グラスにお酒を注いだ少年は目を輝かせて
「聞かせてよ,三笠の友達の話」
自分の身の丈を越えた小僧のグラスにも少しだけ酒を注ぐ
2人だけの宴会
酒のつまみは。。。彼女の昔話
一つの戦いの中身
それは未曾有の敵であるロシアと戦った「艦魂」達の記憶
歴史の授業でならうような薄っぺらなつまらない一文ではなく
一言の答えのない「日露戦争」「日本海海戦」という戦いの物語
カセイウラバナダイアル〜〜〜外伝誕生編〜〜〜
ちゃ〜〜すヒボシです。。。
なんで外伝なんでしょうね(爆)
そもそも本編の方は情報量の関係で大東亜の戦争の部分を大きくカットしているんですよ
(それでもこの先少しはでますけど)
艦魂物語を書くときに決めたのは必要最小限でしか前の戦争は書かないという事でした
なんでかといわれますれば(藁)
やはりヒボシはあの戦争を「物語」のようには書けない。。。。と思っているからです
じゃなんで「日露戦争」なのか?
日清日露の戦争は日本世界に出て行くという戦いともう1つ
江戸から続いていた300の国を天皇を中心に1つの国として纏め上げる戦いであり
江戸時代末期にはこの戦争が遅かれ早かれ来る事を予見していた人たちがたくさんいたという頭脳の戦いが
世界レベルで行われた時代だからです
頭の良かった人たちが懸命に戦った時代の話しでした
侍は士官や兵隊として1つの国となった日本国を守るためにいったいとなって言った時代
その流れをしばらく前に研究していた事があったので
多少の知識も手伝って今回の外伝に近づきました
今回の主人公は礼の「三笠様」です
そしてこれから出てくる「プリンセス」。。。。
この2人を中心に日本海海戦までを書こうとおもってます
と
いっても長くかくつもりはさらさらなく
できれば5話ぐらいまでに纏めたいと思ってます
期間もできるだけ短くね〜〜
足らぬ知識を頑張ってやつて行こうと思ってますのでよろしくお願いします〜〜〜でわ〜〜
ヒボシ!