序章
____神は居ない。神が居るのは人の想像上だけにあって、実際には居ない。人は何かにすがり、常に助けを求めている。人知れずに心だけがさ迷い、安定を求めている。
__恐ろしいこと。不思議な現象があれば、妖の仕業にする。人の想像上のみに存在するのが、神や妖だ
____少なくとも俺は、そう思っていた。ましてや、神の存在なんて信じてもなかったんだ。
神社はあれど。神は、人の想像上だけだから祀るのも崇めるのもない。ただ、漠然と行事をやり、粛々(しゅくしゅく)と淡々と記された項目を全うする。
全ては、人のため。けして、神に祈るような真似はしない。居ない存在が、人の願いを聞くことは例え出来たとしても、居ない存在は願いを叶えることが出来ないからだ。
人が、人である限りは人間同士にしか出来ない。尤も人間同士ですら叶えることは出来ないものはある。
それは、生き死や転生などだ。それこそ、人の想像上で行うしかない。
これは、"存在してしまった"神様、神の存在を一ミリも"信じてなかった"神主の息子と"自称"神様の愛娘という幽霊の少女が織り成す物語
この神様と二人が沢山の願いを成就するために奮闘する物語でもある。