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ぼくは青い花

作者: 王生らてぃ

空は巨大なスクリーンだ

空が青いのは

ぼくの目が青く

ぼくの心臓の光を照り返しているから

空のスクリーンは本当は

しみ一つない真っ白で

ほんとうはそこに空なんてものはないのかもしれない


雲や、星は、

ぼくの目に浮かんだ

小さなちりや

ごみや

汚れや

そういうものが映っているだけ


ほんとうは雲や星なんてものは空に浮かんでいなくて

それはぼくの目の中にある

ぼくの心臓の鼓動と

血液の光を

映し出しているんだ


太陽があんなに眩しいのは

空が破けたその向こうに

ぼくや

鳥や

他の人間にはとうてい手の届かないような

もっと輝かしくて

正直で

美しくて

熱くて

真っ直ぐなものがそこにはあるから

だから僕は

太陽を見るとき

手を翳してそれを遮るようにして

おそれるように

おそれるように


ぼくは大地に咲いた一輪の青い花

海はぼくの血液

雨はぼくの涙


ぼくはほんとうは

命のことや

人間のことを

自分のことだって

考えることさえ億劫で

空を見上げるのだ


ぼくは地球に根付いた一輪の青い花

ここから動くこともできず

ただ一緒に回り続けている

そのうち太陽が地平線に落ち

大地と海を真っ赤に燃やす

そんなとき

ぼくはたまらなく悲しくて苦しいから

目を閉じて眠るのだ

流れた涙は

アスファルトに染み込んで、消えて、なくなって、

誰もぼくの悲しみをわかってくれやしない

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