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壺から始まるテンプレート  作者: 古澤深尋
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いつもより更に短いです。


 魔術を行使するのは、慣れてみると非常に簡単だった。

 魔力で周囲の魔素に干渉し、事象を発生させる。

 発生させる結果さえきちんと認識しておけば、ほぼ確実に実行される。


(魔術を使える者って少ないんだよね?)


《解。魔術師と名乗れる者は少ないです。日常生活で便利使いする者を含めると全人口の3割程度です》


(何でそこまで少ないの?)


《解。魔法という分野が未熟です。また、地球文明のように発達した自然科学もありません。魔物との生存闘争が激し過ぎ、そうしたものが発展する余裕がないのが実情です》


(余計なことはしない方がいいのかな)


《解。ガロールド世界の管理者達と係争になる可能性は高いですが、全人類の生存確率を上げることにつながります》


 シンは悩んだ。

 元おっさん、地球における人間の浅ましさをよく知っていたからだ。

 ヒトを優遇してガロールドの一部に生態系の崩壊をもたらすと、それは遠い将来でガロールド世界全体の異常につながりかねない。

 だがシンは、30秒ほどで悩むのをやめた。


(まあ考えたってしょうがない!清潔な環境と美味しいご飯はあきらめられない!)


 和式の風呂、水洗トイレ、現代日本の食生活。

 青臭いニチャニチャだんごなど早急に改善すべき最たる物件だ。


(神なんて実感ないけど、神の力で生活環境を大きく改善したいね!)


《解。シン様が本気で望めば文字通り神の力で無理矢理改革が可能です》


(そんなことをしたら絶対揉めるだろう!)


《解。『よろしい。ならば戦争だ』の確率99.999%》


(どこからそんなネタを)


《解。シン様に連結されている知恵の泉からです》


 芸が細かい。

 とりあえず、魔術を充実させていくことにする。

 学問としての魔法が未熟だというなら、成熟させればいい。

 刃物を人に持たせるのと何ら変わらない。


(だがまずパンの実とラスの実を安定して食事に使えるようにしないとな!)


 目先の食事情から確実に改善しようと改めて決意したシンだった。







 

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