1日目詳細
チュンチュン鳴いてるスズメの声で起きる。いつも通りの朝だ。春夏秋冬これで起きていると言っても過言じゃない。
俺の朝は早い。毎朝日が登る前に起きて井戸から水を組み、飯を作りそんでもってやる気がある日は兎か鹿を狩って金にする。そんな日常をいきなりぶち壊された。
「あなたがニック様でよろしいですか」外に出るといきなり知らない奴に話しかけられる。なんだコイツは。俺の家にはなめした皮の在庫なんざ無いぞ。そもそもこの村にこんなお高そうな鎧を着込んだ連中はいない。おそらく行商人かその護衛だろう。
「突然ですがニック様あなたは勇者に選ばれました。王都までお付き合い下さい」
コイツはいったい何をとち狂ったことを言ってやがる 「申し訳ねぇけど人違いだと思うぞ。俺はお貴族様でも高名な武術家でもなんでも無いしな」
「疑うのであればあなたの右腕の前腕を見せてください。その前腕を見れば真偽が定まるでしょう」
こんなことを言われちゃしょうがない前腕を見せるしかないようだ
「やはりあなたは勇者であります」
「え。何を言ってるの。何が証拠なの」
「あなたの前腕に北斗七星の形に連なるホクロがあるでしょうそれが勇者の証にございます」
なんだろうか。今すっごく前腕の皮を剥ぎたくなった。ホクロが見えなくなったら許してくれないだろうか。 「待て。バカにしているのか。こんなもんが前腕についているやつはこの国中探せばいくらでもいるだろ。お前んとこの王様はバカか」
「いえ。そもそも勇者の選別方法は予言や信託ではなくその時々の王が指名したものが勇者になるのです。創世記にもそう書かれてあります。」
「あー。なるほど。初代のこの国の王が馬鹿だったのかなるほど。納得できるかバカ。そもそもそんなデタラメが創世記に書いてあったらそれこそ勇者様になってやるよ」
面倒臭いが一応は勇者という貧乏くじに対して前向きな姿勢を見せなければ不敬罪で拉致られ、あれよあれよという間に勇者にさせられるかもしれない。それが一番怖い
「ニック様。創世記の序文にこう書いてあります。創世期の神は争った。キノコかタケノコか。コシかツブか。はたまた塩かコンソメか。大地は割れ、海は逆巻き、空が荒れました。世界は滅びの一途を辿ると思われたその時。ある1柱の神が人を創り出しそれを勇者に任命しその争いを治めさせたのです。それから神は沢山の人を創り王を定めその王に勇者選びの任を与えたのです」
食べ物くらいで喧嘩をするなよ。「そっか。この世界の神自体が馬鹿だったんだな畜生。そもそも勇者選びを王に任せるな絶対めんどくさがっただけだろう」
「それに関してはお答えしかねます。それよりも早く王都に行くご決断を。少し手荒な方法でお連れする可能性がございます」
うわ。コイツ明らかに俺を勇者に仕立て上げる気満々だよ 「わかった乗せてくれ。手荒な真似を受けたくは無いしな」
こうして俺は勇者様になるべく王都へ旅立つのである
日記→詳細な話って感じで書いていこうと思います