新たな門出
この世で起こる出来事は全て必要な出来事である!
あんなことも!
こんなことも!
許せないことも!
裏切られたことも!
信用を失ったことも!
裏切ったことも!
信用を得たことも!
その経験をしないと魂が成長出来ないから、この地球にやって来た!
と思ったりする今日この頃!
男はまた、一つの経験と成長をしようとしていた!
思えば男の人生は常にあと一歩の所で病気になったり人間関係が崩壊したり金銭的に破綻したり他から見たら運の悪い人生に見えるかもしれない!
だがある時期から必ずその運の悪いように見える出来事を改良して改善して、いつの間にか、あの出来事があったからこんなに良くなったと言える人生になっている!
そしてその出来事はやって来た!
かつての名門チームは最後の選手権をベスト4で終わり新しいチームで始動していた!
名門復活も現実味を出していた!
思えば2年前一度は契約が切れて、その時に監督をしていた人が部長で残ってくれたお陰で、その部長が新しい監督を説得してくれて再契約してくれた経緯がある!
そして去年は数十年ぶりの一回戦敗退!
そこから2年目で一気にベスト4!
これはスゴい快進撃なのだが今年の三年生は一年の時から全国を狙える学年だと言われていた!
それがベスト4という結果になると!何かが起きる!
必ず上手く行かなかった時のストレスは何かに向けられる!
新チームになり予選が始まった!
新チームのキャプテンは天才であった!
男はこの選手にいつも言っていた!
「俺があなたに何かアドバイスすることはきっとないな!」
競技に対する能力!運動神経!等は他にもスゴい選手はたくさんいた!
が!この選手のスゴいところは手を抜くこともなく言われたことを淡々とこなし顔の表情も鋭い眼光でみんなをまとめていた!
男はだんだん若い魂の天才ぶりも進化してきていると感じていた!
このチームにはもう一人天才がいた!
この選手の名は亮といい気遣いの天才であった!
いつもチームに気を使い監督やコーチに気を使い男にも気を使い競技を愛して、この競技をバカが付くくらい愛して一生懸命やっていた!
この選手を男は小学校の頃からトレーニングを見ていた!
去年も小学校から見ていた選手がいた!
去年その選手は一回戦で終わらせてしまった!
亮にはもっと上を見せてやりたいと思った!
最初の地区予選で新チームは初戦を危なげなくコールドゲームで勝利した!
キャプテンもチャンスで期待に応えて得点に繋げた!
だが亮の動きは精彩を欠いていた!
2年生ながら最後の選手権をレギュラーとして戦い負けた余韻でかなり体も心も落ちていた!
試合後、絶好調ですか!と話しかけると「もう試合出たくないです!」!
男は苦笑しながら「大丈夫!大会後はどうしても調子は落ちるから少しずつ上げていこう!」
亮
「もういいです!」と言ってその場は終わった!
その月のトレーニングは、まだ再開されず日程を調整中と通達されていた!
翌日、寮に寄り亮の部屋を訪ねた!
亮は男の顔を見るなり顔を伏せた!
男は少し微笑んで話しかけた!
「とりあえず技術的なことから言っとこか!
リズムが合ってないぞ!
体と心は今はどうにもならんぞ!
あれだけの大役を2年生ながらあなたはやって来たんやけ、今の競技に対するモチベーションは上がりませんよ!
ただリズムは修正出来るから少しずつやっていこう!」
亮
「指導者にこのリズムでやれって言われています!」
男
「それで調子は良いの?」
亮
「でもやらないと言われます!」
男
「俺はいつも言ってる!
これからもずーっと言うやろう!
自分の感性を信じろ!
どんなに有名な指導者!
有名な選手に言われても、その人が成功した方法が亮に合うかはわからんのよね!
今、調子が悪いなら何かが違うんよ!
勇気のいることやけど指導者にバレないように修正しないとね!」
亮は一年前から解禁になった携帯電話を取り出して自分の動画を見せてくれた!
そして
「この頃の動きだと調子は良かったんです!
この後ちょっと調子が落ちたときにリズムを変えられたんです!」
男
「ちょっと調子が落ちた理由は目には見えない疲労感や大きなプレッシャーですよ!
ま、それでも亮のためを思って指導した結果やけ、この経験を生かして上がって行けば良いやろ!」
亮は少し笑顔が戻り「はい!」とやっといつもの返事が帰って来た!
リズムの修正をして帰り間際に亮に言った!
「中学の時に後一年残して俺は違う中学に行ってしまって、あなたを最後まで見れなかった!
それが今だに残っている!だから今回は最後まで面倒見るよ!」
亮は「ありがとうございます!」と元気な笑顔で見送ってくれた!
男の心に少しだけ違和感が残った!
その違和感は地区予選の2戦目でわかった!
その試合も危なげなく点数を重ねて勝利目前まで来たとき、ある親御さんが挨拶に来た!
「いつもお疲れ様です!
ところで◯◯コーチ(男)!もうトレーニングに来なくなるって本当ですか?」
男は来たか!と思ったが予想はあったので!
「一応、調整中って言われてますから、その内連絡があると思います!」
その後は普通にチームの状態や親御さんたちの意見を聞いて会話は終わった!
会話が終わった後、最近のチーム側からの対応を思うと納得できた!
思えば2年前、一度は契約の切れたチーム!
男のトレーニングに理解のあった部長さんが繋ぎ止めてくれていた縁だったが限界が来たようだった!
亮に最後まで面倒見るよ!と言った後の違和感はこれだった!
人には虫の知らせというものがあるらしい!
何か違和感を感じたときは目には見えない何かが関与して事前にお知らせがやって来ているようである!
そんなことを思いながら男は部長さんに電話を入れていた!
部長さんが電話にでると、ある思いを胸に話し出した!
「お疲れ様です!2戦目勝利おめでとうございます!ちょっと親御さんから聞いたんですけど、トレーニングの契約が終わりますか?」
ちょっと羽切の悪そうな感じで部長さんが話し出した!
「はい!新チームになってからもトレーニングを頼むつもりで指導者に話をしたんですけど良い返事が帰って来ませんでした!」
男
「◯◯部長!ホントだったら2年前終わっていた契約を◯◯部長のお陰で、またベスト4に来るまで付き合わせてもらったんです!
ホントに◯◯部長には心から感謝しています!」
部長は申し訳なさそうに決定しだい連絡します!と言って電話を切った!
ある思いとは部長さんに対する感謝であった!
ただただ大きな感謝の気持ちであった!
男は動揺しないと言えば嘘になる!
収入が大幅に減る!
このチームの夢!目標の途中で別れになる!
最後まで見ると言った亮に嘘をついたことになる!
そして今までの思い出が走馬灯のように甦った!
2年前に契約が終わったときは、こんな思いは沸かなかった!
だが今回は少しヤりきった感があった!
それと一番、府に落ちることもあった!
高校のトレーニング指導に行きだして一番ストレスに感じていたこと!
それは言うことを聞かない選手たちへの対応!
男はいつも高校の頃こんな顔や態度で先生や大人たちに反抗してたんだろ!と思い罪滅ぼしで笑顔で接していた!
それが約8年!
男が中学!高校!二十歳くらいに同棲を始めるまでの間が約8年!
同棲を始めてから人は思い通りにならないという経験が始まるのだが、約8年間!若かりし頃の男に良く似た選手たちを笑顔で指導したことで因果は成就されたように思えた!
正直!お金の修行は継続中で今回のことで、またピンチに見えるようなことが起きるかもしれない!
だが今までの経験上、必ずこの経験の中からチャンスが生まれる!
男は空を見上げていつものルーティンをやった!
笑顔で空を見上げ自分に対して「今回もスッゲーハッピーエンドになれるシナリオになってるんやろうね!ありがとう!俺!感謝してるよ!」
根拠のないワクワク感を感じながら球技場を後にする男であった!
つづく!




