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電脳世界
少年は…ゲームが好きだった。
友達のいない少年は、同級生が友達と遊んでいる時もゲームをしたし、一人でいることに抵抗はなかった。
ゲームは少年の心の拠り所だったし、少年はゲームさえできれば死んでもいいと思っていた。
だから、少年は思ってもいなかった。
ある日突然…ゲーム内で「殺し合い」が始まることを……。
いつもの様に、少年はある「場所」へと向かう。
全国各地に配置されている、「ゲームの為の」巨大な建物。
早歩きで建物に入り、そのままある場所に向かう。
建物内の人も、皆それを目指し歩いているようだった。
少年は、来慣れた「穴」へたどり着く。
直径10m程の巨大な穴。
少年と共に歩いてきた人は皆そこに飛び込んでいく。
深呼吸をし、少年は跳ぶ。
「ゲームの世界」へと。