風に任せて
ある夏の夜、自転車を漕ぎながら星空を仰ぎ見た。
その時、肌で感じる暑く、しかしどこか気持ちの良い夜風。
いつも同じで、どこか違う風に心を躍らせていた。
君はどんな旅をしてきて、これからどんな旅をするんだい?
そう問いかける。
なぜそう問いかけたのかわからないし、答えが返ってくるはずもない。
わかっていた。
しかし不思議と声が聞こえた気がした。
今までの旅は楽しかった。いろんなところでいろんな人を見てきた。
これからは、、、解らない。でもそれがいい。君にもいつか解る日が来るさ。
その時急に風が止んだ気がした。
僕は首をかしげながらいろいろ考えた。
しかし答えは出てこない。それでもどこか嬉しかった。
僕は何故か笑顔になっていた。
そして、自然と一言呟いていた。
ありがとう、、、、、と。