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1話
本当に、懲りない僕。
さあ、始めようか!(白眼)
ちなみに、今回は異常に少ないです。次話からは4千字程度ありますゆえ、次話も読んでってね。
物語の舞台、桜庭市。
それは北に山、南に海のある大きな都市。人口200万を内包するそれの中で、それぞれの家に設置されたソーラーパネルが日光を反射し、周りを白く照らしている。
通勤、通学をする為に歩いていく人の中を、円柱型の掃除ロボットが忙しく動き回っている。それを慣れたような様子で、談笑するスーツ姿の男達がかわしていく。
「――――今日の天気は晴れ、降水確率は―――――」
人口的に合成された声が、モニターを通して人々に天気を伝えている。今日も元気にいってらっしゃい、とねぎらいの言葉を掛けられる事も、住人達は慣れきっている様子。表情一つ変えずにモニターの前を通り過ぎていく。聞く相手のないまま、その声は街に響き続けている。
そんな、科学技術が発展し、全てが効率化され、その生活に不満を覚えない世界。
中で生活する市民のほとんどが外の世界を知らず、知ろうともしない世界。
それが、この世界。