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エピローグ。神様の約束。
―車が海岸沿いの道を通り過ぎようとした、その時だった。
にわかに、車を包み込むオレンジ色の光が、さらに眩しさを増した。
空間の歪みが波紋のように広がり、車のラジオから流れる『四季』の音が、まるで天上の楽器が奏でているかのように、神々しく響き渡る。
時空の鍵が、再びゆっくりと開いていく。
眩い光のゲートの向こう。誰もいないはずの誰もいない海岸線に、全身に白い服をまとい、杖をついた一人のおじさんが静かに佇んでいた。
あの四歳の冬、庭先で私に微笑みかけてくれた、名無しの権兵衛と言ったおじさん――神様だった。
神様は、助手席に座る私を真っ直ぐに見つめると、優しく目を細めた。
その唇が、声にはならない、けれど私の心の奥に直接届く確かな言葉を紡いだ。
『約束通り、これからもずっと、お前を守り続けるからね』おじさんはそう言って、あの大きくて温かい右手を、そっと空に向けて掲げた。その瞬間、巨大な夕日の中心から一条の光が放たれ、私たちの車を、そして私と息子の未来を優しく、強く祝福するように包み込んだ。
時空の鍵を開けた夕日は、愛の約束を永遠のループへと繋ぎながら、ゆっくりと水平線の彼方へと沈んでいった。(完)




