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第1話 求人広告。

【急募!事務及び家事のこなせる方。年齢・性別・職歴問わず。

勤務地はアレット子爵領・従業員宿舎あり。給与は相談。】


何げなく新聞を読んでいたら、普段は気にも留めない、隅っこの求人広告に目が留まる。アレット子爵家、って?どこだっけ?


思い出せなかったので、貴族名鑑を引っ張り出して、挟んである大きな地図を広げる。領地ごとに色分けしてある。

フルール国は大きい。端から端まで馬車で2週間以上はかかる。


サミュエルは指でア、から始まる領地を探したが見つからなかった。


ん?


名鑑を読み直して、アレット子爵家は…辺境伯領の隣の隣?

もう一度地図を見直してみると、両隣の大きめの領地に挟まれた小さな土地。

あまり小さくて、地図上に地名を書き入れることができなかったみたいだ。


なるほど…ものすごい田舎だね。


サミュエルは引き出しからハサミを取り出して、丁寧にその求人広告を切り抜いた。





*****


アレット子爵家のセリーヌは、少々うんざりしていた。

うちとしてはかなりの大金をはたいて大手の新聞に求人広告を出したのに…


一番初めの人は、待てど暮らせど、待ち合わせの場所に来なかった。

後日、ご丁寧に、あまりにも遠いので辞退します、と手紙が来た。


二番目の人は、綺麗な身なりの年配の女性。たどり着いたのは良いが、お給料の要求額が半端なかった。アカデミア卒業の方らしく、40万ガルド以下では働けないとおっしゃって…うちとしてはお断りするしかなかった。


後は…面接の間中、私の体をなめ回すように見るおじちゃん。お断りした。

観光がてら面接に来たけどこんな田舎いやよ~とおっしゃったお嬢さん…。


意外と、難しいのね。


「当主?いっそ、旦那さん募集を新聞に載せた方が早かったんじゃねえの?」

と、村人に揶揄される日々。


5人目の人はどうかしら?


【サミュエル 17歳 仕事の経験はありませんが、帳簿は付けれます。家事もできます。よろしくお願いいたします。】


字も綺麗で丁寧だわ。

どんな子かしら?


これは期待してもいいかしらね?




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