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【完結】後輩がまた違うバイトしてる〜なんで俺の行先知ってんの?〜  作者: 仮面大将G


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第48話 レンタル彼女

「ふーむ……。大学生を卒業したら出会いは無い、か……」


 SNSを眺めていると、そんなポストが流れて来る。そういやこの4年間で彼女とかできなかったな。大学生なんて彼女作ってなんぼみたいなとこあんのに。


 まあでも、社会人になって全く出会いが無くなるなんてことねえだろ。俺のことを気に入ってくれる人だって、そのうち現れるはずだ。

 ……そんなこと考えてるから彼女できなかったのかな。


 よし、なんとか卒業までに出会いを作ろう。そのためには何が必要だ? パッと思いつくのは、女性経験。デートでもなんでもして、女性に慣れることが必要なんじゃねえかな。でもマッチングアプリはなあ……。怖がられてすぐ帰られそうだし。

 なら選択肢は1つ。これに賭けるしかねえ。


 俺はとあるサイトを開き、基本情報を入力していった。



「もうそろそろだよな。緊張してきたぞ……」


 自分で指定した待ち合わせ場所で待つこと30分。そわそわしてめちゃくちゃ早く来ちまった。まあ遅れたら勿体ねえしな。


 俺が予約したのは、レンタル彼女。とりあえず女性経験を増やす……というか、女性と話す練習をするには持ってこいだ。そろそろ待ち合わせの時間。どんなレンタル彼女が来んだろな……。


 スマホで時間を細かく確認していると、元気な女の声が俺を呼んだ。


「お待たせしましたー! ご予約のフランケンシュt……望月健人さんですか?」


「フランケンシュタインって言いかけてんじゃねえか! 失礼だなおい! ……って心音!?」


「やっほやっほ健人先輩! 今日も元気に強盗未遂してる?」


「してねえよ! そんな元気なら要らねえわ!」


 そこに立っていたのは、ふわっとしたパフスリーブのブラウスにミニスカート姿の見慣れた茶髪ボブ。こいつ遂にこんなバイトまでやり出したのかよ。見境ねえな。まあでも、見た目だけはいいから評判は良さそうだな。


「さあ健人先輩、どこ行く?」


「とりあえずカフェとかって考えてたけど……。お前じゃ会話の練習になんねえな」


「なになに、話す練習したかったの? なんで? そろそろスロバキア訛りから脱却したくて?」


「俺ずっとスロバキア訛りだったの!? 日本語ネイティブのつもりだったわ!」


「でもこんなことするってことは、健人先輩も遂に彼女とか作りたくなったり?」


「おう、まあな。社会人になったら出会いも無くなるって言うし」


「ふーん、そうなんだ」


 そう言うと心音は少し機嫌が悪そうな顔に変わる。なんだ? 俺変なこと言ったか?

 まあいいや。心音が来ちゃったけど、依頼したもんは依頼したからな。ちゃんとデートして帰ろう。でもよく考えたら、なんで金払ってこいつと遊ばなきゃいけねえんだよ。こいつなら誘えばカフェぐらい行けただろ。


「さあ健人先輩、行こー!」


「ああもう分かったよ。お前がレンタル彼女やってる可能性を考慮しなかった俺の落ち度だもんな。いいよもう金でもなんでも払ってやるよ」


「やったー! じゃあ今私に取り憑いてる悪霊も祓って欲しい!」


「ごめんやっぱ帰ってもらえる!?」


 悪霊が取り憑いてるらしい心音と一緒に近くのカフェに行き、店内に入る。亀風屈指の隠れたオシャレカフェだ。ここなら落ち着いて話せると思って予約したんだけど、こいつと話すならこんなとこじゃなくても良かったなあ。ちゃんと指名しとけば良かった。


「じゃあ健人先輩、何頼む? 足つぼマッサージ?」


「ここマッサージ店じゃねえよ! こんなオシャレなとこで足つぼに悲鳴上げてるやついたらミスマッチすぎるだろ!」


「私頼んじゃうね! すみませーん! 生1つとハイボール1つー!」


「飲むな飲むな! 居酒屋じゃねえからここ!」


「それで、健人先輩はどんな人がタイプなの?」


「話の急転換すげえな! そうだな……。おしとやかで静かな人かな」


「私おしとやか。今あなたの後ろにいるの」


「そんなメリーさんみたいなおしとやかいねえよ! 怖いわ!」


 やべえやべえ。こんな静かなとこでこいつと話してたら目立ってしょうがねえ。もっとおしとやかにできねえもんなのかなこいつ。


「あ、来たよ健人先輩! はい、ハイボール!」


「なんでほんとに来んだよ! 俺昼間から飲むつもりじゃなかったんだけど!?」


「まーまーいいじゃん! おつまみは何にする? カプレーゼ?」


「お前それイタリアンの時に出せよ! なんで今それ出すんだよ!」


 そのまま心音にツッコミを入れていると、レンタル彼女の時間が終わってしまった。こんなはずじゃなかったんだけどな……。もっと知らない女性と話して、女性慣れするつもりだったのに。

 不本意だけど料金を支払い、帰ろうとすると、心音に引き止められた。


「ねえ健人先輩、ここからは料金とか要らないからさ、もうちょっと話さない?」


「なんでだよ。お前がレンタル彼女なんかやってたら、予約殺到じゃねえの?」


「あ、言い忘れてたけど私たまたま健人先輩見かけただけなんだよね。レンタル彼女とかやってないよ」


「お前それ早く言えよ! なんでしっかり金だけ取ったんだよ!」


「いやー、健人先輩がそわそわしてるのを見て、これはレンタル彼女だ! ってピンと来たんだよね! まさか健人先輩に本当の彼女がいるわけないし」


「失礼だなお前! 確かにいねえけども!」


「ねえ健人先輩。前も聞いたけど、本当に気づいてない?」


「だから何にだよ。髪型変えたとかか?」


「はあ……。そうだよね、健人先輩はそういう人だよね。当てられなかった罰として、もうちょっと私と一緒にいること!」


「なんだよそれ! まあ別にいいけど……」


 ちょっと待てよ。こいつレンタル彼女やってねえってことは、俺が予約した人は今頃何してんだ? おいおい、無断キャンセルになっちゃったじゃねえか。

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