ep.17 幕間|皇都学術院大学のとある授業風景2 ★キャラ画公開
「ハロハロー! 今日もめっちゃこんにちゃ☆ リリルラ先生の時間外特別授業始めるよおー! 今日も授業を受けるのは……テラスちゃん一人だけだねよろしくねー(笑)!」
いつものように元気に授業を始めるリリルラ。
「……はーい」
爪をいじりながら低いテンションで返事をするテラス。
「はいはーい! 今日も順調にテンション低いねこんにちは☆ いいよいいよそれくらいで。思春期というのはいろんな形があるのです。そう、まるで深き霧纏う立秋の空模様のように……」
遠い目で語るリリルラ。
「……」
呆れ顔でリリルラを見上げるテラス。
「はい! では今日は思い切って、皇国最強にして最狂、中枢にして礎、静寂にして轟音、快楽にして怪奇……そんな秘密組織『陰陽師連』について徹底解説していくよー!」
元気一杯のリリルラ。
「秘密組織を徹底解説しちゃおうとしてるよ……」
呆れ顔でリリルラを見上げるテラス。
「陰陽師連は、その名の通り、五行の力を使って色々しちゃう、陰陽師たちが所属している皇国の最重要特務組織の一つですね! 神皇様の象徴である五行の力を体系的に祭事として採用した頃にそれを司る研究機関として産声をあげたとかあげてないとかいう組織なので、とっても歴史が古いですね! 組織のトップは陰陽師頭と呼ばれていて、陰陽を表すために常に二人が任命されています! 現職はテラスちゃんも知ってる通り、『マド』ちゃんと『セイメイ』君だね……」
途中で突然元気がなくなるリリルラ。
「知ってまーす……セイメイさんはうるさいんで嫌いでーす……」
うんざりした顔のテラス。
「そうですねうるさいですねー。何なら授業の内容にも口出ししてくるくらいなので先生もセイメイ君は苦手デース。マドちゃんもマドちゃんで、ジェンダーの概念を超えてきちゃってるので先生は苦手でーす。カワイイの定義が合わない、それはもう闘争Deth! kawaiiを守るには闘争しかないのdesu!」
ピンクの髪を逆立たせながら目を見開くリリルラ。
「そんなに仲悪いんだね……」
哀れみの目を向けるテラス。
「そんなマドちゃんとセイメイ君の下には『陰陽監』がいて、皇国全土の隅々までネットワークが確立していまーす。で、その下には色んなランクの陰陽師がいて、それぞれの専門分野で活躍ちゃってます。神皇様の祭事を取り仕切ったり、ヤバみな魔族と戦闘したり、遠隔で会話して情報流通させたり、『穢レノ地』を監視したり、その活躍は、皇国全土を守るために多岐に渡りまくっていまーす。もちろん、超激務で有名すが、皇国のために命を賭ける誇り高き職業ですので、昨今の労働者権利保護規程の整備に関する議論の中で、陰陽師連の下っ端連中が労働環境の改善を訴えてる話は本当に先生、心が苦しいです……時間で仕事するのは、結局は代わりが効く、システムの中で働いている人たちでいいんですよ! 国を憂い、全体を豊かにするにはそういった一般常識に当てはめない、崇高な思想と共に、費用対効果やタイパという概念と切り離して向き合うべきなんですよ!」
いつになく情熱的なリリルラ。
「……先生の目に情熱の火が灯ってるよ……」
驚くテラス。
「そして! その崇高な組織の本部は皇都の中心にある『陰陽殿』! そこには巨大な図書館と研究施設が併設され、最新の知識と技術、真っ赤な情熱で溢れています! その施設デザインも秀逸で、陰陽師連のシンボル『五芒星』の形をしており、神算鬼謀がかけ合わさった複雑な術式が施され、皇国全体の霊的な力を高めてもいるのです!。陰陽師連の信条『調和と均衡』は、すべての行動を皇国の安定と平和に捧げるという高い倫理観と自己犠牲の精神を持ち、陰陽師たちは自分の力を皇国全体の発展と繁栄のために使うことを誓っています! 我々も彼らの崇高な精神を見習い、国のため、家族のため、仲間のために精一杯生き、その人生の役割を全うすべきなのデス!」
机を叩き熱弁するリリルラ。
「……先生」
情熱に絆されるテラス。
(──終了のチャイムが鳴る)
「……では、時間なので今日はここまで!」
熱弁直後にしっかりと時間で終わるリリルラ。
「……」
呆れた顔のテラス。
皇国最高学府の放課後はまだまだ長い──
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マドとセイメイが出てくるのはだいぶ先になりそうです><
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