手野市文化財保護条例
・第1章 総則
第1条 目的
本条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下、「法」と称する。)第182条の規定に基づき、法および大阪府文化財保護条例(昭和44年3月28日大阪府条例第5号)の規定により指定を受けた文化財以外で、手野市(以下、「市」と称する。)の区域内に現に存在するもののうち、市にとって重要なものについて、その保存および活用のために必要な措置を講じ、もって市民の文化的向上に資するとともに、手野市の文化の進歩に貢献することを目的とする。
第2条 定義
本条例において「文化財」とは、法第2条1項のうち、有形文化財、無形文化財、民俗文化財および記念物のことをいう。
第3条 指定
本条例により市文化財として指定するのは次の各号のいずれかとする。
一 手野市指定有形文化財(以下、市有形文化財と称する。)
二 手野市指定無形文化財(以下、市無形文化財と称する。)
三 手野市指定民俗文化財(以下、市民俗文化財と称する。)
四 手野市指定記念物(以下、市記念物と称する。)
第4条 指定除外
本条例では、現にあるいは将来において、法に基づいて指定された重要文化財、重要無形文化財、重要有形民俗文化財、重要無形民俗文化財および史跡名勝天然記念物、または大阪府文化財保護条例に基づいて指定された府指定有形文化財、府指定無形文化財、府指定有形民俗文化財、府指定無形民俗文化財および府指定史跡名勝天然記念物の指定をすることはできない。
2、すでに本条例に基づいて市文化財として指定されている文化財が前項のいずれかに該当する場合、当然に指定除外となる。この場合、手野市教育委員会が、当該文化財の所有者、管理責任者、保持者、保持団体へ通知を行い、同時にその旨の公示を行う。
第5条 他の地方公共団体との協議
手野市と他の地方公共団体にまたがる文化財については、互いに協議を行い、他の地方公共団体の単独、手野市の単独または、手野市及び他の地方公共団体の合同による文化財とすることができる。
2、前項の協議の結果、手野市の単独または、手野市及び他の地方公共団体の合同による文化財となる場合は、それぞれの予算の按分についての協議も併せて行わなければならない。
3、第1項の協議の結果、手野市の単独または、手野市及び他の地方公共団体の合同による文化財として指定する場合は、第3条のいずれかに指定し、それぞれの規定に従う。
4,本条に基づく市文化財は、その指定の際に予算を必要とするときは、その指定を行う前に、手野市議会の承認を受けなければならない。
第6条 市の任務
市は、文化財が市の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、かつ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、その保存が適切に行われるように、周到の注意をもって保存および活用が行われるように必要な施策を講じなければならない。
第7条 市民の心構
市民は、市が本条例の目的を達成するために行う措置に誠実に協力しなければならない。
2、文化財の所有者その他関係者は、文化財が貴重な財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。
3、市は、本条例の執行にあたっては関係者の所有権その他の財産権を尊重しなければならない。
第8条 規則
手野市教育委員会(以下、「委員会」と称する。)は、本条例の施行に際し、必要な規則を制定することができる。
・第2章 市有形文化財
第9条 指定
委員会は、市の区域内に存在する有形文化財のうち、市にとって重要なものを市有形文化財に指定することができる。
2、前項の規定による指定を行うには、教育委員会は予め指定しようとする市有形文化財の所有者の同意を得て、かつ手野市文化財協議会(以下、「協議会」と称する。)へ諮問をしなければならない。
3、本条による指定が行われたときは、速やかにその旨を告示するとともに、手野市指定文化財原簿(以下、「原簿」と称する。)に登載し、かつ所有者へ通知を行わなければならない。
4、本条において所有者が判然としない場合、現に権原を有する占有者を所有者とみなす。占有者が判然としないときは、協議会の同意により第2項の所有者の同意とする。
5、前項の協議会の同意により指定された市有形文化財は、所有者が判明したときには、速やかに判明した所有者に対して本条に基づく同意を行うかどうかの通知を発しなければならない。
第10条 解除
委員会は、市有形文化財が以下のいずれかに該当すると判断する場合は、その指定を解除することができる。
一 市有形文化財が滅失したとき
二 市有形文化財が著しくその価値を失ったとき
三 市有形文化財が市の区域外に移ったとき
四 その他特別の事由があると認めるとき
2、前項3号においては、あらかじめ協議会と協議を行い、委員会に申請を行うことにより指定の継続を行うことができる。
3、第1項4号により指定を解除するときは、委員会はあらかじめ協議会の意見を聞かなければならない。
4、第1項のいずれかに該当すると委員会が判断したときは、当該市有形文化財の指定を解除し、その旨を告示するとともに、原簿から削除し、かつ所有者または占有者へ通知を行わなければならない。
5、所有者または占有者は、前項による通知を受けたときは、通知を受けた日から20日以内に指定書を委員会へ返還しなければならない。
第11条 管理
市有形文化財の所有者または占有者は、本条例ならびに規則、および本条例に基づいて行われる委員会の指示に従って、市有形文化財を管理しなければならない。
2、市有形文化財の所有者または占有者は、特別の事由があるときは、あらかじめ協議会と協議を行い、自己に代わり当該市有形文化財の権利の責に任ずべき者あるいは別に定める管理団体(以下、「管理責任者」と称する。)を選任することができる。
3、前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者または占有者は、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。解任あるいは変更をした場合も同様とする。
4、管理責任者には第1項の規定を準用する。
第12条 所有者等の変更
市有形文化財の所有者が変更したときは、新たな所有者は、20日以内にその旨を委員会に届け出なければならない。
2、市有形文化財の占有者が変更したときは、新たな占有者は、10日以内にその旨を委員会に届け出なければならない。
3、市有形文化財の所有者、占有者または管理責任者は、その氏名もしくは名称または住所を変更したときは、20日以内にその旨を教育委員会に届け出なければならない。
第13条 管理団体
市有形文化財の所有者が判然としない場合もしくは所有者による管理が著しく困難もしくは不適当であると明らかに認められる場合には、委員会は地方公共団体その他の適当と認める法人を指定して当該市有形文化財の保存のために必要な管理(当該市有形文化財の保存のために必要な施設、設備その他の物件で当該市有形文化財の所有者の所有または管理の属するものの管理を含む。)を行わせることができる。
2、前項の規定により指定をするには、委員会はあらかじめ、当該市有形文化財の所有者(所有者が判然としない場合は協議会)及び権原に基づく占有者並びに指定しようとする地方公共団体その他法人の同意を得なければならない。
3,第1項の規定による指定は、その旨を公示するとともに、前項に規定する所有者、協議会、占有者および地方公共団体その他法人に通知して行うものとする。
4、第1項の規定による指定については、第9条の規定を準用する。
5、市有形文化財の所有者または占有者は、正当な理由がなくて第1項の規定による指定をうけた地方公共団体その他法人(本条例において「管理団体」と称する。)が行う管理またはその管理のために必要な措置を拒み、妨げ、または忌避してはならない。
6、管理団体には、第11条第1項の規定を準用する。
第14条 管理団体の解除
委員会は、以下の場合に該当すると判断する場合は、管理団体による管理を解除することができる。
一 前条第1項に規定する事由が消滅した場合
二 管理団体が解散または清算の決議、あるいは休眠会社のみなし解散が行われた場合
三 その他特別な事由がある場合
2、前項の規定により管理団体による管理を解除した場合、速やかに当該管理団体へ通知を行い、その旨を告示しなければならない。
3、前項の通知の効力は、告示を行った日より生ずる。
第15条 管理団体の費用
管理団体が行う管理に要する費用は、本条例に特別の定めのある場合を除いて、管理団体の負担とする。
2、前項の規定は、管理者と所有者との協議により、管理団体が行う管理により所有者の受ける利益の限度において、管理に要する費用の一部を所有者の負担とすることを妨げるものではない。
3、市が管理団体となっている費用については、あらかじめ手野市議会の承認を必要とする。
第16条 滅失、損傷等の届出
市有形文化財の全部または一部が滅失し、もしくは損傷し、またはこれを亡失し、もしくは盗取されたときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者または団体の代表者)は、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
第17条 所在の変更の届出
市有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者または団体の代表者)は、あらかじめ、その旨を委員会に届け出なければならない。ただし、委員会規則で定める場合には、届出を要せず、または所在の場所を変更した後に届け出ることをもって足りる。
第18条 輸出の禁止
市有形文化財は、輸出してはならない。但し、委員会が文化の国際的交流その他の事由により特に必要と認めて許可した場合は、この限りではない。
2、前項の許可を出すときは、委員会は、あらかじめ協議会の意見を聞かなければならない。
第19条 修理
市有形文化財の修理は、所有者が行う。ただし、管理団体がある場合は、管理団体が行う。
2、前項において、管理団体が修理を行う場合は、管理団体はあらかじめ、その修理の方法および時期について当該市有形文化財の所有者または占有者(所有者ならびに占有者が判明しない場合は協議会)の意見を聞かなければならない。
3、管理団体の修理に関しては、第13条第5項および第15条を準用する。
第20条 修理の届出等
市有形文化財を修理しようとするときは、所有者または管理団体は、あらかじめ、その旨を委員会に届け出なければならない。
2、市有形文化財の保護のために必要があると認めるときは、委員会は、前項の届出にかかわる修理に関して技術的な指導または助言をすることができる。
第21条 管理または修理の補助等
市有形文化財の管理または修理につき多額の経費を要し、所有者または管理団体がその負担に堪えない場合、委員会から管理または修理に関する勧告もしくは命令が行われた場合、修理の届出に伴う所有者または管理団体の申請その他特別の事情がある場合には、市は、その経費の全部または一部に充てさせるため、当該所有者または管理団体に対して、予算の範囲内にて補助金を交付することができる。
2、前項の規定により補助金を交付する場合には、委員会は、その補助の条件として管理または修理に関して必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理または修理について指揮監督することができる。
第22条 補助金の返還等
前条第1項の規定による補助金の交付を受ける所有者または管理団体が以下の各号のいずれかに該当する場合は、市は、当該補助金の全部または一部を交付せず、または当該所有者または管理団体に対してすでに交付した補助金の全部の返還を命ずることができる。
一 管理または修理に関して、本条例または本条例に基づく委員会規則に違反したとき
二 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき
三 前条第2項の補助の条件に従わなかったとき
四 委員会または協議会の指示、指揮監督その他に従わなかったとき
第23条 管理または修理に関する勧告もしくは命令
市有形文化財の管理が適当でないため当該市有形文化財が滅失し、損傷し、または盗取されるおそれがあると認めるときは、委員会は、所有者または管理責任者に対して、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関して必要な措置を勧告することができる。
2、市有形文化財が損傷している場合において、その保存のために必要があると認めるときは、委員会は所有者または管理団体に対して、その修理について必要な勧告をすることができる。
3、前項の場合において、緊急の必要がある場合には、委員会は協議会の同意を得て、所有者または管理団体に対して、その修理について命令をすることができる。
第24条 有償譲渡の場合の納付金
市が修理または管理に関して必要な措置について第21条の規定により補助金を交付た市有形文化財のその当時における所有者またはその相続人、受遺者もしくは受贈者(第二次以下の相続人、受遺者または受贈者を含む。)は、補助または費用負担に関わる必要な措置が行われたあと当該市有形文化財を有償で譲り渡した場合においては、当該補助金の額の合計金額から当該修理等が行われたと当該市有形文化財の修理等のため自己の費やした金額を控除して得た金額を市に納付しなければならない。
2、前項に規定する補助金の額とは、補助金の額を、補助または費用負担に関わる必要な措置を施した市有形文化財につき委員会が定める耐用年数で除して得た金額に、さらに当該耐用年数から必要な措置を行った以後当該市有形文化財の譲渡のときまでの年数を控除した残余の年数(1年に満たない部分があるときは、これを切り上げる。)を乗じて得た金額に相当する金額とする。
3、補助または費用負担に関わる必要な措置が行われたあと、当該市有形文化財を市に譲り渡した場合、協議会による同意を得た場合、その他特別の理由がある場合には、市は、第1項の規定により納付すべき金額の全部または一部の納付を免除することができる。
第25条 現状変更等の制限
市有形文化財の現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、委員会の許可を得なければならない。ただし、現状を変更しようとする場合にあっては委員会規則で定める範囲の維持の措置もしくは非常災害のために必要な応急措置を執るとき又は保存に影響を及ぼす行為をしようとする場合にあっては影響が軽微であるとして協議会の同意を得ているときは、この限りではない。
2、委員会は前項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更または保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。
3、第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかったときは、委員会は、許可に関わる現状の変更もしくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、または許可を取り消すことができる。
4、市は、第1項の許可を受けることができなかったことにより、または第2項の許可の条件を付せられたことによって損失を受けた者に対して、その通常生ずべき損失を補償する。但し、その補償の金額については、許可を受けた範囲において受ける利益の範囲を超えることができない。
第26条 公開
市有形文化財の公開は、所有者が行う。ただし、管理責任者がある場合は、管理責任者が行う。
2、前項の規定は、所有者または管理責任者の出品にかかわる市有形文化財を、所有者および管理責任者以外のものが、本条例の規定により行う公開の用に供することを妨げるものではない。
3、公開を行うものは、その管理する市有形文化財を公開する場合には、あらかじめ協議会との協議を経て決定した観覧料を徴収することができる。
4、本条において公開を行う場合は、あらかじめ委員会の許可を取らなければならない。また、公開のために要する費用は公開を行うものが負担する。
第27条 委員会による公開
委員会は、市有形文化財の所有者(管理責任者がある場合は、その者または団体)に対して6か月以内の期間を限って、委員会が行う公開の用に供するため、市有形文化財を出品することを勧告することができる。
2、前項の規定による出品のために要する費用は、市の負担とする。
3、第1項に規定する場合のほか、市有形文化財の所有者(管理責任者がある場合は、その者または団体)から委員会の行う公開の用に供するため市有形文化財を出品したい旨の申し出があった場合において適当と認めるときは、その出品を承認することができる。
4、委員会は、第1項または前項の規定により市有形文化財が出品されたときは、市の職員のうちから市有形文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。
5、本条の規定により市有形文化財を出品する場合、委員会は、その所有者または管理責任者に対して必要な指示をすることができる。
第28条 所有者等による公開
委員会は、市有形文化財の所有者または管理責任者に対して、3か月以内の期間を限って、市有形文化財の公開を勧告することができる。
2、委員会は、前項の規定による公開および当該公開に関わる市有形文化財の管理に関して、必要な指示をすることができる。
3、第1項の規定による公開に要する費用は、予算の範囲内でその全部または一部を市の負担とすることができる。
4、第1項または前条の規定による公開の場合を除き、市有形文化財の所在の場所を変更してこれを公衆の観覧に供するため第17条の規定による届出があった場合には、第2項の規定を準用する。
第29条 損失の補償
第27条第1項または前条第1項の規定により出品し、または公開したことに起因して、当該市有形文化財が滅失し、または損傷したときは、市は、その市有形文化財の所有者に対して、通常生ずべき損失を補償する。ただし、当該所有者または管理責任者の責に帰すべき理由によって滅失し、または損傷したときは、この限りではない。
第30条 所有者等以外のものによる公開
市有形文化財の所有者および管理団体以外のものが主催をする展覧会その他の催しにおいて市有形文化財を公衆の観覧に供しようとするときは、あらかじめ、その旨を委員会に届け出なければならない。
2、委員会は、市有形文化財を保護するため必要があると認めるときは、前項の規定による届け出に関わる公開および当該公開に関わる市有形文化財の管理に関して必要な指示をすることができる。
第31条 報告の徴収
委員会は、必要があると認めるときは、市有形文化財の所有者、管理責任者に対して、市有形文化財の現状または管理もしくは修理の状況につき報告を求めることができる。
2、協議会は、委員会が前項の報告の徴収を求めていない場合に、必要があると認めるときは、委員会に対して前項の報告の徴収を行うように要請することができる。
第32条 所有者の変更等に伴う権利義務の承継
市有形文化財の所有者が変更したときは、新たな所有者は、当該市有形文化財に関して本条例に基づく委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。
2、前項の場合には、旧所有者は、当該市有形文化財の引き渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
3、管理団体が指定され、またはその指定が解除された場合には、第1項の規定を準用する。
・第3章 市無形文化財
第33条 指定
委員会は、無形文化財のうち、市において重要なものを市無形文化財として指定することができる。
2、委員会は、前項の規定による指定を行うにあたっては、当該市無形文化財の保持者または保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
3、第1項の指定または前項の認定をしようとするときは、委員会は、あらかじめ協議会に諮問しなければならない。
4、第1項の指定および第2項の認定は、その旨を公示するとともに、当該市無形文化財の保持者または保持団体として認定しようとしているもの(保持団体にあっては、その代表者。)に通知することによって行う。
5、委員会は、第1項の指定をした後においても、当該市無形文化財の保持者または保持団体として認知するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者または保持団体として追加認定することができる。
6,前項による追加認定については、第3項および第4項の規定を準用する。
第34条 登載
前条における指定または認定が行われたときは、速やかにその旨を告示するとともに、原簿に登載し、かつ指定または認定を行った保持者または保持団体へ通知を行わなければならない。
第35条 解除
市無形文化財が事務系文化財としての価値を失ったときその他特別の理由があるときは、委員会は、協議会へ諮問を行い、その指定を解除することができる。
2、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められるとき、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められるときその他特別の理由があるときは、委員会は、協議会へ諮問を行い、その保持者または保持団体の認定を解除することができる。
3、第1項の規定による指定の解除または前項の規定による認定の解除は、その旨を公示するとともに、当該市無形文化財の保持者または保持団体の代表者に通知することによって行う。
4、保持者が死亡したとき又は保持団体が解散あるいは清算の決議、休眠会社のみなし解散、その他消滅した(以下、「解散等」と称する。)ときは、当該保持者または保持団体の認定は解除されたもの歳、保持者の全てが死亡したとき又は保持団体の全てが解散等したときは、市無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合には、委員会は、その旨を公示しなければならない。
5、本条の規定により市無形文化財の指定を解除するときは、原簿より削除しなければならない。また、同時に委員会は当該市無形文化財の保持者または保持団体へ通知を行い、速やかにその旨を告示しなければならない。
第36条 保持者の氏名変更等の届出
保持者が氏名もしくは住所を変更し、または死亡したときその他委員会規則で定める理由があるときは、保持者またはその相続人は、速やかに、その旨を委員会に届け出なければならない。
2、保持団体が名称、事務所の所在地もしくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、または解散等したとき、その他委員会規則で定める理由があるときは、代表者(保持団体が解散等した場合にあっては、代表者であった者。)は速やかに、その旨を委員会に届け出なければならない。
第37条 保存
委員会は、市無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、市無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のための適当な措置を執ることができる。
2、市は、市無形文化財の保持者または保持団体その他その保存に当たることを適当と認めるものに対し、その保存に要する経費の全部または一部を予算の範囲内で補助することができる。
3、前項の規定により補助金を交付する場合には、委員会は、その補助の条件として保存に関して必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該保存のための措置について指揮監督することができる。
4、第2項の規定により補助金を交付する場合については、第22条の規定を準用する。
第38条 保存に関する助言または勧告もしくは命令
委員会は、市無形文化財の保持者または保持団体その他その保存に当たることを適当と認めるものに対し、その保存のため必要な助言または勧告をすることができる。
2、委員会は、その保存のため緊急の必要がある場合には、協議会の同意を得て、市無形文化財の保持者または保持団体その他その保存に当たることを適当と認めるものに対し、その保存のため必要な命令をすることができる。
第39条 公開
委員会は、市無形文化財の保持者または保持団体に対して市無形文化財の公開を、市無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。
2、委員会は、前項の規定による市無形文化財の公開に関し必要な指示をすることができる。
3、第1項の規定による市無形文化財の公開に要する費用は、当該公開を委員会または市の機関において行う場合には市の負担とし、それ以外の場合には予算の範囲内でその全部または一部を市の負担とすることができる。
4、市は、第1項の規定による市無形文化財の記録の公開に要する経費の全部または一部を予算の範囲内で補助することができる。
5、前項の規定により補助金を交付する場合には、委員会は、その補助の条件として公開に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該公開について指揮監督することができる。
6、第1項の規定により市無形文化財の記録を公開したことに起因して、当該市無形文化財の記録が滅失し、または損傷した場合には第29条の規定を準用する。
・第4章 市民俗文化財
第40条 指定
委員会は、市の区域内に存する民俗文化財のうち重要なものを市民俗文化財として指定することができる。
2、前項の市民俗文化財のうち、有形の市民俗文化財については市指定有形民俗文化財(以下、「市有形民俗文化財」と称する。)に、無形の市民俗文化財については市指定無形民俗文化財(以下、「市無形民俗文化財」と称する。)とする。
3、市有形民俗文化財の指定については、第9条を準用する。
4、市無形民俗文化財の指定については、第33条を準用する。
5、市民俗文化財として指定するときは、委員会は、あらかじめ協議会に諮問しなければならない。
第41条 登載
前条における指定が行われたときは、速やかにその旨を告示するとともに、原簿に登載し、かつ指定を行った市有形民俗文化財の所有者または占有者、もしくは市無形民俗文化財の保持者または保持団体へ通知を行わなければならない。
第42条 解除
市民俗文化財が民俗文化財としての価値を失ったときその他特別の理由があるときは、委員会は、協議会へ諮問を行い、その指定を解除することができる。
2、前項の場合のほか、市有形民俗文化財の解除については、第10条の規定を準用する。
3、第1項の場合のほか、市無形民俗文化財の解除については、第35条第2項から第4項の規定を準用する。
4、本条の規定により市民俗文化財の指定を解除するときは、原簿より削除しなければならない。また、同時に当該市民俗文化財の所有者または占有者、もしくは保持者または保持団体へ通知を行い、速やかにその旨を告示しなければならない。
第43条 市有形民俗文化財の現状変更等の届出
市有形民俗文化財の現状変更し、またはその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、あらかじめ、その旨を委員会に届け出なければならない。
2、前項の届出が行われた場合、委員会は速やかに協議会に諮問をしなければならない。ただし、委員会規則で定める場合は、委員会の決定で足りる。
3、市有形民俗文化財を保護するために必要があると認めるときは、委員会は、第1項の規定による届け出にかかわる現状の変更または保存に影響を及ぼす行為に必要な指示をすることができる。
第44条 市有形民俗文化財に関する準用規定
第11条から第18条まで及び第21条から第32条までの規定は、市有形民俗文化財について準用する。
第45条 市無形民俗文化財に関する準用規定
第37条および第39条の規定は、市無形民俗文化財について準用する。
第46条 市無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録作成等
委員会は、市無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財のうち特に必要のあるものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、または公開することができる。
2、前項の規定による選択については、協議会の諮問を必要とする。
3、市は、適当と認めるものに対し、当該無形の民俗文化財の公開またはその記録の作成、保存、もしくは公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
4、前項の規定によって補助金を交付する場合には、第39条第2項並びに同条第5項および第6項の規定を準用する。但し、条文中に「公開」とあるのは「作成、保存もしくは公開」と読みかえるものとする。
・第5章 市記念物
第47条 指定
委員会は、市内に存する記念物のうち、重要なものを以下のいずれか(以下、総称して「市指定記念物等」と称する。)に指定することができる。
一 市指定史跡 その遺跡の規模、遺構、出土遺物等において学術上価値があるもの
二 市指定名勝 自然的なものにおいては風致景観の優秀なもの、名所的あるいは学術的の高いもの、また人文的なものにおいては芸術的あるいは学術的価値の高いもの
三 市指定天然記念物 動植物および地質鉱物のうち学術上重要で市の自然を記念するもの
四 市指定記念物 上記各号以外において、委員会において特に記念物として指定するもの
2、前項の規定による指定は、第9条第2項から第5項までの規定を準用する。
第48条 重複指定
委員会は、前項第1項各号の2つ以上に当該記念物が該当すると判断するときは、それぞれ重複して指定をすることができる。
第49条 登載
前2条における指定が行われたときは、速やかにその旨を告示するとともに、原簿に登載しなければならない。
第50条 解除
委員会は、市指定記念物等が以下のいずれかに該当すると判断する場合は、その指定を解除することができる。
一 市指定記念物等が滅失したとき
二 市指定記念物等がその価値を失ったとき
三 その他特別の事由があると認めるとき
2、前項3号においては、あらかじめ協議会の意見を聞かなければならない。
3、第1項の規定による指定の解除については第10条4項および5項の規定を準用する。
4、本条の規定により市指定記念物の指定を解除するときは、原簿より削除しなければならない。また、速やかにその旨を告示しなければならない。
第51条 標識等の設置
管理責任者は、委員会規則で定める基準により、市指定記念物等の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲い柵その他施設を設置するとする。
第52条 土地の所在等の異動の届出
市指定記念物等の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目または地積に異動があったときは、管理責任者は、速やかに、その旨を委員会に届け出なければならない。
第53条 準用規定
第11条から第16条まで、第19条から第25条の規定は、市指定記念物等について準用する。
・第6章 埋蔵文化財
第54条 埋蔵文化財
市は、土地に埋蔵されている文化財(以下、「埋蔵文化財」と称する。)を包蔵する土地として周知されている土地(以下、「文化財包蔵地」と称する。)について、周知徹底するように努めなければならない。
第55条 発見の届出
何人も、市の区域内において土木工事等の工事その他の行為により埋蔵文化財を発見したときは、その損傷および散逸の防止に留意するとともに、直ちに、その旨を市長に届け出なければならない。
2、前項の規定による届け出があった場合において、埋蔵文化財の保護のため必要があると認めるときは、市長は、建築主、工事監督もしくは工事施工者、文化財包蔵地の所有者もしくは管理者または発見者に対して、当該埋蔵文化財の発掘調査その他の保護措置に協力するように求めなければならない。
第56条 遺失物法の適用
埋蔵文化財については、法並びに本条例に特別の定めがある場合のほか、遺失物法(平成十八年法律第七十三号)の規定によるものとする。
・第7章 選定保存技術
第57条 選定等
委員会は、市の区域内に存する伝統的な技術または技能で文化財の保存のため欠くことのできないもののうち、保存の措置を講ずる必要があるものを手野市選定保存技術(以下、「市選定保存技術」と称する。)
として選定することができる。
2、委員会は、前項の規定による選定をするにあたっては、市選定保存技術の保持者または保存団体(市選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体であって代表者または管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
3、第1項の選定または前項の認定をしようとするときは、委員会は、あらかじめ協議会に諮問しなければならない。
4、一の市選定保存技術について第2項の認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。
第58条 解除
委員会は、市選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなった場合その他特殊な事由がある場合は、協議会へ諮問を行い、その選定を解除することができる。
委員会は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保存団体が保存団体として適当でなくなったと認められる場合、その他特殊の事由があるときは、協議会に諮問を行い、保持者または保存団体の認定を解除することができる。
第59条 準用規定
第3章の規定は市選定保存技術について準用する。
・第8章 手野市文化財協議会
第60条 設置
法第190条の規定に基づいて、委員会に、手野市文化財保護審議会を置く。
2、前項の審議会の名称は「手野市文化財協議会」とする。
第61条 所掌事務
協議会は、以下の事柄をつかさどる。
一 手野市内にある文化財に関すること
二 手野市または委員会その他市附属機関において、条例その他により定める諮問に関すること
三 手野市が管理する文化財に関すること
2、前項のほか、協議会は手野市内における文化財の保存および活用に関する重要事項を調査審議し、並びにこれらの事項について委員会に建議することができる。
第62条 諮問
委員会は、以下の事項については、あらかじめ協議会に諮問しなければならない。
一 市有形文化財の指定あるいは解除に関すること
二 市無形文化財の指定あるいは解除に関すること
三 市民俗文化財の指定あるいは解除に関すること
四 市記念物の指定あるいは解除に関すること
五 選定保存技術の選定あるいは解除に関すること
六 市無形文化財の保持者または保持団体の認定あるいは解除に関すること
七 市有形民俗文化財の現状変更等の届出に関すること
八 市無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録作成等の選択に関すること
九 選定保存技術の保持者または保持団体の認定あるいは解除に関すること
十 前各号のほか、委員会が必要と認める事項
2、市長は、必要と認めるときは、協議会に諮問することができる。
第63条 組織
協議会の委員の定数は11名とする。
2、協議会の委員は、以下に掲げる職に就く者を含まなければならない。
一 手野市教育委員会委員長
二 手野総合博物館館長
3、協議会の委員は、以下に掲げる者のうち、委員会が委嘱する。
一 有識者
二 手野市長が必要と認めた者
4、協議会の委員は任期を2年間とする。但し、第2項による委員については、その職に就いている期間を委員の期間とする。
5、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6、協議会の委員は、再任されることができる。
第64条 臨時委員
前条の委員のほかに、特別の事項を調査審議する必要があるときは、協議会に臨時委員を置くことができる。
2、臨時委員は、当該特別の事項の調査審議が終わったとき退任する。
3、第1項の臨時委員は協議会が委嘱する。
4、臨時委員は、協議会の会長または副会長もしくは部会長になることができない。
第65条 会長、副会長
協議会に会長1名、副会長1名を置く。
2、会長は委員の互選によって定める。
3、副会長は会長の指名によって定める。
4、会長は、会務を総理し、協議会を代表する。
5、副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、または会長が欠けたときは、その職務を代理する。
第66条 協議会の会議
協議会の会議は、会長が招集し、その議長となる。
2、協議会の会議は、委員の定数のうち、その過半数が出席しなければ開くことができない。但し、臨時委員がいるときは、委員の定数に臨時委員を含むものとする。
3、協議会の議事は、会長を除く出席した委員の過半数で決する。但し、可否同数のときは臨時委員を含み決を採り、さらに可否同数のときは会長の決するところによる。
第67条 協議会の運営等
本章に定めるもののほか、協議会の組織及び運営について必要な事項は、協議会会長が定める。
本条例を作成するにあたり、以下の法令、条例その他諸規則を参考にしました。
・文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0100000214
・文化財の保護のための条例の制定等の場合の報告に関する規則(昭和二十九年文化財保護委員会規則第十二号)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=329R00000011012
・大阪府文化財保護条例(昭和四十四年三月二十八日大阪府条例第五号)
https://www.pref.osaka.lg.jp/houbun/reiki/reiki_honbun/k201RG00001024.html
・東京都文化財保護条例(昭和五一年三月三一日条例第二五号)
https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00002142.html
・京都府文化財保護条例(昭和56年10月24日京都府条例第27号)
https://www.pref.kyoto.jp/reiki/reiki_honbun/a300RG00000872.html
・枚方市文化財保護条例(平成5年12月17日条例第27号)
https://www1.g-reiki.net/hirakata/reiki_honbun/o600RG00000566.html
・大衡村文化財保護条例(昭和61年9月17日条例第21号)
https://www1.g-reiki.net/village.ohira/reiki_honbun/c227RG00000265.html
・宝塚市文化財保護条例(昭和45年3月27日条例第17号)
https://www2.city.takarazuka.hyogo.jp/reiki_int/reiki_honbun/k316RG00000320.html