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短編総まとめ

月とすっぽん

作者: Rion

「彼女から」「家で」「ペアルック」「ラブコメ」


上記の4つをテーマにハッピーな物語を書いてみよう!と友人と盛り上がった結果です。


難しい事は一切ない、ノリに任せて書いたものです。目を通していただける方がございましたら優しい目で見てくださると助かります。


僕は今日、彼女に対して言うことがある。


言ったら彼女は傷つくだろう。


それでも僕は言わなければならない。


「君のは月だけど、僕のはスッポンなんだ!」と・・・







僕の名前は鈴木良太、平凡でしかない高校生だ。

成績は並、運動能力も並、容姿も並、よくある一般家庭で育てられた。


そんな平凡でしかない僕だけど、1つだけ特別なことがある。


1つだけしかないのかって?1つでもあればいいだろう?それだけで幸せなんだから。


そしてその1つとは・・・




大学生の彼女がいること!!!




・・・それが特別なことかって?そりゃもう最大級に特別さ!!

彼女の素晴らしさを知ればそうとしか言い表せない。




僕の彼女は上から数えた方が早い偏差値の高い大学に通っていて、かなり成績も優秀だ。

だけど少し抜けている所もあって、いわゆる天然。


そして運動は少し苦手。勝負や争い毎が苦手な為、スポーツ関連に弱い。

だがしかし、バレエをやっているからか柔軟性は抜群。I字バランスを見て僕の僕がやばかったことは内緒である。


そしてなによりその容姿。まず彼女はミスキャンパスに選出される位に顔が良い。1度も染めていない黒髪はつやっつやのサラッサラ。まじで大和撫子。


選出というのも、推薦はされたがどうしても恥ずかしいから無理という理由で自分で断っている。出場さえしていれば確実にその名を手にできたであろう。


胸は大きすぎず、かといって小さい訳でもないちょうど僕の手にフィットするんじゃないかというサイズ感。まぁ見たことも触ったこともないから予想だけど。


腰も足も腕も全てが細い。身長は小さめだから僕の方が多きいのも嬉しい所。後は、色白で肌に艶もハリもあって声も可愛い・・・

と、非の打ち所がないのである。


さらにさらには彼女のお父様は会社の役員、お母様はお医者様の一族出身。すばり、お金持ちである。かといってお嬢様という程でもないのでごく一般的な生活をしているみたいだ。


そんな素晴らしい彼女は現在1人暮らし。寝起きが悪い彼女は朝早く起きなくていいからという理由で大学に近いアパートに住んでいる。


とまぁそんな感じで、本人自信が素晴らしく、なおかつ愛を育む環境も最高な彼女。

僕たちは付き合って2年、ラブラブである。


しかしそんな僕は絶賛今、悩み中である。

それが冒頭の件。


何を言っているんだと思うだろ?俺もこんな代表的なことわざ通りの言葉を言うなんてびっくりだ。だけどあれは数日前のこと・・・





「りょーくんさ、ね、これ着てみせて?」


「なにこれ、Tシャツ?」


「うんそう、あっちの部屋でそれ着てきて欲しいの」


「え、今着替えるの?」


「制服のままだと部屋でまったりできないでしょ?だから、この部屋にいる時はそれ着てもらおうと思って買ってきたの」


「僕のため?・・・ありがとう。早速着させてもらうね」


その場ですぐに着替えようとした僕を彼女は止める。


「あ、ダメダメ、あっちの部屋で着替えて。私が声かけたら入ってきて」


「なんで?別に僕、肌着着ているから問題ないよ」


「いいから!早くあっちで着替えて!」


半ば強引にだけど背中を押されたので言うとおりに着替えに行く。


もらったTシャツに着替えると真っ白な生地の真ん中に暗めの黄色い丸が描かれている。


何の柄だこれ?丸?でも模様が・・・。下にちっちゃくローマ字で・・・・〔SUPPONN〕とある。


なんだこれ。なんでこんなちっちゃく書いてんだ。それにスッポン柄のTシャツ?彼女は何故にこれを買ったんだろう?疑問に思いつつも着替えたよと声をかけると彼女からは待ってーと声がかかり、しばらく待つ。


良いよーと言われたので部屋に戻ると彼女もTシャツに着替えていた。


「えへへ、りょーくんとペアルックしてみたくてさ。こないだ旅行行った時につい買っちゃったんだ」


照れくさそうに笑う彼女は最高に可愛い、その笑顔も、少し胸が強調されたTシャツも最高に可愛い。


だが1つ気になることがある。彼女のTシャツは確かに僕とほぼ同じで少し暗めの模様が入った黄色い丸が描かれている。


だがその下にあるローマ字は・・・〔TUKI〕。目をこらせばそう書いてある。

僕が彼女のこと以外で誇れる唯一の視力がはっきりと見てしまった。


〔SUPPONN〕と〔TUKI〕・・・すっぽんとつき・・・つきとすっぽん。月とすっぽん!?


ペアルック・・・なのか?これは彼女のお茶目なジョークなのか!?


ペアルックとは2人でおそろいの服や物を使用すること。同じ物で色違いだったり、2つで1つになるような物のことだろ?


それに対して月とすっぽんと言えば、月とすっぽんも同じように丸いが、夜空に輝く月と泥の中のすっぽんでは比較にもならないほど異なるという意味合い。


これは、暗に僕じゃ彼女に釣り合っていないと言いたいのか!そうなのか!?


「私ね、ずっとペアルックに憧れててね。パパとママがおそろいのパジャマとか着てるのうらやましかったんだ。だから、この部屋にいる時だけでもおそろいにしたかったの」


ニコニコしている彼女は可愛い、顔の前で指をツンツンしているのも最高に可愛い。俺とペアルックしたいと言ってくれたのも最高に嬉しさしかないに決まっている。


なのになんだ、なんだこのモヤモヤは・・・!!


もっと、もっとなにかなかったのか!ヒラメとカレイ、鮭といくら、猫といえば小判!みたいな物はこの世に溢れているだろう!


なのになぜ、なぜ、月とすっぽんなんだ・・・・・・・・!!!


わざわざこの2つで作ったメーカーの意味とは!?ペアルックだけど、それペアルック?みたいな何かを狙っていたのか!?


僕が何も言わなかったからか彼女は不安そうな顔になってしまった。


「ご、ごめんね。嫌だった・・・よね。勝手にこんなの買ってプレゼントとか・・・りょーくんを困らせたかった訳じゃないの」


さっきよりテンションが落ちて小さくなってしまった声、悲しそうにハの字になってしまた眉、え、そんな顔でも最高に可愛いかよ。


「ううん、違うんだ!嬉しくてさ、感動して言葉が出なかったんだ!ありがとう、プレゼントもペアルックしたいっていう思いも全部嬉しいよ。」


慌てて口にすればパーッと輝く彼女の笑顔。


「良かった。あのね沖縄のお土産屋さんでTシャツをたくさん打っている所があってね、外国人さん達もたくさん集まる人気店で買ったの。色違いのお月様のTシャツ!全く同じじゃなくて、少しだけ違うのがいいなって思って」


「月・・・」


「うん!私達の思い出っていれば月でしょ?りょーくんが私に告白してくれた日の満月の夜みたいだなって」


満面の笑みの彼女に含む所はない。完全にローマ字に気づいていないんだろう。言うべきか言わないべきか?だが後で気づいて恥ずかしい思いをするより今冗談ぽく言った方が傷は浅い。


「あ、あのさ・・・」


「なぁに?あっ、もちろんプレゼントだからお金とかはいいからね!私がりょーくんとペアルックしたくて買ってきたんだし」


「う、うん、それはありがとう。それでね僕が言いたいのは・・・」


「ここに置いておくから、ここに着たときはすぐ着替えようね。ふふっ、嬉しいね、お家デートの方が優先しちゃいそう」


ぐはっ・・・・・・・・・。もういいか、可愛いもん。彼女の笑顔を守る方が良いよね。





こうして数日前の僕は彼女に言うのを諦めた。だがしかしおうちデートで着替えて自分のを見る度に思うんだ。僕はすっぽん・・・・・・。


だから今日こそは彼女に言う!言ってみせる!





そして本日、着替えを済ませてから彼女に言おうとした。


「あ、あのさ、この前言えなかったんだけど・・・」


「ん?どーしたのりょーくん?」


「このTシャ・・・」


ピンポーン


「あっ、ごめんね宅配便かな?ちょっと待ってて」


そして玄関に向かった彼女、部屋に帰ってきたときには何故かお母様も一緒にいた。


「りょーくんお邪魔します。この子がペアルックしてるって自慢してくるもんだから見に来たのよぉ・・・・・・・・・ん?

SUPPO・・・・・・・・・


・・・・・・


・・・


あははははは、すっ、すっぽっっ、なにそれ!あーっはっはは!」


どうやら彼女からペアルックの話を全て聞いてきた上で見にきたお母様は僕達2人を見るなりローマ字に気づき、こうして大爆笑した。


お母様が笑っている理由が分からない彼女は困惑し、理由が分かる僕は気まずかった。


そして、笑い疲れたお母様が彼女にローマ字の件を言うと、彼女は真っ赤になって涙目で怒った。


「りょ、りょーくんも分かってたの!?なら言ってよーーーー!」


いつもより大きい声で叫んだ彼女、赤い頬と涙目も合わさって最高に可愛かったです。


僕はこれから先、月とすっぽんのことわざを忘れることはないだろうなと思ったのでした。


どうでしたか?ラブコメ…難しいですね!

ジャンルとして知ってはいましたがそれを目指して表現をする、となると全く知らないものになりました。


楽しい文章を届けてくれる作者さん達には感謝しかないですね!

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