表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/37

いつ、誰がこの恋をはじめた? 8

過去に自分がやっていた乙女ゲーム=乙ゲーの二次小説を書いていて、

その中のキャラがこんなことを考えていたらどうだろう?

…というのがキッカケで書き始めた作品です。

舞台は、よくある高校です。

メガネ・崩したスーツor白衣が好物の作者です。



その空間から、日常へ。


目が覚めて、自分がいる場所が把握できた。


「俺は、誰かが書いている、なにかのゲームの二次小説の中にいるのか」


触れれば温かいのに、自分の体温が偽者のような気がしてしまう。


俺がいるのは、夢の中みたいなものなのか?


俺は、俺じゃないのか?


「俺は、どうやって生きてんだよ」


体を起こしたまま、ベッドの上で手のひらを見下ろす。


「俺の感情は、誰のものなんだよ」


不思議な感覚に、妙な焦燥感。


そして、


「神田、か」


どっちが巻き込まれたのか、どっちもなのか、とにかく俺と神田の話なんだってことだけは理解した。


「納得は一切出来てねえけどな」


俯き、手のひらで乱暴に前髪をかき上げる。


「学校には行かなきゃ、か」


この学校に行かなきゃというのも、誰かの指図なんだろう。


「俺の人生じゃねえのかよ」


大きくため息を吐き、タバコに手を伸ばす。


火を点けかけて、一瞬、ためらう。


(タバコがどうとか言ってたっけな)


思い出しながら、火を点けて一息吸い込む。


「……っはぁ」


出来たのは、理解だけ。これっぽっちも納得出来ねえ。


「俺、どうなるんだっての」


なんてボヤきながら、指の間から立ち上っていく煙をぼんやりみていた。


簡単にシャワーを浴びて、身なりを整えて。


「はあ」


ため息を吐いて。


この一連の流れも、作者が書いているのかな。


俺のやることなすこと、なにもかも?


昨日のことを思いだして、その流れで神田にタバコの匂いがするとか言われて、あいつを可愛いと感じて。


「それから」


問題が解けてスッキリしたと口にした彼女に、俺は。


(一瞬、手に力が入ったっけ。あの時はわからなかったけど、きっと)


手のひらを開いては閉じてを繰り返す。


「あいつの頭を、撫でたくなった気がする」


無意識に、踏みとどまったんだろう。


その後にも、笑った彼女を見て変な緊張感があったはず。


「……どこからどこまでが、手のひらの上なんだ」


自分の存在理由を疑う。


それと、


「18禁だけは、なんとか回避しないとまずいだろう」


ってことに、焦りが生まれる。


俺は高校教師。


神田は、女子高生=未成年。


誰かの話の中なんだろうが、俺が勝手に傷つけていいものだなんて思っていない。


(……Eカップ)


いろんな思考が混じって、訳がわからなくなっていく。


「だいだい、あいつから見たら俺はオッサンだろうし」


変な言い訳をして、後頭部を掻く。


「俺、抗うことは可能なのか?」


なにもかもを誰かの好きにされたくない。


俺の気持ちは俺のもののはずだし、神田だってそうだろう。


「でも、強制…フラグって、強制なんだろ?」


問題は、そこだった。


どこまで干渉出来るのか、手さぐりになるだろうこれからの俺の生活。


「強制って、なんなんだよ」


ため息をこぼし、考えるのを諦めて学校へと向かった。



誤字脱字、ございましたら、ご指摘お願いいたします。

お気に召していただけましたら、いいねetcもお願いしまーす。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ