歩き出す、恋心 10
過去に自分がやっていた乙女ゲーム=乙ゲーの二次小説を書いていて、
その中のキャラがこんなことを考えていたらどうだろう?
…というのがキッカケで書き始めた作品です。
舞台は、よくある高校です。
メガネ・崩したスーツor白衣が好物の作者です。
「味方?」
思わずその言葉だけ、繰り返してしまった。
「えぇ」と即答し、笑顔のまま俺を見ている。
その反応で、俺がどんな顔でこいつを見ていたのかを察した。
「……面白がってるのか? いつものように」
やれやれと言いたかったが、飲み込んだ。
「面白いオモチャ扱いするな」
同年代には、頭がよくて気が回るって思われているだろうその行動も、角度を変えてみたらこいつが思ったように誘導して、その通りに事が運んでいることの方が多い。
もしかしたらだが、気づいていないだけで他にもこいつの手のひらの上で好きにされていたことがあったのかもしれない。
顔と気持ちを引き締めて、もたれかかっていた体を起こす。
「理由はなんだ。お前からそんな提案みたいなものが出てきて、いい方向に取れないんだよな」
こいつとは、人と人というくくりで話をした方がいい。
立場を置いて話をすれば、逆にそれを逆手にとって足元をすくわれた教師を見たことがあるから。
(正直、部活のことがなきゃ関わりたくない生徒ではある)
差別をしちゃいけないとわかっていても、君子危うきに…ってやつだ。
距離を置いた方が無難ともいうが。
「……ずいぶんですねぇ、先生」
くくっと、どこか楽し気に含み笑いをしてから「言葉の通りです」と続ける。
「声をかけた時に、なんていったのか…憶えてますか?」
そう聞かれて、数分前のことを思い出す。
こいつは、言った。
『気をつけた方がいいと思いますけど、今後も同じ付き合いをしていくのであれば』
と。
「あぁ、憶えている。一言一句、違わずに」
作家サマのことがあるからか、自分含めてまわりで起きたことや発言にも気を払い、聞いた聞かなかったがわかるようにしている。
というか、そういう癖がつきつつあるせいだな。
「そう、ですか」
へえ…と口からもれたのも、聞き漏らすつもりはない。
「俺への評価、ずいぶんと低そうだな」
「……そんなことないですよ、多分」
「“多分”、な? 俺もお前の中じゃ、レベルの低い教師の一人か? 顧問だからと、普通に話を合わせているだけで」
「そこまでとはいっていませんよ」
そういいながらも、ふふ…とさも正解ですと言わんばかりの笑みを浮かべる。
「で、どうしようとしてるんだ。何か目的でもあるなら、ぶっちゃけてほしいところなんだが。お前ほど、頭脳戦も心理戦も得意じゃないんでな」
「教師が、俺はバカですって言ったらだめでしょう。先生」
「…………素で話してくれるのはいいが、ちょっとは遠慮してくれよ。バカ、って…」
よくできた教師とは思っちゃいないが、教わるだろう側からバカ扱いは地味にメンタルを削る。
「バカはバカですよ。自分がどんな行動をしているのか、わかってやってるんですか」
こいつが口にしている初詣に関しては、きっかけは彼女からの年賀状で、それに応えることにしたのは俺で。
実際、当日の行動に関していえば、意識がはっきりしている俺自身が行動していた。
だから、その日のことをツッコまれると、まだまだ甘さがある自分を知らされた。
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