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子供達の爆弾発言

 







 皇族専用食堂にて。サクリファイス大帝国の女帝、アミィール・リヴ・レドルド・サクリファイスとその皇配、セオドア・リヴ・ライド・サクリファイスは真顔だった。



 それは____第1皇太子であるセラフィール・リヴ・レドルド・サクリファイスの一言のせいだった。



 セオドアは耳を痛いくらい指でほじって、顔を引き攣らせながら問うた。


 「せ、セラ…………もう一度、言ってくれる?」



 「はい。………わたくし、結婚します」



 「…………」



 「……………」




 それはもうにこにこしながら言う娘に、セオドアの心は混乱状態だ。



 は!?は!?どういうことだ!?まっっったくわからない!昨日まで一言も口を開かなかったセラフィールが今日は上機嫌なのもわからないし、結婚てなんだ!?いやもう17歳だけど!でも俺の中でのセラフィールはまだ子供だし!というか誰かを好きだとか言わなかったのに何故突然結婚!?



 目に見えて混乱している旦那を見たアミィールは水を一口飲んで、にこやかに言う。



 「………なんの冗談ですか?セラ。あまりパパを困らせないでくださいまし」



 「冗談ではありません。わたくしは、自分で生涯を共にする殿方を決めたのです」




 「冗談でなければなおのこと許せません。貴方は未だ子供です」



 「その子供の定義はお母様の価値観です。わたくしはもう17です。貴族の成人年齢は16歳。


 わたくしは大人で、子を産める歳でございます」




 「……………」




 アミィールが黙る。いや!そうだけど!全部唐突過ぎるし………何より俺は娘を嫁にやりたくない!やらないと決めているんだ!



 そんなことを思いながら震えた手で水の入ったコップを持つセオドアに、追い打ちをかけるように息子のアドラオテル・リヴ・レドルド・サクリファイス、フィアラセル・リヴ・レドルド・サクリファイスが口を開く。





 「父ちゃん、思考がダダ漏れだぞ。……別にいいじゃん、自分が選んだ人と結婚なんて。


 ねえ、フィア」



 「うん。目出度いね。………僕も、婚約者にしたい人も紹介したい」



 「!?」



 セオドアはその言葉を聞いてぎゅん、と効果音が立ちそうなほど勢いよくフィアラセルを見る。今さりげなくフィアラセルも好きな人が居るって言わなかったか!?



 いけない、落ち着け俺。父親は俺だ。アミィールに全てを任せるんじゃない。父親として言葉を引き出すんだ!



 セオドアはそう自分を奮い立たせて、口を開く。



 「せ、セラ、フィア、もう少し詳しく話を聞かせてくれないかい?私もアミィも混乱しちゃうよ」



 「10年もの月日を重ねました。わたくしにとってあの御方は傍に居て欲しい御方。


 優秀な御方で、皇族の執務もできますでしょう。魔法も素晴らしいです」



 「………婚約してください、ってもう言った。返事も貰った。


 だから、城に迎えたい」



 「…………」


 セオドアは固まる。

 ………だめだ、話を聞いてもわからない。

 ツッコミどころがあり過ぎて、寧ろ何も言えない。というか10年とかプロポーズとか勝手にしている現実を受け止められない。



 とうとう黙って聞いていたアミィールが口を開いた。




 「母親であるわたくしや父親であるお父様に相談せずに勝手に行ったことを認めることなどできません。


 正式な手順を踏んで、申し出るのが筋ではございませんか?いい加減になさい」



 「正式な手順を踏みたいからこそ今こうして申し上げたのですわ、お母様。


 フィアも同じように今話しましたのでしょう。


 何が不満なのですか?」








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