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父親の言葉

 








 父上は弓を消し、宙に浮く沢山の光の刃を僕に向けた。そして悠々と話す。





 「この____馬鹿息子が。


 せっかく育ててやった恩を忘れ、この"ボックス=ガーデン"に戦禍を与えるなど許せるわけなかろうが」



 「………許さなくて結構。私は神を辞める」




 「巫山戯るな!」




 ゼウスは光の刃を放った。アダムはそれを器用に躱す。この刃に触れたら消滅する。そして、それだけではなく。



 ____父上の得意魔法……否、能力は『未来予知』だ。神でも未来を予知できる者はゼウスしかいない。漫画などによくあるほんの少し、という生易しいものでは無い。



『全てを見通す絶対的な力』なのだ。

 だから先回りしていたのだろう。嫌な父親である。



 現に今の攻撃も逃げる所に刃を投げるものだから青い炎で一々燃やすがそれも読まれている。攻撃が止まない中、ゼウスは言う。



 「私からは逃れられないぞ、アダム」



 「逃れてみせる。もうアンタは……僕の親じゃない!」



 アダムはそう言って全属性の魔法を叩き込む。しかし、ゼウスは無口頭防御魔法で防いだ。



 ………あれを防ぐのかよ。本当に我が親ながらチートだな。



 「っぐ!!!」



 そんな油断をしていたアダムをゼウスは不意打ちで足蹴にした。そして、勝ち誇った笑みを向ける。




 「素晴らしい、先程の全属性の魔法……やはりお前は神童。今、この場で謝れば半殺しで許してやろう」



 「……っ、誰が………謝るか………」



 「ふむ、頑固だな。………ならばいい事を教えてやろう。


 お前が今想っている女は___近々、死ぬ」



 「___!」




 アダムは地面に顔を埋めながら目を見開く。


 セラフィールが………死ぬ?何を言われた?



 未だに言葉を受け入れられないアダムに、更に絶望的な言葉を放つ。



 「龍神の一族は、……アマテラスの一族はもうすぐ滅びる。それだけではない。"悪しき力"がお前の行こうとしている世界を混沌へと導くだろう。


 ___お前が行った所で何も変わらないのさ」



 「………ッ、戯れ言を………」



 「戯れ言ではない。私は全知全能なる神だ。…………破壊される世界、愛する女の死…………私はな、可愛い息子にそんな現実を見せたくないのさ。



 ほら、謝れ。そうすれば詳しい話を___っぐ!?」



 「…………!?」



 父親の身体、僕を踏みつけている父親の足が突如無くなった。否、なくなったのではない………吹き飛んだのだ。




 そして………代わりに、 群青色の短髪、紅と黄金色の………セラフィールの双子のアドラオテルの姿があった。





  「___よ、アダム」



 「な、お前………!」



 「お前じゃなくてアドラオテルだって。……にしてもボロボロだなぁ。かっこいい顔してるのに台無しだぞ」



 「うわっ」



 アドラオテルは無理やりアダムを立たせて顔のホコリを払う。アダムはそれを受けながら周りを見た。



 沢山倒れた木、大きな岩に___父親のあられもない姿が。アドラオテルは言う。



 「いやぁ、なんか、やばっぽい空気だったから思いっきり蹴っ飛ばしちゃった。………まあ、死んでないだろうし、悪者顔だったからいーよね?」



 「いいって………というか、お前__「アダム様!」………ラウ」



 そんな会話をしていると空中に浮いていたラウが降り立った。











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