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2 五爵とは何なのか

これを読んでいる人は、公・候・伯・子・男という五爵というのを聞いたことはあるだろう。

そもそもこれはどこの国の制度なのだろうか。


結論から言えば、五爵というのは近代明治政府が創設した制度である。

つまり、中世でも、ヨーロッパでもない制度だ。


明治政府は公家や大名を管理する制度として華族制度を作った。

この際、格付けをするということになり、様々な精度が検討された。

日本には古来から位階制度(正一位とか従五位とか、正従、数字で並ぶあれである)はあったが、位階はあくまで個人に付与されるものであり、陰位の制によりある程度子孫の位階に影響が与えられるとしても、家系の格とはなりえない制度だった。

明治政府は、家系の格付けを検討したようで、そこで新しい制度として作り出されたのが五爵である。

公・候・伯・子・男という呼称は、中国の五経である「礼記」を由来とするものであり、明治政府はこの五爵で家格を、位階で個人の格をきめて運営されていたのであった。


つまり五爵というのは、ヨーロッパのものでも、中世のものでも、はては封建制度のものでもない近代明治日本が創設した制度でしかない。

貴族のシステムではないのである。


もっとも、五爵ができてから、ヨーロッパの各国の称号をこの五爵に翻訳することが増えたようである。

これ自体はほかの国でも行われていることであり、この称号とこの称号が同等、みたいな作業というのはどうしても必要となる場合が多かった。


ちなみに華族制度の「公爵」を英訳する時にDukeではなくPrinceとしたようで、英語のWikipediaの伊藤博文は(伊藤家は公爵に叙勲されている)Prince Itō Hirobumi とかかれている。

このあたり、英語のWikipediaは分かりやすいようにだろうがPrinceの項目で解説がされており、

「日本の家族制度の「公爵」は「親王」「内親王」「王」「女王」「王妃」といった皇室と混同を避けるためにDukeと訳すのがより一般的である」

などとかかれていたりする。

このあたりは、外国との家格の兼ね合いなどもあったのかもしれず、一概に誤訳とも言えないのだが、こういった混乱を招いている状況があるというのは知っていて損はないだろう。

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