状況整理
「う、嘘」
私、善子!なんの変哲もない普通の25歳OL!!ただ一つ違うところを挙げるとすると
小学校のときからの筋金入りの乙女ゲーマーってところかなー!!!
昨日も連休にかこつけて新作乙女ゲーをやりまくり泥のように眠りについたら、たーいへーん!!!!
知らない人のお家のベットで寝ていたの!!!!!どーしよー!!!!???
「いや、現実逃避してる場合じゃない」
マジでどこだ此処。
ぐるりと周囲を見渡す。可愛らしいピンクの壁紙に、女の子がつかってまーすと、一目でわかるような
家具や小物、窓際には子供用のセーラー服が掛かっている。
・・・ということは、ここの部屋の持ち主は女の子なのか?
なんにせよ早く此処から出ていかねば、警察に突き出されるかもしれない、もしくは、
誘拐されたのかもしれない、だったらなおさら早く部屋から出ないといけない。
「・・・あれ?」
ベットから出て立ち上がると違和感を覚える。なんか体がやけに軽いような?
そして猛烈な既視感を覚える。なんか、この部屋めちゃくちゃ、見覚えがある・・・!
必死に思い出そうとするが思い出せない、何だろう・・・幼いころ親の顔より見た記憶が・・・
何回も来た記憶がある・・・!!
「ゆ・う・こ!!」
唐突に部屋のドアが開けられ、女の人が入って来た。
「え」
その顔を見て思わずつぶやく。
「ママ・・・?」
間違いない、ひよこのアップリケがついたピンクのエプロン。
30代後半?嘘だろ?と言いたくなるような若々しい美貌。
そして何よりその緩くパーマが当てられた『ピンク』の髪。
「あら、起きてるじゃない。どうしたの?そんなにビックリしちゃって」
と、ふわりとほほ笑むそのひとは見間違うはずもない。
私が小学校の頃ド嵌りした、あの伝説的作品「奏音~運命の君~」に
登場する主人公の「ママ」その人であったからだ。
私、まさかの、主人公に、なっちゃった・・・?