朝起きると
実際、選ばれなかった子はどうなるの?
ガタン・・・・ゴトン・・・ガタン・・・ゴトン・・・
夢を見ている。私は・・・見覚えのある電車の、座席に座っている。
ゆうこちゃん、ゆうこちゃん
誰かが呼んでる
ガタン・・・・ゴトン・・・ガタン・・・ゴトン・・・
・・・えー、・・・駅、吹雪町に止まります・・・、次の・・・、・・・町に・・・
・・・お降りの方は・・・
ゆうこちゃん、おきて。もうすぐ着いちゃうよ。
小さな、子供の声がする。
・・・ひさしぶり、ゆうこちゃん。ぼくのこと、おぼえてる?
金髪の綺麗な子が此方を、見ている。顔は・・・良く、見えない。
ゆうこちゃんは、この町でなにをするのかな?おべんきょう?ともだちとあそぶ?
それとも、恋、なんてしちゃう?
・・・ゆうこちゃんの、好きなことをすればいいとおもう。でも、
ああ、そうだこれはゲームだ。私の大好きな乙女ゲームの冒頭のシーンだ。
昨日、つけたまま寝てしまったのだろうか?
ぼくのこと、見つけてくれると、うれしいな。
そんな、悲しい声しなくても良いよ。ちゃんと見つけるよ。いつもそうしてあげたじゃない。
大丈夫だよ。・・・大丈夫、・・・大、・・・丈夫。
本当?、ね、ぜったいだよ。ゆうこちゃん。
眠い。
またね。
「優子、優子ー?」
・・・だれ?
「優子ー?朝よー起きなさーい」
・・・誰だ、こんな朝っぱらから、うるさいなぁ。
今日は久しぶりの休みなんだからゆっくり寝かせてよ。
「・・・優子!ちょっと!早く起きてちょうだい!今日は始業式よ!」
・・・始業式?私は二十超えたOLだぞ、何言ってるんだ。
そもそも私の名前は優子じゃない、善子だ。
あれ?
私今一人暮らしだよ?誰この人?
「うええ!?」
思わず奇声を上げてベッドから飛び起きる。
誰!不法侵入!?警察をよん・・・で・・・
「ここどこ・・・」
朝、私が目覚めるとそこは見知らぬ部屋だった。
「ここどこーー!?」