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二人の村長

作者: 眼鏡界の足軽

ある小さな島に2つの村があった。




村の西部に位置する村は代々刀産業が得意で村の小さな鍛冶場で作られる刀は世界中の国に多額のお金で買われるほどの代物だった。




一方、村の東部に位置する村は古くから槍作りが得意であったが近年、西部の村の真似をして刀を作るようになっていた。西部ほどではないが、世界各地から最高の素材を集められ作られた刀は近隣の国にも人気があった。




いつしかその島が刀島なんて言われるようになったころ、東部の村長はこれまで刀を売って集めた村のお金を使ってもっと交通網が豊かな大陸に村を移そうと考えた。




大陸の海の近くにちょうどいい草原があったためそこを開拓し数年の間に港町が出来上がった。とうとう村人そう引っ越しを間近にしたころ東部の村長は考えたら。なんで私たちよりも金があったはずの西部の村の村長はこの計画を考え付かなかったのだろうか?と。




少し気になった東部の村長だったが西部の村長がバカなだけだったか、と無理やり納得し村人を連れて引っ越した。





引っ越してしばらくたったころとある大帝国の軍部から刀を売ってほしいという相談があった。勿論この話に乗った東部の村長はすぐにその帝国に村一番の腕をもつ若者に刀を作らせ、それを送った。




これなら数ヶ月中に帝国から数万本の刀の注文が来てわが村はさらに栄えるだろう。いやもはや国と読んでもいい大きさの村になるだろう。そんなことを考えている間に時はすぎとうとう村に帝国の軍部の幹部がやってきた。




「東部の村長ですね?」

ゆっくりとしゃべるその男に村長はしっかりと頷き、そうでございます。と大きな声で言った。


「私どもが今日やってきたのさこの刀の注文を断らせて頂くために来ました」




「な、なぜです⁉」


村長は椅子から勢いよく立ち上がり大きな声で言った。



「単純な話です。我が国が今契約してる刀島の西部の村の刀よりあなた方の物が劣っているからです」



「な、なぜです⁉この刀は世界中から選りすぐった最高の素材を最高の生成方法で作られています。それに値段だってあの辺境の島から買うよりはるかに安くできる自信があります」



東部の村長は少し起こった表情で自信満々に言った。




「値段なんて問題じゃありません。刀の質の問題です。そういえば少しあなた方に質問があったのですが、なぜあんな最高の島から引っ越したのですか?」




そう、引っ越す前のあの島は刀を作るのに最高の鉄鉱石が掘れるのであった。この事実に気づいた頃にはすでに西部の村が東部の村も合併し、倍になった鉄鉱石を用いて世界中に刀を売っていた…

はじめての短編小説です!

久々の更新となりましたが少年少女江戸戦記の方も少しずつ更新していくつもりです!


感想とかレビュー貰えると嬉しいな…

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