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おどる、おどる 「22」

何となく正月らしい雰囲気のまま短い冬休みが終わって3学期が始まった。

始業式の朝、バスからおりて校門に向かって歩いていると後ろから声をかけられた。「ユウジくんー、私、私、ちょっと待ってー」振り返ると弓子だった。同じバスに乗っていたんだろうが学生だらけで離れた席だったんで気づかなかったようだ。

「おう、弓子、おはようじゃなくておめでとうか?なんか久しぶりだな。そう言えば俺、年賀状出したっけ?」「はいおめでとう、ちゃんと年賀状もらったよ。すごく小さく七福神の絵が書いてあったの。あれかわいかったねぇ」「ああ思い出した。イラスト集を見ながら色鉛筆で描いたんだけど小さくなりすぎて大変だったから途中からハガキを横にして描いたんだ。弓子には最初の方で描いたのを送ったんだ。思い出したよ」「じゃ、私にくれたのは練習作だったの?それはいいけど、それより今日は始業式だから昼前に学校終わるでしょ?横山君も剣道部の練習ないって言うから放課後時間ある?報告したいんだけど」「あぁ、それも思い出した。横山と模擬デートするんだったよな?デートしたのか?」「うん、その報告を横山君と一緒に話すから放課後時間ある?」「大丈夫、大丈夫、じゃ放課後、図書室に集まろう、閉まってたらその前の廊下に集合な。横山に言っといて」「わかった、じゃ放課後ね」


俺は放課後、図書室に行った。横山が一人いただけで他の生徒は誰もいなかった。

「おう横山、なんか久しぶりだよな。相変わらず剣道ばっかりか?」

「いや、冬休みは練習なかったから普通の高校生の冬休みみたいだったな。泉のおかげでひとつだけ楽しいことがあったかな?まぁ、それはゆみちゃんが来たら話をするよ」

そう言ってるうちに弓子も現れた。

「二人ともお待たせ、ちょっと友達と話してたら遅くなっちゃった。で、横山君もう話したの?」

「いや、俺たちもきたばっかりだから三人揃ったら話そうと思ってた」

「えーと、私はどこに座ったらいいのかなー?」

俺と横山は向かい合って座っていたからちょっと考えたんだろう。俺は

「報告者は並んで座った方が俺は聞きやすいかな?」

「分かった、じゃ私は横山君の隣に座るね」

「で、模擬デートはどうなったんだ?うまくいったのか?」

横山が「うん、俺は普段は毎日のように剣道の練習ばかりだからゆみちゃんに頼んで冬休みにしてもらったんだ。初詣に行こうかって相談したらOKしてくれたから1月5日に伊勢山皇大神宮に行く事にしたんだ。ゆみちゃんが、近くにある県立音楽堂の演奏会に行ったことあるから、伊勢山皇大神宮にも行ってみたいって言うから、、、9時に桜木町の駅で待ち合わせして15分位かな、紅葉坂って所をを登って行ったんだ。結構参拝者がいたよ。前にゆみちゃん達と6人で公園に行ったよな?中学卒業したあとだから去年の3月かな、あの時はグループだったからなんとも思わなかったけど、二人だと緊張したなぁ」

「うん、私も緊張したよ、二人だけだと相手が何考えてるかなーなんて、とっても気になってドキドキしたよ。こういうのデートって言うんだって思ったよ。でも横山君は分かりやすくて優しかったから、すぐに落ち着いてきて普通に話ができたよ」

俺は「うん俺も片岡って子と模擬デートしたときもおんなじだったな、何考えてるのか最初は気になったよ。いい経験したと思ったよ」

「そうそう、俺も普段、女子と二人きりで話すことなんてないから勉強になったよ。もっと恐いのかと思ってたよ」

「うふふ、恐くはないわよ。私だって横山君とけんかするつもりで行ったわけじゃないから」

「うん、まぁそうだよな。だんだん慣れてきたから普通に話ができるようになったけど俺は何の話をすればいいのか、ちょっと困ったなー」

「私も困ったけど、兄弟がいるのかとか剣道のほかにどんな事に興味があるのかとか色々聞いたから、だんだん横山君の事がわかってきて面白かったよ。男子が普通に考えてることが少しわかってきた気がする」

「俺もゆみちゃんの事が少し分かった気がしたな。そろばん教室に行ってたってのは初めて聞いたし、二桁のかけ算が暗算で出来るのは驚いたなー」

俺は「やっぱり新しい発見があるんだなぁ、面白いよな?で、初詣のあとどうしたんだ?」聞くと弓子が「うん、横山君が地図持ってきたからそれ見て野毛の方に行ったの。そしたらおそば屋さんがやってたからそこでお昼御飯にしたのよね、何食べようかって相談したら二人とも天ぷらそばに決まったの。でも横山君は、あとカツ丼!って言うから驚いたよ」

「あはは、男だったらそのぐらい食べるよな。横山もそのころは緊張が解けたって事だろ?」

「そうそう、行く前は昼メシの事なんて考えてなかったから、やっと普通になれたと言う事だなぁ」

「実は俺も正月に初詣に行ったんだ。結果的に男女二人づつになったけどデートって感じじゃなかったよ、同じクラスの岩下竜二と初詣の相談してたら無理矢理割り込んできた女がいて、どうも岩下の幼なじみらしいんだけど、そいつが誘ったモモちゃんとか言う子と4人だったよ。変な初詣になっちゃったけどな、横山達はうまく模擬デートがうまくいったんだろ?。あいにく俺達は変な女子二人連れで昼飯なんて屋台の焼きそば立ち食いさ、小さな偶然と大きな違いで変な体験したよ」

横山が「それは面白かったって事か?俺はゆみちゃんとデートの練習して少しは自信が付いたよ、もし気になる女子が現れたら思い切って声かけてみるよ。すこし恐いけどな。それより相手が何を考えてるか知るって事は大事なことだと気がついたよ、試合中も相手が何を考えてるか分かれば逆を突いて胴を狙ってると見せかけて面を狙うとか」「本物のバカだな、全然違うぞ、それは。どう考えるとデートと剣道の試合がつながるんだよ?それに俺の初詣は全然面白くなかったよ、今まで全く出会ったことのないヘンな女子二人を見て、こんな性格の女もいるんだって発見しただけだよ」

「まあ、まあ横山君もユウジくんもそれぞれ新しい発見をしたって事で良かったんじゃないの?私も去年は振られちゃったこともあったけど、また気になる男子を見つけたら思い切って声かけてみるわ。じゃみんな、新年早々よかった、よかったという事で帰りましょうか?」

俺たちは鞄を抱えると図書室を出てバス停に向かった。




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