おくすりの時間
おくすりの時間
みうちゃんはカゼをひいてしまいました。
せきがコンコン、たくさんでるのです。
今日は一日、おふとんで寝ていなければなりません。
しかも、みうちゃんが大きらいなシロップのおくすりを飲まなければなりません。
シロップは、なんだかにがくて、べたべたして、のどが気持ち悪くなるのです。
みうちゃんは朝からいやあな気持ちで頭からおふとんをかぶっていました。
「みうちゃん、おくすりの時間よ」
ママがシロップの瓶をもって、みうちゃんが寝ているところにやってきました。
みうちゃんは寝たふりをしてみました。
けれど、ママにはお見通し。
「みうちゃーん。ちゃんとすわって、おくすりを飲みましょうね。せきコンコンがなおりませんよ」
それでも、みうちゃんは寝たふりをつづけました。
ママはくすっと笑って言いました。
「みうちゃん、ママがおくすりに魔法をかけてあげるわ。くるくるお薬、おいしくなあれ」
みうちゃんはびっくりして、おふとんから顔を出しました。
ママが魔法をつかえるなんて、いままでちっとも知らなかったのです。
「ママは魔法使いなの?」
みうちゃんがたずねるとママはニッコリ笑ってこたえます。
「そうよ。だから、おくすりをとってもおいしくできるのよ」
そう言ってママがスプーンですくったおくすりを、みうちゃんの口にはこびます。
みうちゃんはおそるおそるおくすりをなめてみました。
おくすりをこくんと飲んだみうちゃんの目がまん丸になって、すぐにえがおになりました。
「おいしい! 」
「そう? よかった。じゃあ、みうちゃん、おくすりぜんぶ飲めますね? 」
「はい、のめます!」
みうちゃんは元気に返事をすると、スプーンにのこったおくすりを一口で飲んでしまいました。
「えらいわ、みうちゃん。じょうずにおくすりを飲んだし、あとはおふとんで寝ていたら、すぐによくなるわ」
ママはそう言って、みうちゃんにきちんとおふとんをかけて、部屋をでました。
そうしてお台所にいって、かくしておいた魔法の蜂蜜の瓶を、そうっと棚にもどしました。
Spoonful of sugar/メリー・ポピンズ




