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めざしのうた 8
めざしのうた 8
おかあさんは夜になるとまいにちお酒をのむようになりました。
わたしにはばんごはんを食べなさいっていうけど、おかあさんはごはんをたべなくて、お酒をのみます。
わたしがふとんにはいると、めざしをいっぴきかじりながら、お酒をのんでないています。
あんなにないたら、しょっぱいめざしがもっとしょっぱくなっちゃう。
でもわたしはおかあさんになにも言えませんでした。
おかあさんがないていることをしらないふりしないといけないんだと、なぜかおもいました。
そうじゃないと、おかあさんがどこかとおくに行ってしまうようなきがしていました。