表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/347

冬将軍はいそがしい

冬将軍はいそがしい

 国営放送局の天気予報が好きだ。夜9時のニュースのやつ。なんだかとってもイカしてる。

 普通の天気予報とは違うんだぜ、ウェイ。という気概を感じる。

 ここの天気予報には四季それぞれに萌えキャラがいる。

 春ちゃん、夏ちゃん、秋ちゃん、冬ちゃんだ。それぞれ額の上に、春ちゃんなら「春」という文字を冠している。


 彼女たちは皆おしゃれで、登場ごとに衣装が違う。最近見たのは冬ちゃんだが、コートを着ていた。どんなコートだったか失念したが、おしゃれさんめ、と思ったことだけは覚えている。

 この四季ちゃんたちは毎日見られるわけではない。レアキャラだ。ニュースに時間がされていない、季節の話をゆっくりできる余裕のある日にやってくる。


 彼女たちのレア度に負けず劣らずレアなのが、冬将軍だ。一目で将軍と分かる絵面で、大概は「シベリアからの寒気が……」などの、明日は寒くなりそうだぞという時にやってくる。

 この冬将軍、たまに「明日は春のような陽気になりそう……」などという日に大汗をかいてへばっていたりする。四季ちゃんに劣らぬ愛くるしさだ。


 天気予報フリークの友人にすすめられて見始めた国営放送局の天気予報だが、今では日々の潤いとして欠かせない存在になっている。ニュースを見逃しても天気予報は見たい。なんなら、録画してしまおうか。そのくらいの見ごたえがある。各キャラクターに出会えたレア感が、ギャンブルのような高揚感をもたらしているのかもしれない。それならば私はすでに立派な中毒だ。天気予報中毒。健康には関与しなさそうだから、まあ、いあいか。


 暦の上では春である。そろそろ春ちゃんが顔を出すころ。あと何回冬将軍と冬ちゃんに会えるだろう。とくに冬将軍は希有なのだ。今年の見納めにもう一度くらい出会っておきたい。

 できればあまり寒くなく、へばった冬将軍だと良いのだが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ