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新たなる武器

短いです。これからはもう少し長くしていきたいです。

春美 幸はあの事件以来ちょっかいをかけてくることは無くなった。

廊下ですれ違うこともあるが何もせずにただ通り過ぎていくだけだ。

俺にとっては無駄な時間を取られずに済むので嬉しい限りだ。

それに、いじめ筆頭だった春美 幸が何もしなくなったことにより、いじめの頻度も極端に下がり割と平和な時間が過ごせていた。

そして、そんな時間が3ヶ月程続き、ついに武器がもらえる日がやってきた。

ちなみに勇者の武器はもう決まっていて聖剣エクスカリバー(笑)という厨二病チックな名前の剣をもらうらしい。

まぁ名前は酷くても性能は最上級クラスで、切れ味が落ちることなく、光の刃が飛ばせるというまさにチート級の武器だったりする。





そんなこんなで俺達は武器倉庫の前で簡単な説明を受けていた。

乱暴に武器を扱ったり、倉庫の中で魔法を使ってはいけないなど小学生にするレベルの注意だった。

それだけこいつら勇者達がアホとみなされている証拠でもあるのだが。


「はい騎士さん!この無能に武器をあげる必要あるんですか!」


いきなりクラスの男子の竹内が俺を指差してそんなことを言ってきた。

別に文句があるわけでもないので俺は無言で騎士の返答を待つ。

ここで言い返しても今でさえ浴びせられている嘲笑と嫌悪のこもった目がさらにきつくなるだけだ。


「……彼は魔力は持っていないがもし城に侵入者が現れた場合は自分で身を守ってもらわなくてはならない」


言外に俺達騎士は侵入者がやってきてもお前を守らないと伝えられるが、鋭志は別に気にすることなく聞き流した。





「では自分に合った武器を見つけれることを願っています」

そう騎士が言うとクラスメイト達は一斉に倉庫へ走っていく。

俺はその後ろについていくように歩きながら倉庫に向かう。


倉庫に入るとつい感嘆の声がこぼれてしまった。

倉庫には箱がずらりと並べられており、箱の中に手入れの行き届いた剣が入っていた。

剣の数は目視できる中でも500本はあった。

これは期待できそうだなと俺は小走りになりつつ並んでいる剣を見ていく。

途中でクラスメイト達が体をわざとぶつけようとしてくるが剣から視線を外さず歩きながら避ける。

そうしてしばらく歩いていると俺は一本の剣に目を向けた。


いつの間にか随分と歩いていたようでクラスメイト達の集団からは随分と離れていた。


鋭志が目を向けた剣は刀だった。

周りの箱にも刀が入っておりそれぞれとても綺麗な刀だった。

だが、鋭志が目を向けたのは宝飾など一切なく、ただ黒い文字でmary(メアリー)という鍛治師の名前が書いてあるだけの刀だった。

一見ただのどこにでもあるような刀に見えるが使っている素材が違うのだろう微妙に刀身の形が違っていた。

戦闘面だけに特化した刀をさらに切りやすく、柄も握りやすく加工してあった。

ここまで精巧に作られた刀を鋭志は見たことがなかった。


鋭志はすぐさま箱からその刀を取り出すと周りに人がいないことを確認し、一振りした。

素早く体重移動を行うことによって生まれるスピードとパワーの斬撃。

やはり握りやすい。それに振った時の音も違うし、軽い。

音は重い大剣を振った時のような音がするのに、とても軽い。

そんな音がするということは刀にそれだけの重みがあったという事。

つまり、刀自体が重さ軽減のような物がかかっているという事。


「すげー」


思わず声が出た。

この世界の知識を利用したこれ以上のものなど考えられないような刀。

無駄な機能をつけずに実践にだけ特化した刀。

これだ。俺はそう思った。




俺は鞘に刀をしまい腰にかけると騎士のところに向かった。

途中、厨二病やら剣の見る目がないだの声が聞こえてきたが、俺はそれ以上にこの刀に巡り会えたことが嬉しくてそんなこと全く気にしなかった。

騎士にこの刀にするというと、一瞬目を見開いて「いい目をしているな」と言われた。

素直にありがとうございます、と言うと頭をくしゃくしゃとかき回された。



武器選びが終わると俺は早速鍛錬に向かった。

心なのかで"これからよろしくな相棒"と刀に囁きつつ。

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