鋭志の日常
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窓から刺した光が眩しくて目を開く。
耳からは喧騒が聞こえてきて、そのうるささにに眉をしかめる。
今は昼休みだったけか。
目で教室の周りを見ながらそう推測する。
寝すぎたかな、と少し反省しつつ机にかけてあるカバンから弁当を取り出す。
弁当のふたを開け食べ始める。
今日も上手いなと思いながら胃におかずを流し込む。
そうしてパクパク弁当を食べていると近づいてきた人影があった。
その人影はどんどん近くなっていき話しかけてきた。
「よぉ〜鋭志やっと起きたんだな」
またこいつか、と俺は顔さえ向けず短く返答する。
「あぁ」
こいつは俺に話しかけてくる唯一のクラスメイトだ。
名前は神谷健吾クラスのムードメーカーで人気者だ。
そんな人気者がなぜぼっちの俺なんかに話しかけてくるのか?と毎回疑問に思う。
まぁそんなことよりもずっと大事なことがあるのだが。
「そっけないなー。もうちょい反応してくれよー」
そう弁当を食っている俺の肩に腕を絡めてくる健吾を鬱陶しそうに手で払う。
正直言ってこう言って近づいて話しかけてきてくれる俺からしたらすごく嬉しいのだが、いかせん相手が悪い。
なんせクラスのムードメーカーだ。しかもバスケ部で顔も悪くない。そんな奴がぼっちの俺といたらどうなるか火を見るよりも明らかだった。
「健吾くん!僕たちと弁当食べようよ!」
そう言って晴れやかな笑みを見せて、いろんな女子を後ろに置いている男が話しかけてくる。
神木龍一クラスの委員長でサッカー部で超のつくイケメン。
性格も正義感たっぷりのみんなからは何故か憎まれないタイプの奴。
「え、いや俺は鋭志と一緒に食べるから遠慮するわ」
断られるとは思っていなかったのだろう。頬をひきつらせる神木に見向きもせず健吾は弁当を開けて食べ始める。
笑顔が崩れてまっせ委員長。俺は心の中でそういいながら最後に残していた卵焼きを食べる。
「健吾、俺食べ終わったから委員長と食べろよ」
俺は弁当箱の蓋を閉めカバンに入れてから教室の外に出た。
「ちょっと待ちなさい!」
しばらく廊下を歩いているとそう後ろから声をかけられた。
「何かな?」
嫌な予感をひしひしと感じながら後ろを振り向く。
そこには総勢10名にも及ぶクラスの女子軍団がいた。
ほぼ女子全員じゃねえか。俺はそう思いながら嘆息する。
「あんたさぁ健吾くんに馴れ馴れしすぎんのよ!自分の立場くらい考えたらどうよ。しかもそれに加え神木君にも恥書かせるしいい加減になさい!」
いい加減にすんのはお前のその御都合主義のお頭だよ。どっからどう見ても俺が健吾に絡まれてるじゃねぇか。
そう口にしそうになるのをのをなんとか抑え、めんどくさいので素直に女子に謝罪する。
「すいませんでした!出すぎた行動は金輪際しないから許してくれ」
素直に謝るとは思っていなかったのか女子軍団は老廃する。
しかし、一人全く微動だにしてない奴がいた。
「ふん!女子に簡単に頭を下げるなんて情けない奴ね」
そいつはそう言うと頭を下げている俺を上から見下ろしてくる。
春美 幸それがこいつの名前。親がどっかの社長でそのすねをかじって生きている女。
それが俺がこいつにしている評価だ。クラスの女子のナンバー2ぐらいに位置していて、常に上から目線。
正直言って俺が一番嫌いなタイプだ。親の手柄をクラスの奴らに言いふらし褒めてもらい優越感に浸って満足する奴。
俺がそんな評価をしているとは全く知らないだろうこの女はペラペラと俺を罵っていく。
そして最後にこう締めくくった。
「あなたみたいな男が健吾くんと一緒に話すなんてヘドが出るけど今回だけは許してあげる。けど次、健吾くんに話しかけでもしたら殺すわよ」
その言葉を言い終えると、脛かじり女は周りの女子達からは「さすが幸さん!」とかなんとか言われて優越感に浸っていた。
そんな中俺はあの女が最後に言った言葉を頭の中で繰り返していた。
殺す、殺すか。その言葉は中・高生が何気に口にする言葉。だがそのことばは軽く口にするには重すぎる。
その言葉を聞いた時、俺の顔は無機質になった。
すっと顔を上げ、俺は言う。
「殺す度胸もないくせに口だけは達者だな」
一気に変わった俺の口調に一瞬息を詰まらせた女子達は俺の言ったことを理解した瞬間怒鳴り散らそうとする。
しかし、女子たちが声を発することはなかった。
何故なら、俺の顔があまりにも不気味だったから。
ただただ無機質で感情を全く持っていないかのような目が謎の説得力を持っていたから。
俺は何も口にしない女子達を横から通り過ぎ、教室に帰っていった。
すべての授業が終わるとクラスは一気に慌ただしくなる。
クラブに行くもの。このあと遊びに行くもの。補習があるもの。そしてただ普通に帰るもの。
だいたいクラスはこの4種類に分かれて行動し始める。
もちろん俺はただ普通に帰るだけで、荷物を背負い教室を出る。
「帰るか」
そう呟いて俺は学校を出た。
家に着き合鍵で玄関を開けて入る。
父親は仕事でいないし、母親は俺が生まれてすぐ死んだ。姉もいるがクラブに入っているため帰るのが遅い。
だがら家にはまだ誰もいなくて、俺の足音だけが家に響く。
台所からお茶を取り出しゴクゴクと喉を鳴らしながら飲んでから自分の部屋に向かう。
自分の部屋に着くと荷物を降ろしすぐ袴に着替え始める。
着替え終わると俺は家にある道場に向った。
俺には1つの隠し事があった。
その隠し事とは俺が職についていることだ。
俺は14歳からある職業についている。
その職は総理大臣が直々に依頼してくる仕事を受けて絶対にこなすというもの。
その中の多くは日本では絶対表沙汰になってはいけない物が多い
職の名前は特に無く、仕事の内容はほとんどが大統領が言う人物を秘密裏に殺すこと。
なぜ雇われたのかはわからない。
ただお偉いさんが家に来て何かをした。
当時中学生だった俺にはそれぐらいしかわからなかった。
仕事の内容が異常すぎて最初はめちゃくちゃ困惑した。
だけど仕事は仕事で、それに総理大臣なんかに逆らえるわずもなく俺は14歳にして……人を殺した。
俺はなぜか家にある馬鹿でかい道場で昔から武術を嗜んでいた。
今時は銃が戦闘においての基本になっているが、俺が使うのはナイフと刀ぐらいだ。
なぜなら、銃の発砲音はでかく、下手したら音で市民にみつかってしまうからだ。
だから、と俺は道場に置いてある刀を握り、振り始める。
死なないために、技術を磨く。
何百回も素振りをした後、次に型をとりはじめる。
俺が使っている武術は家に代々伝わる武術だ。
今になっては俺しかこの武術を使うものがいないが、昔はもっと門下生がいたらしい。
型どりが終わるとだいたい3時間ほどたっておりそろそろ夕飯か、と道場を出た。
袴から着替え、リビングに行く。
リビングに近づくにつれ、いい匂いが漂ってきて俺の腹がググーとと鳴る。
今日の夕飯は何かなと頭で想像を膨らませながらリビングに俺は入った。
俺はリビングに入ると目を見開くことになる。
なぜなら、リビングの机の横に日本語でも、英語でも、ロシア語でも、地球の言語ですらもない文字で書かれた魔法陣?のようなものが浮かび上がっていたのだから。
次、グロ注意です。