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海の焦げた跡

春雨にうたれて

作者: 海之本

雨降りて

影落ちる雲

しとり しとり

するり するり


忘れられぬ人

流してほしいのだ

この体から


風吹きて

雨染み渡る道

濡れた葉の上

漂う姿

冷たく肺湿らす


うらやましいか?

ああ

うらやましいよ


叶わぬ

と言い

許されぬ

と思い

しとり しとり

ぽとり ぽとり


告げたいのか?

いや

告げはしないよ


並ぶ影

泥水 渦巻き

傘は音をたてる


雨音

泣き言

恨み言

しとり しとり

くずり ぐずり


触れたいのか?

ああ

許されないが


傘閉じて

雨落ちる服

しとり しとり

びとり びとり


耳の蝸牛

轟く穏やかな声よ


骨の髄

没する柔らかな体温よ


脳の海馬

暴れ狂う慕う日々よ


器官ごと

身体ごと

記憶ごと


雨粒になってしまえ


流れて

流れて

しとり しとり

ぽとり ぽとり

流れて

流れて



消えてゆけ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 切ない気持ちが雨粒の音とともに伝わってくるかのよう。 [一言] ども。久しぶりに読みの方を再開しましたので読ませていただきました。 片思いの辛い気持ちは雨とともに流してしまいたいですな……
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