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第5話 ギルド…え?ブサイクだらけ?

ども!!

第5話です

なんか超展開になりました…

まぁ、やりたいようにやったから悔いはねぇ!!←

「………お前楽してないか?」


 さっきから5分程たった頃だろうか。

 自らの足で歩かなくとも移動していることにラッキーだぜ♪と思っていたのだがばれてしまった。

 だが閃は悪びれもせずに、


「いやーありがとうございました。服はちょいと汚れちまいましたが、なかなか快適なずるり旅でしたよー」


 ぶらり旅みたいに言うな。

 こんなツッコミをいれた人は作者と気があいます。是非感想を。

 そしてそんな閃の言葉に、レナさんは眉を寄せ、額に筋を浮かべながら静かにキレた。閃を放して言う。


「お前、ふざけているのか?」


「嫌だなー、リースルーさん。ふざけてるわけないじゃないっすかー! で、これからどちらに向かわれるので?」


 これ以上話していたらめんどくさくなると、閃君特殊スキルの物ぐさレーダーが反応したため話を変えた。

 今いる場所は情報収集の際に通った所ではないため、ここがギルドへ続く道なのかな? と予想も立てている。

 そして閃のその予想は間違いではなかったらしい。


「今からギルドへと向かう。それほどの強大な魔力を持ったお前が害のある人間がどうかを見極めるつもりだ」


「うへぇ〜…、めんどくさぁ。俺は普通に平穏に暮らしたいだけなのに…」


『閃には無理だ』


「だまらっしゃい」


 小声で突っ込んできたエレンに閃もまた小声で言い返す。幸いレナさんには聞こえなかったようだ。真剣な顔で話しかけてきた。


「早く帰りたいなら質問には正直に誠心誠意答えろ。なお尋問にはSランクメンバーも私含めて三人が立ち会い、マスターによって行われる。怪しい行動はしないことだ。すぐに首を切り落としてやろう」


 なんか大事になっちまいましたね。

 閃はただ美少女(こっちではブサイク)を助けただけなのに、まさかのギルドへ連行。

 もう運が悪いとしか言いようがない。やっぱり世界はそんな都合よくできていませんな。


「なに、落ち込むことはない。なんせ絶世の美女と言われる程のマスターに会えるのだ。お前に害がないのならむしろ得したことになるのだからな。自慢出来るぞ? 喜べ」


「へぇー、絶世の美女かぁ…」


「ん? お前マスターのこと知らないのか?」


 閃の反応が気になったのか頭を傾げながら聞いてくる。


「ええ、田舎から出てきたもんで世間知らずなんですよ」


「ん、そうだったのか。大きな街に来るのは初めてか?」


「はい、そうですね。だから勝手が解らなくて四苦八苦してるとこですよ」


 街どころか世界自体が初めてなんですけどね、と心の中で一言。


「なら今度、暇な時にでも案内してやろう」


「え、いいんですか? でも二つ名持ちですし忙しいんじゃ…」


「何、多分大丈夫だろう。今日だって休みだったのだからな。私がこなさなければいけない高いランクの依頼などは少ないんだ」


 あははは、と笑うレナさん。お堅い人かと思っていたがそうでもないのかもしれない。

 ていうか今日休みだったんだ…。

 駆り出された原因は…、


「あ、すいません、俺のせいで休日潰しちゃいました…?」


 閃君ですね。

 なんか申し訳ないです。こいつがやり過ぎちゃったばっかりに…。

 だかレナさんはまたもあははは、と笑い飛ばす。


「気にするな。これでお前がどうしようもないやつだったら機嫌が悪くなってたかもしれんが、話してみれば話しやすいまともなやつだ。会話にも退屈しないから意外と楽しんでいるよ」


 からっとした清々しい笑顔を浮かべる。

 …なんかすごいいい人だな。

 閃君もポカーンとしちゃって、見惚れてるようです。


「だから街案内も楽しみにしておけ? オススメの店や私の好きな場所なんかも紹介してやるからな」


 今度は自分も楽しみなのか少しワクワクしたような笑顔を見せる。大人っぽい雰囲気から少し外れたそれは、とても可愛らしい。綺麗というに相応しい外見のレナさんから可愛らしいと思うなんて、今俺は真理に至った。


 可愛いと綺麗は兼ね備えられるものなんですね!!


 …………すいません、何でもないです。

 しかし、閃君も似たようなことを思っていたのかポロっと洩らしてしまう。


「すげえ綺麗な人だな…」


「…………は?」


「え、あれ? 口出てました?」


 閃君自覚なしらしい。天然ジゴロですね。


「お、お世辞なんか言わんでもいい!」


「いやいや、お世辞なんかじゃないですよ! 本当に綺麗だなーって。紅い髪を持つ容姿もですけど、何よりその心が。そんな良い表情を浮かべてるんですもん」


「表情、か?」


 いきなり口説いてきた閃君に戸惑い、何とか返した言葉がそんなことだった。

 この世界の美人さんはこういうの慣れてないからなー。


「表情は心です。そんな見ていて気持ち良い表情を浮かべるんだ。それだけで心が綺麗なんだろうなーって思いますよ」


 クッサ!! こいつマジか! 良くそんな台詞吐けんな…。


「ば、ばばば、ばかものぅ…。そんなこと真顔で言うな!」


 顔真っ赤にしてレナさんは歩いて行ってしまった。


「そういえばギルドマスターも美人なんだっけ? …………ん?」


 美女と聞いて興味の沸いた閃だったが、ここで重大な事に気づく。

 あれ? こっちの美女はブサイクってことだよな? と。

 絶世の美女。

 それは世の中に並ぶものがないほど美しい女ということだ。

 しかしこの世界では逆!!

 前代未聞、断トツの醜女ということですね、わかります。


「見たくない…絶対に見たくない…!!」


 俺も見たくない。


「視界に入れるだけならともかく、目を合わせて話しをするだとっ…? 絶対に嫌だぞっ!!」


 閃は行きたくないオーラを全身から漂わせるが、レナさんは気づきそうもなかった。




〜10分後〜




「来てしまった…。俺は今から……ガタガタブルブル」


 ギルドに到着です。

 閃は恐怖のあまりガタガタ震えております。

 できれば俺も見たくないんだよ…。けど、けどさ…、俺が閃についていかんと話が進まんだろ? 

ふざけんなよ!! 誰も断トツの醜女なんかみたくねぇんだよ!! だいたいなんで俺が(自重)…………。

 すいません、取り乱して…。

 そんなわけで(?)今、閃とレナさんはギルドの前にいます。

 三階建ての白い建物。

 イメージと違い、意外ときれいで清潔感が出ており、誰でも入って行けそうだ。依頼人などを入りやすくさせるための配慮だろうと思われる。


「おい、早く来い」


 レナさんは扉を開けてどんどん進んでいく。うん、やっぱりこっちもこんな感じなんだね。

 入って左側が依頼を受けたり、報告する場所だろう。大きな掲示板が受付の横に設置されており、今も見た感じ、結構たくさんの依頼書が張られていてそれなりの忙しさみたいだ。

 そしてカウンターの受付嬢。

 以下、閃の言葉から抜粋

 くっ!! 予想通りのブサイク揃いだぜぃ!!

 一癖も二癖もあるブサイク共が並んでいやがる…。

 …ん?…お、おぉ!! 一番奥に可愛い子がいる!!

 救いだ…、神の救いだ…。

 ありがとう神様。

 依頼の度にブサイクと対面しなくてすみそうです…。

 以上。

 こいつ失礼なやつだな。

 そして、右側は情報交換とかしやすそうな酒場になっている。6人掛けぐらいの丸テーブルが九つ並べられており、奥にはカウンターもある。

 依頼が終わった後、打ち上げなどに使われるのだろう。

 つか、昼間だっていうのに飲んでるやつがいるが大丈夫かよ?


「マスターの部屋はこっちだ」


「………はい」


 レナに案内され、前を歩く彼女に渋々付いていく閃君。

 いつも重いが、今日の足どりは鋼鉄の靴を履いているかの如くいつもより重そうに歩いており、よっぽど会いたくないんだろうと思わせる。


「…はぁ」


 気持ちは分かるけど幸せ逃げちゃうよ?

 受付、酒場を通り抜けて奥へと入っていく。そして一つの扉の前に着いた。


「ちょっと待っていろ」


 そういってレナが入っていくと、程なくして中から話し声が聞こえてきた。

 たぶん閃の事を報告しているのだろが、当の本人はこれから会うであろう者への恐怖でガクブルしてます。


「この中にブサイク中のブサイク…、キングオブブサイクがいるのか…。会いたくねぇよ〜」


 一人でしゃがんで頭を抱え込み、ぶつぶつ言う姿はなんとも妖しい。

 …ん? 一人?

 これなら逃げれるんじゃね?


「あれ? もしかして俺一人?」


 閃もようやく気づいたようでガバッと立ち上がった。

 急げ!! 急ぐんだ閃!!


「それじゃさよなら!!」


 ガチャ


「入れ」


「…うぃーす」


 ご愁傷様!!


「はぁ…、こうなったら…。リースルーさん、失礼します」


 そう言って閃はレナさんの肩を掴み、こちらに向かせる。

 互いに顔が近くなり、一瞬でレナさんは顔を真っ赤にさせながら混乱し始めた。


「な、ななな、何をするぅ!!」


「いや、チャージしようかと」


「どういうことだ!!」


「まぁ、あなたは気にしないで、そのままそのまま」


 ジーッとレナさんの目を見つめ続ける閃。

 レナさんは生まれて初めて男の人に、しかもなかなかのイケメンに見つめられたためか、え? 顔ってこんな真っ赤になるの? ってぐらい赤くさせ、俯いてしまう。

 が、閃は顎を持ち上げ無理矢理顔を合わせる。


「俺の目を見て」


「う、うん…」


 いやー、しおらしいレナさんはめちゃくちゃキュンと来ますなぁ!!

 あのお堅い口調は隠れてしまい、今は女性らしい雰囲気に。動揺しまくりですね。すごい可愛らしい。


「よしっ! 美人パワーチャージ完了!! ありがとさん。これで何とか乗り越えられるか…」


 閃はニコッと笑いかけレナさんから離れる。

 その後の言葉から察するに先に美人さん見といて堪えようとしたのだろう。

 だがそれでキングオブブサイクに太刀打ちできるのか…。

 そして、今まで放心状態だったレナさんがようやく復活。


「はっ! …お、おい行くぞ!」


 慌てて先に入ってしまった。あ、少し躓いた。


「まったく、一々反応が可愛いな〜」


 同感です。


「ああ、本当に良い女だなー。ありゃ男が放っておかないなってこの世界じゃダメなのか!! せ、世知辛ぇ…」


 ちょっと泣きそうになりながら閃もドアを開けて中に入る、そして前を一切見ずにある程度進み、ひざまづいた。

 絶対に見ない、という閃の意志が伝わってきますな。


「あらぁん? レナ、顔が真っ赤よん? どうかしたのぉ?」


 ゾァー…

 閃の背中に何かが這うような感触が走った。甘ったるい、粘っこい声が部屋の中で響いた。

 間違いない、キングオブブサイクの声だ!!

 まさか…、声だけでこの威力? 顔を見たら死ぬかもしれん…、と閃は心の中で一言。


「いえ、何でもありません」


 レナさんはいつもの堅い口調に戻ってしまっていたが、よく通る少しハスキーな凛々しい声で返す。

 今ではどんな綺麗な音色よりも美しく聞こえる。ちらっと閃はレナさんを見たが、目があった瞬間逸らされてしまった。

 けど、耳が赤いのを見て、クスッと笑いまた美人パワーチャージ。

 ちょっと元気が出た様子です。


「で、あなたねん? 街中で強力な魔法を発動させたっていうのは?」


「はい、その通りでごさいます」


「そんな硬くならないでいいわよぉ? お顔を見せて?」


「ムリです」


 閃君即答。

 気持ちいいぐらいの即答です。嫌ではなくムリ。生理的にムリなんだろうね、やっぱり。


「何でぇ? 私の顔を見たくないのかしらん?」


 当たり前だろうが。

 キングオブブサイク(めんどくさいから以下キング)の顔なんか出来れば見たくない。何でキングと顔合わせて会話せにゃならんのだ。

 絶対閃はそう思ってる。間違いないね。


「貴様、マスターが上げろと言っているのだ!! 早くしろ!!」


 今度はものすごく偉そうな男の声が響いた。

 閃は伏せていた顔を思いっきりしかめっつらにさせ、おまけに舌打ちまでし、明らかに不機嫌オーラを出しながらようやく顔を上げた。


「………………………………………………………………ぐふっ」


 吐血。(血が見えた気がする)

 閃はダダダダッとレナさんに駆け寄り、ジャンピング抱き着きで押し倒した。

 ……えぇ!? 押し倒した!?

 何やってんだこいつ!

 押し倒したレナさんの頬を両手で包み、目を合わせる。突然怒ったことにパニクり、目をパチパチさせているレナさんはなんともラブリーである。

 そして顔が真っ青だった閃は、段々と顔色が良くなっていっていた。

 どうやら美人パワーをチャージしたかったようですね。あらかじめ貯めていたものはキングと目を合わせた瞬間消え失せたようだ。

 ………おぇぇ、俺も限界…。ダメだ…。

どれほどすごい顔か教えてやりたいが悔しいことに俺の文才では表現しきれない…!!

 とりあえずモザイクかけることにしまーす。


「え、あ、いや何をするんだ!?」


「すいません、もう少しこのままでいいですか? あなたのその美しい姿から目を離したくない。ずっと傍で見ていたいんです」


 気がついて抗議の声を上げたレナさんに閃は、え? 口説いてんの? とでもいうようなセリフを吐きやがった。そう思ったのは俺だけじゃないはず!!

 他のSランク二人も、マスターも口をあんぐりと開けているもの(多分モザイクの裏で)。

 レナさんなんかは頭から湯気を出し、顔も真っ赤である。フラグが立ちました。ええ、確実にこの世界に来てから二人目のフラグが立ちましたよ。シエン、レナさん、双方とも美女美少女です。

 うらやましいぞコラ!!

 つか、よくこんな行動が起こせると思う。抱き着き、押し倒し、あまつさえあんなセリフまで吐いてしまうほどキングの顔がひどかったのか?

 いつもの閃ならもう少し言葉を選ぶはず…。

 モザイクは必須だな…。


「――お前の名は何という?」


 あれ? レナさん?

 急にどうしました?


「閃。セン・タナカです」


「そうか。閃…、良い名だな。それと敬語でなくていい」


 様子がおかしい…。混乱を通りすぎておかしくなったか? いつの間にやら首に手を回してるんですけど…。


「恥ずかしながら、私は告白されたことが初めてなんだ。なんて答えたらいいのか分からない…。だが、閃の言葉は私にちゃんと届いた。だから今の気持ちを、感じてることを答える。それでいいんだ、よな?」


 告白?

 ………………告白ぅぅう!?

 してない、してないよ閃は!

 早く誤解を解きなさい!!


「ああ」


 ちょっとぉぉぉー!?

 閃君気付いて!!

 君告白なんかしてないよね!?

 レナさんの勘違いだよね!?


「今まで散々汚い言葉は吐かれてきたものだが、あなたのような甘く蕩ける、こんなにも嬉しい言葉は初めてだった。今、私の心臓が今までにない程脈を打っている。ドキドキして…、締め付けられて…」


 そう言うレナさんは苦しそうに自分の胸を押さえている。それでも顔を真っ赤にしながら必死に言葉を紡ぐ。


「だがこの締め付けは嫌いじゃない。これが人を好きになったということなのか…。思えば、この痛みは通りでの話の時にも感じていたかもしれないな。今、私はあなたが信じられないぐらいに愛おしい。そしてもっともっと、好きになりたいと思った」


 綺麗な瞳をしていた。

 真剣な瞳。

 潤ませながら、恥ずかしいけど目をそらさずに、自分の気持ちを語っていった。

 閃に全てを解ってほしいから。

 自分の全てを見てほしいから。


「どうか…、どうか私を…」


 言葉が中々続かない。

 恥ずかしいからか、自分でも整理しきれていないからか。

 それでも、そんな状態でも、溢れだすこの強い感情は止められなかった。


「――あなたのお傍にいさせてはいただけませんか?」


 言った。

 今の私が感じていること全てを。

 レナさんは小さく震えている。

 いきなり重かっただろうか?

 拒絶されたらどうしようか?

 そんな想いを積み重ねながらも目だけはそらさない。

 嘘はないと、これが自分の気持ち全部だと、あなたが好きだと、伝えるように。


 震えるレナさんを見て閃は柔らかく笑う。

 そしていつの間にか溜まっていた涙を拭ってやりながら答える。

 想いを、受け取る。


「…ああ、いつまでも俺の傍にいろ。勝手に離れることは許さないからな」


「はい…。末永く、可愛がってくださいませ…」







 ………。

 もういいです。俺は何も言いません。当人達が良ければ良いんじゃないですかね? 途中からそれらしくナレーションもしたし。

 はいはい、オメデトー。


「セン、私はこれでもSランクだ。この世界のいろいろな障害からあなたを守ってみせよう。安心してくれていいぞ」


「いや、それには及ばねぇよ。俺も腕には自信があるからな。逆に俺がレナを守ってやる。自分の女も守れねぇんじゃ、男失格だろ?」


「セぇン〜…」


 …ごめん、誰かこの空間を壊せ。

 イライラすんだけど…!!


 そして話を進めてぇー!!

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