第2話 異世界………マジで?
早くも2話目です!!
多分そのうち投稿スピードがカメのようになると思いますがww
「さて、これからどうするかね」
今、閃は森の入り口のようなところでこれからの予定を立てていた。
あ、決してちょうど入り口に着いたわけじゃないぞ? なぜか着いた場所は森の遥か上空。そこから急降下して頭からズドンである。怪我一つないのはやはりチートだからか、本人もダメージがあるようには見えない。これがギャグ補正なのか…。
そしてここまで歩いてきたのだが、当然のように途中魔獣に襲われた。まあ、その度にエレンで切り刻み、消し炭にしてきてやったが。その証拠に所々に血の付いたエレンを背負っている。断っておくが剣だぞ? 忘れてる人がいるかもしれないんで一応確認です。
『いやー、やっぱりオレを使うのは閃じゃねぇとな!! 絶対手放すんじゃねぇぞ!!』
「はいはい分かってるよー。しっかし魔獣に違いは見られなかったな。つーことは似たような世界? おほっ♪ ラッキー!!」
なぜラッキーか。
異世界など未知にも程がある。そんな何も知らない中に放り込まれるよりはいくらか似た世界の方がいいだろう。文化、環境の全く違う世界に来てしまってはめんどくさいに決まっている。
物ぐさ閃君は死んでしまうかもしれない。物語終わっちゃうよ?
『これからどうすんだ?』
「んー、とりあえず街まで、つか人に会ってみんとな。言葉も通じるかわかんねぇし」
そうと決まればこんな所で突っ立ってるわけにもいかない。
少し向こうの方に見える街道に沿って行けば、街も見えてくるだろう。
そう思い閃は歩きだした。
〜6時間後〜
しばらく歩いたところで、ようやく前方に門のような物が見えた。
「ようやくか…。あー…………………、めんどくさかった…」
閃の顔はもううんざりだという感じだ。疲れたわけじゃない、めんどくさかっただけ。閃君の体力を甘くみてはいけない。
こいつはフルマラソンを全力疾走出来そうだもの。いや、多分出来る。
『ほら閃、もうすぐだろ? ちゃっちゃと行けよ』
「エレンはうっせ〜な〜。俺のペースで行かせろっつの」
『なぁっ? オ、オレは閃が早く休みたいだろうと思ってだな…』
「あ、そういうことか。ごめんごめん。エレンは優しーな♪ あんがと」
『う、ううう、うるせぇ!!』
そんな感じで言い合っている(?)とすぐに門に着いた。
魔法によって門の開け閉めが出来るタイプのようである。高さ10メートルぐらいだろうか。結構な大きさで、街もさぞ大きいんだろう。
立っている衛兵らしき人に言えば入れてもらえるのかな?
「お疲れ様です。あの、この街には入ってもいいんでしょうか?」
「ん? 旅人か?」
「はい、そうなんですよ。世界を回ろうと思っておりまして。と言ってもこの街が最初なんですけどね」
魔具屋営業で培った営業スマイルを貼付けて衛兵さんに対応する。
嘘はついてない。せっかく異世界に来たのだから楽しもうと閃は考えていたのだから。
「そうかそうか。まぁこの街は魔法学園とギルド、それと商店街ぐらいしかないがな。楽しんでいってくれ」
「はい、ありがとうございます。それで入るにはどうしたら?」
「あぁ、そうだったな。軽いボディチェックと荷物のチェックだけだ。………うん、問題ないな。よし通っていいぞ」
「ありがとうございました」
閃は衛兵に礼をして門をくぐった。
するとすぐに大きい通りに出た。店が建ち並び、人の行き来もすさまじい。主婦やお使いをしている子供、親子、カップルなどたくさんの人がいる。見ているだけで人酔いしそうだ…。うっぷ…。
そして通りには飲食店から衣装屋、武器屋、防具屋。豊富な店の種類からここならなんでも揃うだろう。商人の皆さんは、どうか自分の店の商品を買っていって貰おうと道行く人に声をかけている。
活気のある良い街だ。
「ほぇ〜、でっかい街だな。衛兵のおっさんは大したものはないって言ってたけど、この国の主要な街の一つなのは確かだろうなー」
『そうかもな! ここならいろんな情報が入ってくるんじゃねぇか?』
「おぉ!! またまたツイてるぅ!! さて情報収集♪ 情報収集♪」
閃はこの大通りで情報収集を行うようだ。ここなら宿屋や酒屋なんかもたくさんあるからすぐに集まることだろう。
〜1時間後〜
「ふむ。前の世界と大きく違うような所は少ないな」
まず安心したのがなんとか言葉は通じるということだ。少し発音が違ったりするものもあるのだが、似たような言語だった。つくづく閃は運がいいらしい。
あと魔法も存在していた。前の世界は魔法に依存していた所もあったから、なかったとしたら慣れるまで大変そうだし。
そして、気になる所の違いは二つ。
一つが通貨だ。前の世界ではエルという通貨であったが、この世界は金貨や銀貨といった感じらしい。銅貨100枚で銀貨1枚。銀貨100枚で金貨1枚。そして金貨100枚で白金貨1枚だ。リンゴっぽい食べ物が一つで銅貨1枚だから、一日の食費は15〜20枚程度、らしいよ?閃が八百屋のおばちゃんと喋ってた。
そういえばその時、話してるうちにおばちゃんと仲良くなっちゃったもんだから、さっき話に出てきたリンゴっぽいやつを一つ貰ってやがった。
カッコイイって得だよね。滅びればいいのに。
性格上、閃は人見知りでもなんでもないから付き合いやすいやつである。まぁその方が楽だから、とは本人談。その気さくな性格も一役買っているのだろう。ホロビレバイイノニ。
そして二つ目だが、閃にとっては重要なことで、魔具がないということだ。別にこの世界は魔具がないからといって普段の生活に不便なことはないのだが、閃にとっては前のように魔具屋ができないのだから金が稼げない。生活ができない。めんどくさい。
構わず売ったらいいじゃないか? この世界にはないんだからバカ売れだろう? と思うかもしれないが、新しい物が世に出れば騒がれる。閃君お気に入り、のんびりぐったりうだうだスローライフをおくれなくなってしまうからだ。
こうなれば衛兵のおっさんも言っていたギルドで金稼ぎをせねばなるまい。
ご愁傷様でーす。
「………めんどくせぇけど仕方ないか。ハァ…」
『おいおい、幸せが逃げちまうぜ?』
「そーだねー」
エレンの言葉を適当に流して、ギルドまで足を運ぶことにした閃であった。
さて、閃がギルドに着くまでにこの世界の「魔法」について説明しておこう。
前の世界では魔法を発動するのに魔力、詠唱、イメージ、原理理解、この4つが必要だったのだが、この世界ではもう一つ必要な物がある。
それは「媒介」と呼ばれるものだ。その媒介を通すことにより魔力を安定させ、コントロールしやすくするというのが一般である。中には必要のない者もいるらしいが、ごく少数だとか。
媒介というのはなんでもいいらしいが、自分の馴染みの物を媒介として契約するのがほとんど、と閃が聞いていた。
閃は魔具を媒介といえば大丈夫かなーと考えている。実際に媒介を通して魔法を使うと、媒介が淡く光るらしいので見た目は大差ない。つか同じ。閃が使っているのが魔具だとは誰も気づかないだろうさ。
そして次は魔法の属性というものだが、一言で言うとたくさん。火、水、風、土、雷、氷、光、闇、呪、空間、時間、重力、創造、破壊、獣、etc…。
新しく属性が発見されることもあるらしい。人それぞれ資質というのは違うからね。
まぁ、それぞれの説明はおいおいします。でもなんとなく分かるよね? ゲームとかにある魔法を想像してくれたら大丈夫です。分からないとしたら獣ぐらいかな。これだけ説明すると、獣属性というのは簡単にいえば獣の力を借りると言うものだ。手が鳥の翼になったり、足が魚のヒレになったり。なかなか面白い能力である。
そして、魔法には初級から、下級、中級、上級があり、この順に強さと消費魔力量が上がっていきます。
この中でも上級魔法はかなり難しい。上級魔法を使えれば、もうその属性をほぼマスターしたといえるぐらいなのだ。
これで魔法についての説明は終了です。
ふぅ…。もうそろそろギルドに付いた頃かな?
「もうちょいかな」
ご返事ありがとう。
『ん?』
「どうかしたか?」
『いや、なんかあっちの方騒がしくねぇか?』
「あっち? …って、どっちだよ」
エレンには手とかないからあっちと言われても分からない。作者の俺にも不明。
『だから右の方だよっ』
イライラし始めたエレンの言った通り右の方を見てみる。
あららホントだ。なんだか言い争っている声が聞こえますな。
男と女の声が耳に届いてきます。閃君はどうするんだろう?
見に行くんだろうか?
「あぁ、ホントだね。さてギルドはどっちだ?」
あ、スルー?
人間なんだから少しは興味を持っても良さそうなんだけど、物ぐさ閃君に何を言っても無駄なんでしょうね。
『…気になる』
「は?」
『閃!! 見に行くぞ!!』
エレンのわがまま発動!!
効果は周りから変な目で見られることです。
「えー何々? 腹話術? 恥ずかしー! こんな所で会話してるよー」
「ママー、あのお兄ちゃん何やってるの?」
「ダメっ! 見ちゃいけません!! 感染っちゃうわよ!」
「………おい、俺は病原菌か何かか?」
閃君かわいそうに。完全に頭がいっちゃってる人になってる。
まぁこればかりは仕方がない。剣とおしゃべりする人はさすがに危ないよ。
『なぁー見たいー!! 見ーたーいー!!』
「分かったからもうしゃべんな!!」
エレンを黙らしてから、のっそりのっそり重い足を引きずって喧騒のもとへ向かっていく。
いや、お前はどんだけめんどくさいんだよ。