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第9話 秘密…あれ?もう暴露?

第9話でございます。

説明ばっかなんで少しつまんないかもしれないですね。


次は番外を更新かと。

つか、なんか番外も書くの楽しくてww

迅の旦那いじめが←



それではどうぞー!!

「ちょ、ちょっと待て!!は?異世界?意味がわからない…」


「だから俺は異世界から来たんだって」


「信じられるわけないだろ!!」


「あ、ちょ…首つかまない、で、ふ、ら、な、い、でー!!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」


レナさんは閃の言葉が、かけらも、これぽっちも、微塵も信じられなかった。

まぁ、それもそうだろう。

いきなり、実は俺異世界から来たんだよね☆、なんと言われて、え?マジで?そりゃすごいな、で信じられるわけない。

地球だったら自称異世界人はもちろん、信じた方も一応病院行っとこうか、と言われると思いますね。

それだけ不思議なことで、異質なことだったのだ。

ここが魔法のある世界だとしても、にわかには信じられる話ではない。


「ちょ、止めて…。マジで吐いちゃう…」


「ん?ああ!!すまん閃…」


閃君大丈夫?

青ざめる通り越して、顔土色ですけど。

こんな色見たことねぇ…


「あの、大丈夫ですか?」


そこに心配そうにした受付嬢がやってきた。

閃の背中をさすって介抱してくれている。

受付嬢にはなくてはならない気配りだろうが、この娘は絶対素が最初からこんな感じなんだろう。

ええ娘や…、めっちゃええ娘や…。

仕事をしているぐらいだから成人はしていそうだが、童顔のせいか閃よりも年下に見える。

だがスタイルはいい。

胸は小ぶりだが形がよく、顔の幼さのせいか違和感はない。

先程も言ったが小動物のようでめっさかわゆいです。


「あぁ、悪い。ありがとう。えっと…」


「申し遅れました。私は、イリス・オルテナと申します。このギルドで受付嬢をやっております。以後お見知り置きを」


優雅にお辞儀するイリス。

そのお辞儀する姿はとても上品で、貴族か何かだと思わせる程である。



「イリス、だな。よろしく。俺はセン・タナカだ。閃と呼んでくれ。この度このギルドに所属することになった。ですよね?」


「えぇ、そうよん」


「というわけだ」


「そうなのですか。お困りの際は是非お声を掛けてください。微力ながらお力にならせていただきますからね?」


「あぁ、頼りにさせてもらうよ」


そんな感じで仲よさ気に自己紹介を終えた二人。

ニコニコと笑うイリスはすごくかわいい。

依頼を終えて帰ってきた時にこんな笑顔で迎えられたらさぞ癒されることだろう。

もうそのためだけに依頼をしても…と考えてしまいそうです。


「それでぇ?異世界ってどういうことなのよん」


「あぁ、そうだった。えっとですね〜…おぇー…」


閃は説明しようとキングの顔を見たのだがやはり堪えられなかったようで、吐きそうになっています。

さっき揺さぶられたのとダブルパンチですな。

こりゃきつい。


「しっかりしてください閃様」


イリスに背中をさすられている閃は、さっきと同じ作戦を実行し、乗り越えようとした。


「すいません。私情によりイリスを見ながら話させていただきます」


イリスの頬に手をあて、目を合わせようと自分の方へ顔を向かせる。

美人パワーチャージ開始です。

しかし、思わぬ邪魔者が閃と顔を真っ赤にしちイリスの間に入り込んできた。


「閃、私がいるではないか。それは私がやってやるぞ?」


自称閃の妻であるレナさんですね。

閃とイリスを素早く離れさせ、閃の首に腕を回ししな垂れかかる。

つか自称でもなんでもないか。

閃も離れんな、とか言ってたしね。


「レナが?じゃあお願いするとしようかな」


閃がお願いすると、レナさんは微笑んで頷く。

やべーめちゃくちゃ綺麗です。

鼻血出そう…。

そしてその後ろにいるイリスは未だに顔を真っ赤にし、頬に手をあてながらぼーっとしている。

この世界の綺麗な人はあまり男性のこういう行動に耐性がないようで、あまりに初々しい反応のくれるためものすごく可愛らしい。

大人っぽいレナであっても、時に少女のような反応であるため、年上好きの閃君は堪らなかったとかなんとか。


「じゃあ仕切直して。まず先程俺の出身は名も無き村と言いましたけど、本当は異世界の出身です。この世界へは自分で作った魔具<ワールド>の誤作動によって来ました」


そこまで喋ると、その中に聞いたことのない単語が含まれていることにレナさんは気付いた。


「閃、魔具とは何だ?」


「それがアイシィたちなんだよ」


閃はアイシィを見て、その鞘を撫でる。


『そうですの。私たちは閃様が、閃様ご自身のために作り上げられた魔具なのですわ』


「いや、別に俺のだけのために作ったわけじゃねぇんだけど…」


まるで自慢するような声色で話すアイシィ。

閃に作られたことを誇り、喜んでいるようだ。

多分エレンやサン、フゥも同じことを思っているだろう。


『そんなことより、先程から閃様にくっついてる貴女。早く離れなさいな。さもなくば氷漬けにして差し上げますわよ?』


「………なんだこの剣?壊されたいのか?」


『はっ!貴女のような者が閃様に作られた私を壊せるわけないでしょう?』


「ほぅ…。ならやってみせようか?」


『えぇ是非。さぁ閃様、私に魔力を流してください』


「………ちょっと静かにしろお前ら。話が進まんだろうが…」


「『ごめんなさい』」


どうやら閃君は、自分を間に挟んで喧嘩をされ、おまけに話も中断してくれやがったためにご立腹のご様子。

すぐに、まずいと感じた二人は謝ります。

賢明な判断ですな。


「話を戻すぞ?簡単に言うと魔具っていうのは、物に魔法を刻み込み魔力を通すことによって誰にでも使えるようにしたものです。例えばこれとか」


閃が袋に手を突っ込み、中をゴソゴソ。

そして取り出したのはランタンである。

だか中にはランプや蝋燭らしきものは何も入っておらず、外側に何か文字のようなものが刻まれている。

閃が野宿するときために用意していた物で、レナさんたちは先程持ち物チェックの時に一度見ていた。

その時は何に使うか怪しんでいたが、中は空だったし、魔具なんて知らなかったからスルーしていたのだ。

閃が魔力を通すと光がランタンから発せられた。

詠唱も何もせずに(詠唱破棄という技術もあるが)道具にただ魔力を通すだけで魔法が発動したことにその場にいた者は皆さん驚いたようで。

閃と会ってから驚きっぱなしですなー。


「これが魔具というものです」


「へぇ…、不思議なものだね。でも、君の持つ剣は一つの魔法という感じじゃなかったけど?」


ジークの疑問はごもっとも。

エレンやアイシィ、サンとフゥもだが、炎や氷を生み出し自由に操っていたのだから。

一つの魔法というわりには少々範囲が広すぎる気がする。


「ああ、そりゃこいつらは特別だから。こいつらには複数の魔法を刻んでますからね」


なん、だ…と……?

聞きましたか?みなさん。

こいつ一つの物に複数刻んでるんですって!!

規格外すぎるよ!!

大抵、物には一つの魔法しか刻めない。

それは物自体が耐えられないからだ。

魔法一つにも、莫大な量の力、情報が詰め込まれている。

一つの物にそれらを刻む、というかたかが物がそれら受け止められるわけがないので、魔具職人が耐えられるように魔法をいじるのである。

回路をいじったり、原理をいじったり。

だから必要な魔力が増えたりしてしまうわけだ。

一つの魔具を作るのも大変なのにこいつは!!

この規格外自称人間野郎は!!

……………はぁ。

もういいや。

続けてくださいな。


「ふむふむ。そうだったのか」


「なるほどねん。あなたの事情は分かったわ。魔具、とかいうのもこの世界にはないものだし異世界というのも本当かもねぇ。その袋も魔具かしらん?」


「ええ、よく分かりましたね」


「さっきその袋のことで動揺したでしょ?あの祖父の遺品だ、って話も嘘だろうと思ってたしねん」


キング、なかなかやるな。

実際は乗り越えられてなかったみたいだ。


「それで?あなたはこれからどうしようと思ってるのかしらぁ?元の世界には帰れるの?」


「いえ、帰るのは難しいでしょうね。魔具は向こうに置いてきてしまったようだし。しばらく、というかずっとこの世界でお世話になるかと」


少し寂しく閃は笑った。

自分の世界に帰れないとなったら寂しいに決まってる。

天音さんやセシルにも会えないしなぁ、だとさ。(基本、迅の旦那はどうでもいい)


「ですからギルドに登録しようかと」


「それがいいな。閃はSランクのグランツを圧倒したんだ。二つ名などすぐに貰えるだろう。それと…、い、一緒に依頼も受けような?」


レナさん、閃と顔近すぎじゃないっすか?

もう鼻の頭付いてますよ?

もう少し人の目とか気にしたほうがいいと思うのは俺だけ?


「レナ、もう少し私たちのことも考えろ。人の前であまりイチャイチャするな」


「グランツはうるさいな。本当にうるさいな。というかうるさいな。私の勝手にさせろ」


「ハァ…」


おお、グランツも巻き込まれる側みたいだな。

完全巻き込まれ型の閃と意外に仲良くなれるかもしれない。

第一印象こそ両方共よろしくない感じだったが、一緒に依頼なんかをこなせば認め合うことでしょうな。

グランツもなかなかの強さだったし、ジークに関しても同様だろう。

キングは言わずもがな、あの強力な顔面をもって相手を捩じ伏せる。(この世界の人間は見惚れて、閃は吐血)

ちなみに、グランツは戦闘時以外の一人称は私なようで。


「そうねん。グランツに勝ったんだもの、Sランクの資格はあるわね。でもいきなりSというのも問題アリだからAランクからでどうかしらん?」


「え?いきなりですか?別に俺はEランクからでもいいんですけどね」


「そうもいかないのよ。今うちのギルドは人手不足でねん。Aランクになるかわりにドンドン依頼まわすから、覚悟しててねん?」


「そういうことなら絶対に!!必ず文句なしに無条件に間違いなく断固どうしてもマジで本当にEランクがいいです!!!!」


普通なら喜ぶところをどうしてもEランクがいいと言い張る閃君。

そりゃそうだよねー。

そんな依頼ばっかりの毎日じゃなくて、のんびりうだうだぐったりスローライフがいいんだもんねー。


「よろしく、ね?」


バチコーン☆


「おぇ……、分かり、ました…」


キングのウインクが炸裂!!

一 撃 必 殺

閃は敗北した。


「それじゃイリスと登録してきてねん。よろしく、イリス」


「はい、分かりました。それでは閃様、こちらへどうぞ」


「よし、さっさと行こうか閃♪」


レナさんが意気揚々と閃達に着いて行こうとしたがそれはかないませんでした。

キングに呼び止められたからですね。


「レナはだめよぉ?新しい依頼がはいったからやってもらおうと思ってるの。こっちに来てちょうだい」


「えぇー…………」


そんな声が閃の背中から聞こえた。

このやり取りを聞いた閃は呆れた、と言わんばかりに溜め息をつき、だが笑顔でレナさんの方へ振り返る。


「レナ、また後でな!!今日は一緒に飯でも食おう!!」


それを聞いたレナさんは、拗ねた表情から途端に笑顔へと変わる。

レナさんが大きく手を振ってきたので閃も振り返し、登録へいつもよりほんの少しだけ、軽い足取りでイリスと出て行ったのであった。

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